データ・サイエンティストに学ぶ「分析力」

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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822249472

感想・レビュー・書評

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  • 広告会社オグルヴィのマーケティング担当が書いた本。

    オムツとビールのバスケット分析が嘘だったってことが一番の収穫。

    web画面の見せ方を工夫すると、入会率が上がるよっていうことを言っている。(入会ボタンを、オレンジから緑にすると良いなど。オレンジは目立つけど、警告の意味があるからとのこと)こういったことを、統計的に分析し、提案し、実践し、改善するのがお仕事のよう。

    A=(P*MC)/ROIで、ある広告を特定の人物に表示することに対して支払う金額がわかる。
    Pは、広告を閲覧した人物が口座を開設する確率。
    MCは、実際の顧客になる毎にもらえるマージン。
    ROIは、企業が投資したことに対して得られる利益の割合。

    広告予算の削減は、長期的にマイナスの影響をもたらす。

    目標には、「測定方法」「ベンチマーク」「時間設定」が必要。この3つがそろわないと、目標は単に緩い方向性を示すものか、願望のようなものになる。

    財務管理サービスのミント・ドットコムはおもしろい。「あなたの財務状況を教えてください。私たちはその改善に向けたお手伝いをします」財務諸表から何かを読み取るのは難しいので、専門家に見てもらったほうが効率的であれば、こういったサービスは有効。

    OODAループ。人間が素早い、直感的に言える意思決定を下す際のステップで、戦闘機の設計経験もある、パイロットのボイドが発明したフレームワーク。
    Observe(観察)
    Orient(情勢判断)
    Decide(意思決定)
    Act(行動)

    専門的な数学・統計学を学ぶとどれだけ分析の切り口が増えるのか、ぼくには見当がつかないなー。
    結局、納得感あるものを出せる、顧客目線の方針を出せるかどうかだと思う。

  • 【Summary】
    データ分析によって、企業の課題解決をしてきた著者の過去プロジェクトをベースとした内容。
    既存の理論に沿った分析というよりも、この著者独自のフレームワークの紹介がされている。
    高度な分析をする研究者的アプローチというより、単純で誰もが理解可能なフレームワークでシンプルに分析するコンサル的なアプローチが多い印象。
    自分自身も今後データ分析のプロジェクトをする場合は、コンサルという立ち位置上、高度で複雑な分析をすることが目的ではなく、いかに早くそこそこ妥当な解を出し、クライアントを動かすかということが大事になりそうなので、その点では本書は参考になった。

  • 世界的な広告会社オグルヴィで「データ・サイエンティスト」として活躍してきた著者が、数々のクライアントとの仕事を通じて実践してきたデータ分析ノウハウを体系的にまとめた一冊。具体的事例に基づく実用書でありながら、次の時代を見据えたマーケティング/コミュニケーション戦略のあり方も提示していて興味深い。

    どの顧客に対して、どんなメッセージを、どのようにして届けるのか、それにどの程度のコストをかけるのか等を検討し実行するために有用なフレームワークや定量的分析手法が数多く紹介されるが、その中で著者はICTの発展によって可能になったビッグデータの有用性を認めつつ、企業が普通に入手可能な「リトルデータ」であっても分析は十分可能であり、重要なのはデータから意味あるメッセージを引き出し、それを誰にでもわかる形で提示することだと主張する。

    さらに著者は、近未来の消費者が個人情報をより主体的にデジタル世界の中で開示することで、企業がそれを的確に分析し、真に価値ある広告のみが表示される「価値交換」社会の進展を予測する。サイエンスとアート両面からアプローチに長けた著者ならではの語り口には、単なる分析ノウハウ本にはない奥深さを感じることができる。

  • 非常に実践的なデータ分析本です

    残念なのが、若干タイトルとあっていません

    「手元にある小規模のデータから分析しろ!」という感じの主張が本でなされていますが、、、副題に「ビッグデータから・・・」となっています。英文のタイトルも「Sexy Little Numbers」ですから、、、

    タイトルは微妙ですが、中身は本物です

    実務家にお勧めです

  • 単一のテーマを巡って一定期間集中的に読んだほうが効率がよいかと(いまさら)思い、ビッグデータ関連本をしばらく追ってみることにする。本書はビッグデータをいかに企業戦略(主にマーケテイング)に生かしていくかというテーマの本で、かなりよく書けている。データに基づいて顧客のセグメンテーション、ターゲッティングを行い、伝えるべきメッセージやそのロケーションを決定する。さらに適切な予算設定(売上の何%とかいう基準ではなく本当に適切で必要な予算枠の策定)、効果の測定(KPIとして何をとるのか)、PDCAサイクルを回すための最適化といった事柄が書かれている。

    著者が言うよう、特にビッグデータが騒がれる以前からデータや数字は重要だったのだ(p.1)。それは今になって重要になってきたわけではない。何が変わったのかというと、技術の発展により、顧客の行動に関するあらゆるデータが分析可能になった(旧来のデータの新しい分析が可能になった)。また、あらゆる行動からデータが生み出されるようになった(新しい種類のデータが入手可能となった)。そのため、データについて従来とは異なる分析が可能になり、戦略、戦略を実行するための戦術、戦術の実行という3つの場面において改善が可能になった(p.25f)。

    とはいえ、データを分析をすればすべてが得られるわけではない。データには解釈が必要であり、「データとその解釈が揃うことで、初めて分析作業が楽しいものとなる。分析の半分は科学で、半分はアートでできているのだ」(p.115)。こうした様々な解釈の技法が実例とともに書かれている。それはバリュースペクトラムモデルや顧客生涯価値といったマーケテイングの概念から、クラスター分析や相関分析など計量経済学の概念、A/BテストなどのWeb技法まで及ぶ。なかでも数種類のページをランダムに提示してWeb分析により改善を図っていく多変数テストの実例(p.294-316)はとても面白い。

    最終章ではこうしたビッグデータによるマーケテイングの行き着く先が予想されている。分析のノウハウが蓄積されていけば、こうした戦略・戦術構築は自動化されていく。すると必要な人間は技術者と魔法使いだと述べる(p.318,339f)。つまり分析システムをメンテナンスする技術者と、分析の結果得られた発見を行動へと導く魔法使いである。魔法使いは分析結果に対して創造力を用い、直観的な意思決定を行う。そしてこうした魔法使いたちによる試みを企業内で蓄積していく手段として、アジャイルマーケテイングが語られる。ソフトウェア開発技法のアジャイルに発想を得たこの方法は、OODAサイクル(観察Observe、情勢判断Orient、意思決定Decide、行動Act)からなる(p.340-346)。

    非常に多くのネタが詰まった本で、ビッグデータによるマーケテイングを考える際には第一級の参考資料となるだろう。邦題が凡庸なのがちょっと玉に瑕であるが、戦略面からビッグデータを見るには最適の一冊。

  • マーケティングの知識としてタメになった一冊。このような本を読むと自分はなんて狭い世界で分析をしているんだろうと痛感する。何のため、誰のため、という思いは大切だ。

  • 翻訳される本にはそれだけの手間をかける意味があるのが通常だが、バズワードがビジネス潮流になるタイミングで、このような、ワードに絡めば何でも良いというような本も出てくる。
    営業資料とウイキぺディアを合体させたような、何とも読み応えの無い一冊。もっと良書があるので他を読むべきかと。

  • 読みにくい。
    章末に章毎のまとめがあるが、それからして内容が薄い…

  • 理想的な顧客はどれか、その顧客が求めるものは何か、何をどのようにすればその顧客に伝わるか、その分析のためには何をどのように測定するか、その活動がどれだけの効果を上げているか、使える予算はいくらか、データ分析の視点でその具体的なアプローチ方法を説明している。

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