フードトラップ 食品に仕掛けられた至福の罠

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  • Amazon.co.jp ・本 (524ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822250096

感想・レビュー・書評

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  • アメリカで販売されている加工食品に大量の糖、脂肪、塩が添加されていることはよく分かったが、日本ではどうなんだろう。アメリカでも塩分の取り過ぎが問題になっているとは意外だった。2014年7月6日付け読売新聞書評欄。

  • 「脂肪です」
    「糖分です」
    「塩分です」
    「出たな、余分3兄弟っ」

    なんていう飲料のコマーシャルを思い出した。食事や間食での
    摂取量に気をつけないと体に悪影響を及ぼす余分3兄弟。

    この余分3兄弟をふんだんに使用しているのがアメリカの加工
    食品だ。本書はアメリカの加工食品会社が商品に仕掛けた
    巧妙な罠で、消費者を過食へと導く行程が描かれている。

    文明かが進めば進むほど、人々は食事に時間をかけなくなって
    行く。料理をする時間さえ惜しむほどだ。するとどうなるか。手軽に
    食べられるインスタント食品やスナック菓子が喜ばれる。

    そこには大量の脂質・糖質・塩分が含まれている。それが人々の
    食欲を満足させる。満足させるだけならいいが、「もっと食べたい」
    との欲求を起こさせる。

    アメリカの加工食品がよく分からないので特定の商品についての
    話は理解出来ない部分もあったが、加工食品の実態と食品会社
    がいかに消費者の健康なんて考えてないかが描かれていて少々
    ぞっとする。

    ポテトチップスを例に取ると理解しやすいかもな。日本では食べ切り
    サイズの小袋も販売されているけれど、あれだと「食べ足りない」と
    感じる時があるんだよね。

    だからって、大きな袋を開けて途中で食べるのを止めるのも難しい。
    実際、本書を読みながらポテトチップスを食べていたのだが、危うく
    1袋を空けてしまうところだったもの。気付いて片づけたけどね。

    そんな食品加工会社の上級役員たちが自社の商品は食べないよう
    にしているなんてなぁ。健康に良くない商品を売っているという自覚
    はあるんだろうね。

    一応、食品会社も商品の見直しはしている。余分3兄弟を減らした
    商品を売り出した。ところが、売り上げが伸び悩み、株価が下がり、
    ウォール街から「もっと売れる商品を作れ」と尻を叩かれる。

    そして振出しに戻る。悪循環だよな。

    それにしても、アメリカ人の食卓はシリアル、冷凍食品、スナック
    菓子だけで成り立っているのか?いや、忙しいと食事を作るのが
    面倒ってのは分かるんだ。分かるんだけど、手料理って大事じゃ
    ないのか。

    日本のスーパーに並んでいる「麺つゆ」。私はあれでそうめんや
    うどん・そばが食べられない。だって、どんなに薄めても甘いの
    だもの。大量に出汁を取って冷凍しとけば、それほど面倒じゃ
    ないんだけどな。

    日本もいつかアメリカみたいな食生活になって、余分3兄弟が
    はびこるんだろうか。

  • ソフトカバーで530P強。ものすごく小さい字のところもあり、読み応え充分……。
    「糖分」「脂肪分」「塩分」の三章に分かれていて、ドキュメンタリータッチで真相に近づいていく。加工食品、外食産業花盛りのアメリカの話だけれど、沖縄に住んでいる今、とても他人事とは思えず。
    なんにせよ、売る側は買う人の健康なんて考えていないし、自分達が売っている物を食べてもいない(人が大多数)。すごく見下している、というのが率直な感想。

    内容的に勉強になったのは、人の身体は「液体のカロリー」を扱うのが苦手、ということ。砂糖も溶けていれば身体に入ってしまう。(個体では、コップ一杯の加糖の炭酸飲料分の小さじ6杯の砂糖は食べられない)
    濃縮果汁還元の100%ジュースも、砂糖、コーンシロップ(果糖ブドウ等液糖)と同じ種類の糖分と思っていい。(栄養素は加工過程で抜けている)

    私は、「これがないと生きていけない」は好きじゃない。だから、読んでよかったと思う。

  • 塩分、糖分、脂肪分
    日本の食品メーカーも、これと似たり寄ったりのことをしているんだろうなあ。
    日本も、働くお母さんが増え、子供との食事に加工食品が増えたら、肥満や糖尿病の子供が増えるだろうなあ。

  • 読めば読むほど加工食品が怖くなった。食品メーカーで働きたいと思った時期もあったけど、なかなか難しい業界。
    それにしても、長くてなかなか読み進められず…

  • 加工食品にしかけられている、数々の罠。
    糖分、脂肪、塩分はもちろん、広告から店頭における配置まですべてはメーカーの利益追求のため。
    メーカーの重役の多くが、自ら手がけた商品を避ける食生活を心がけているという事実から、いかに加工食品が身体によくないものかがわかるというものだ。

  • ・原題は「Salt, Sugar, Fat」

  • 新聞の書評から興味を持って。食品の大企業により仕掛けられた、糖分脂肪分塩分の至福の罠。一日の摂取量を大幅に超えたところにある、人々の満足点。引き換えに不健康を得て(与えて)では健康的な物を開発…しても売れず。企業としては利益を得なければいけないゆえ、リバウンドのごとく盛られるこの至福の3アイテム。
    甘いお菓子に手が伸びなくなるほど、ぞっとした内容です。
    料理は苦手ですが、新鮮で安いアイテムの手に入る環境に感謝して、自分でも作れるようにしなくちゃと背を押されました。

  • 144ページから再開

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著者プロフィール

ニューヨーク・タイムズの敏腕記者。2010年に食肉汚染の調査報道でピューリッツァー賞を受賞。2006年にもイラク戦争の報道で、ピューリッツァー賞の最終候補になった。ウォールストリート・ジャーナル、ニューヨーク・ニュースデイ、アトランタ・ジャーナルコンスティチューションなどを経て2000年より現職。

「2014年 『フードトラップ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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