カレーライスの謎―なぜ日本中の食卓が虜になったのか (角川SSC新書 40)
- KADOKAWA(角川マガジンズ) (2008年5月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (171ページ)
- / ISBN・EAN: 9784827550405
作品紹介・あらすじ
1950〜60年代の高度成長期に新しい"おふくろの味"として食卓の主役に踊り出してから、長年にわたって日本人が夢中になり続けている料理、カレーライス。インド料理のカレーとは、似て非なるこの"日本料理"は、いったい誰が生み出し、どのように広まっていったのか。カレーの語源、カレー伝来のエピソード、カレールウとレトルトカレーの製造秘話、カレーに含まれる旨み成分の中身など、カレーライスの謎が今明かされる。
感想・レビュー・書評
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カレーの歴史が時系列で書かれている。
驚くような発見はなかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
奇をてらった結論も展開もない。
やはりカレールー、レトルトの恩恵と、そこへの日本人のこだわり、子供の頃から家で食べてきた「家庭の味」化ということなんだな。
文句なし。 -
カレーの歴史を紐解き、その謎にせまる。
消費者は、メーカーではなくブランドでカレーを選ぶというのは、なるほど納得。
カリ~番長水野さんのカレー愛にあふれています。 -
東京カリ~番長の水野仁輔さんによる熱いカレー論が記された一冊。
私が好きなエピソード(カレーを主婦に普段どおり作ってもらったら、我流のアレンジ(自称ヒトテマ)を加えるよりも説明書どおりに作ったほうが人気投票ではおいしかった)もp.135-137に掲載されていました。
このエピソードは、食べ物に限らず市場に流通する多くの商品でも該当すると個人的に思っています。
カレーが国民食として根付くまでの国内各社の取り組みがよく書かれているように感じました。
昼休みなどの空き時間を利用してサラリと読むことが出来ました。
付箋は11枚付きました。 -
カレーの本。
普通。 -
「カレーライスの謎」というタイトルに相応しく、カレーが日本に浸透していくまでの流れを網羅した一冊。カレー好きなら読んでおいて損のない雑学が盛りだくさん。
カレー粉は調味料ではなく『調「香」料』。カレー粉だけでは、味は整わなくて(ものたらないくて)、ここに酸味のある素材(トマトやヨーグルト)でスパイスを調和させて、肉や野菜の旨みを合わせて完成するものなんだよなぁ。調香料、うまく言い表してるなーと思いました。 -
ま、ほほうって感じかな。
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カレーはおふくろの味が一番美味しいという人は信用出来ないとかなんとか話は始まる。
結局、カレーは思い出が味の決め手と終わる。
出だしと結びのイマイチ感はさておき、ハウスとエスビーの覇権争いとグリコの進出の話しは面白かった。 -
即席カレーメーカー各社の特色が説明されており、興味深い。
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偏愛に満ち満ちたカレー教書。
戦後までの日本におけるカレーの位置づけや歴史については、ほぼ一般的な内容だが、著者がカレーにかける思いが強烈過ぎる故に、ちょいとくどい。(この手の著述は、「丁髷とらいすかれい」という名著には敵わぬだろう。)
本書が凄いのは、固形ルーとレトルト・カレーの洞察の深さだ。トップメーカー3社にきっちり取材を行い、マーケティングのハウス、味と香りを極めるS&B、技術革新のグリコという巧いまとめをしている。
著者をカレー偏差値80とすれば、私自身も70upを自負できる(少なくとも過去には)。若干の方向性が異なるものの、共感可能な部分も多い。レトルト・カレーのパッケージの収集とか「不味いカレーは作れない」発言は私もしたことがある。かつてバイブル視していたカレー大王・森枝卓志の著書には、愛ではなく知を感じたものだが、本書は愛情(偏愛)たっぷりである。カレーメーカーへの取材以外の記述には目新しい発見は少なかったものの、その分、愛を感じられた。
「カレーとは何か?」という問いへの答えを模索している著者であるが、ひとつの答えとして「カレーとは愛である」という答えもアリだと思う。