- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784822249472
作品紹介・あらすじ
米ハーバード・ビジネス・レビュー誌が「21世紀で最も魅力的な職業」と呼ぶデータ・サイエンティストの手法をわかりやすく解説。シスコシステムズ、UPS、BT(ブリティッシュテレコム)、イーベイ、シーザーズ・ホテルチェーンの企業事例やソーシャルネットワークの活用事例などを満載。
感想・レビュー・書評
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仕事上必要となり、読む。なるほど一端と概要はわかった。次はで、どうなるの?ってことを自分で考えることだ。
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ビジネスは需要と供給で構成されており、企業がコントロール可能な供給に対して消費者がコントロールする需要に対して働きかけていく行為がマーケティングである。
本書はマーケティングに関して最新の分析手法をピックアップし、理解しやすい形で解説を加えることで読者のデータリテラシーを向上させることを目的としている。
分析の重要性が近年取沙汰される傾向にあるが、ただ「これからは分析が重要」「ビッグデータを使っていかなければ」とか言っていても何の意味も無い。
大切なのは分析をするにあたって「誰にアプローチするのか」「顧客に何を伝えるのか」を考えることである。
そこをはっきりさせなければ必要なデータやそれによって得られるものも曖昧になってしまい、どんなに高度な分析を用いても十分な効果を得ることが出来なくなってしまう。
スケールが大きくて実体を摑むのが困難であるからこそ、結局如何に定義し、選択し、読み取るか。
本書を読んでいてデータの持つ大きな力を再認識することができ、またそれを用いる上で何を押さえるべきなのかを意識するにも至った。
またアナリティクスの未来に関する記述も興味深い。
今後データを活用したマーケティングが更に重要になってくるにあたって、アジャイル(機敏)であること、専門的な知識をマーケティングの文脈で理解し言語化して人に説明できること。
これらが明暗を分ける。
その中で個人がどういった役割を担っていくべきなのか。
現在のトレンドや今後のデータ活用に関する理解が深まり、非常に勉強になった。
少なからずデータを活用する最前線に入っていく身として読んでよかったと思う。
今後もアンテナを高く張ってトレンドに関する情報を吸収しながら、そのマーケティング上での文脈を読み取る訓練を怠らずにやっていきたい。
まだまだ勉強不足。 -
ビッグデータ・・・よく聞く言葉。
とはいえ、その実態は?
ビッグというのも、ザックリで、どこからどこまでを選択するか?
その実態がわからないからこそ、それをいかに定義して、選択し、読み取るか?
キュレーション能力が問われるのだろう。
まずはスモールから、自身の手にある(だろう)データから扱ってみる。
そして、既にある分析方法でいろいろつなげたり、グルーピングしてみる。
そして、実際試してみる。(←ITの技術の上で、日々データと結果を積み重ねることができるから、迷わず少しづつでも確実にやりたいことを進める実験の継続がある。だから、考えのストーリーが実現に繋がる)
だから、スモールが自身の方向性でビッグになる。
そんな思考と施行の実態を教えてくれる一冊。
それをマーケターマインドとサイエンスの融合と調和というのではないだろうか?
そして、現代のデジタルを使ったソーシャルで、ファンとともに参加するメーカーの在り方なのかもしれないと思うのである。 -
ゾクゾクされられた本。
巷でバズワードとなっているビッグデータの取り扱いを具体例で示している。
需要創造にむけた顧客のセグメントとメッセージの構築の手順を学べたのが大収穫。
今後も読み返したい。 -
本書は、無限ともいえるビッグデータではなく、身近なリトルデータの分析の可能性について、著者自身が扱った事例を交えながら説明している。一読してみて、やはり分析の核心は、仮説の設定と変数化につきると思った。どのデータ使い、どのような知見と価値を得るかを熟考することが重要だ。加えて、その価値を踏まえ何をすべきか考え、実行に移すことが大前提となっている。これが学術研究と実務上の企画の違いなのだろう。
扱われている事例はほとんどが企業だ。大学経営に直接直ちに応用は難しいが、データに依拠したマーケティングの考え方は参考になる、というより明らかな隔たりがあると感じた。近年の高等教育政策・大学経営の文脈では、IRの重要性が指摘される。どちらかというと、設置者を問わずその公共性に鑑み、アカウンタビリティの果たすための情報公開の延長線上で、機関内で情報を整理し、公開することが促進されている。もちろん、一部の先進的な大学では入学者選抜にその情報を活用している。他方、企業経営の文脈では、競合他社と差別化を図り、少しでも優位となるような行動様式を重視している。この本もその解説となっている。これら2つの文脈には、データ解析に対する基本的な動機の違いがあるようだ。公的な法人と私企業の違い以上に、組織経営へのアグレッシブさの有無ともいえるかもしれない。
商業化する大学やアカデミックキャピタリズムの流れは、アメリカの高等教育システムの影響を受け続ける日本にも到来していることは明らかだ。とすれば、本書のようなマーケティングの手法を大学経営に取り入れずに済むと言いきれない。一部の大学は既にプランニングセクションにこの手の仕事をさせているはずだ。
多くの大学職員は、ある大学の志願者増減の規定要因を確実に把握したいはずである。しかし、それは明確でない。本書は「需要はあいまいな世界」(P.25)であり、「無数に存在する原因が組みあわさった結果」(同)かと問いかける。需要を増やすために、既存の顧客データをセグメント化するところから出発している。これは大学経営にも適用できるはずだ。分析の枠組みはマトリクス表ないしクロス表となっている。消費者の動機、感情、ニーズに基づきグループ化・類型化することが先決とのことだ。意外に商品購入の際合理的判断をしていないとも書かれている。「思考」と「行動」に先だって「感情」(P.135)があるというわけだ。
類型化といえばクラスター分析(P.114)だ。個人的には修論でこれを使うので“手で”覚えていくことにする。テキストデータの分析(P.129)も同様。
マーケティング予算策定の15のアプローチ(P.185)は特に興味深く読んだ。1.直感と経験則、2.これまでの継続、3.売上額の一定割合、4.払えるだけの額、5.昨年度の利益の残り、6.粗利の一定割合、7.売上予測の一定割合、8.単位売上あたりの一定額、9.顧客/消費者一人あたりの一定額、10.競合他社の予算に合わせる、11.ブランドの市場シェアと「話題のシェア」を一致させる、12.限界収益、13.タスクアプローチ(要計量経済学)、14.モデリング、15.メディア影響力テストの15個だ。一大学が予算編成する際、これらのうち、どれを使っているだろうか。多くは1ないし2だろう。バジェッティングとプランニングは表裏一体だということがここからもわかる。
ウェブ分析のツールとしてグーグルアナリティクス(P.253)が紹介されている。
http://www.google.com/intl/ja_jp/analytics/index.html
P.336のマーケティングの専門化も非常に刺激的だ。以下のように専門分化している。
ビジネスプランニング
・予算設定と配分
・ビジネスケース作成
・シナリオプランニング
オンラインメディア分析
・オンライン行動ターゲティング
・ソーシャルメディア分析
・オンラインメディア分析
・検索分析
計量経済学モデル
・キャンペーンパフォーマンス測定
・マーケティングミックス測定
・メディアミックスのモデル化
360度評価とレポーティング
・パフォーマンス報告
・ダッシュボード
ウェブ分析
・ウェブサイト報告
・テストと最適化
ターゲティング
・セグメント化
・予測モデル
定量的リサーチ
・追跡調査
・オンラインリサーチ -
結論としては、読んでよかったです。前半が、正直あまりにも関わりのない分野の話をされたので、戸惑いましたが、最終章が本当に今、欲しい情報だったので、★4にしました。
コンテンツ屋をやっていたのですが、まず情報を取り、まとめ。どう情報を役立てていいのか、悩みだったので、興味を持って読みましたが、変化の早い市場の中での示唆があり、勉強になりました。 -
ターゲットにするべきは誰、そしてどのようなメッセージを送るべきか、様々なメディアや景気の動向の中で予算をどのようにコントロールするのか、そして何を測定してどのように最適化を図るのか、全ての答えはデータにあると説き、感や経験ではなくデータ判断するマーケティングひいてはこれからの経営を指南する。
ビッグデータ(魅力的な小さなデータ含む)をマーケティングそして経営に活用する指南書であるので、IT系の人が最初に読むビッグデータの本としてはお勧めしかねますが、これからの経営を俯瞰するにはとても勉強になります。
ちなみに、ビッグデータを使ったマーケティングのたとえ話で有名なビールと紙おむつの相関関係は創作であるとの衝撃的な事実にも言及しています。 -
本書は数々のデータをいかにマネジメントして活かしていくかという話なのでこれは転職前に読むべきだった。ECサイトの話辺りは興味深かった。確かにTOPページはお店の顔。しかしデザインが変わらなければそれ程影響はないだろうと思っていたが、正確に分析すればかなりの違いがあるようだ。
あとは、何度も形を変えて出てきたクロス集計。他書でも見かけたしやはり分析の基本になるのだろう。だが、この領域の顧客はこうしたら良い、と分かってもその通りにならないのが現実。皆と同じ分析をしていたら勝てない。独創性が必要になるのだろう。 -
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