GOSICK (富士見ミステリー文庫 38-3)

著者 :
  • KADOKAWA(富士見書房)
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本棚登録 : 1643
感想 : 172
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  • Amazon.co.jp ・本 (329ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784829162293

感想・レビュー・書評

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  • 桜庭一樹を知った一冊。

  • 「私の男」を書いたのと同じ人が書いてるなんて!

    雰囲気が違いすぎます。
    こちらの方がずっと好みです。
    ヴィクトリカかわいいし、ミステリとしても楽しめます。

  • 聖マルグリット学園の図書館塔の上の上、緑に覆われたその部屋で、妖精のような少女-ヴィクトリカは待っている。自らの退屈を満たしてくれるような、世界の混沌を・・・。その少女は語るのだ。パイプをくゆらせながら、「混沌の欠片を再構築しよう」と。



    GOSICK
    まず私の最初の印象は「表紙のメルヘン風からミステリー作品だとは思ってませんでした」です。現在TVでもやっていますが、メルヘン風だろうという先入観で億劫になりまくっていた私が遂に読んでみました。


    そして、私が得た感想は「思っていた以上に面白かった!」です。桜庭一樹という名前から色男系かと思い、余計メルヘンかラブコメだろうと勝手に踏んでいたのですが、何事もやっぱり読まないといけないですねw(しかも女性らしいではないですか!?全くの予想外もいいところです)


    主人公は久城一哉(学園に在籍しているので年齢は13,4?)そしてもう一人の主人公はヴィクトリカ。外見は人形のようにかわいいが声はしわがれていておまけに図書館最上階に隔離され退屈を嫌う美少女名探偵。そんな彼女は謎だらけですが、この作品では彼女が貴族出身で地元迷探偵警部が腹違いの兄だったりと少しだけ彼女がどんな人物なのかわかってきます(また事件解決後には一番大きな発見もあります!)二人は別に進んで事件に関与しているわけでは無く、ヴィクトリカの腹違い兄が久城(ヴィクトリカ)の元に事件を解く知恵をもらいにやってくる為に事件に関わってしまうわけです。


    今回彼らが事件に巻き込まれるきっかけとなったのは、ある占い師が殺人された事件。しかし犯人はヴィクトリカの独り言によりすぐに断定され一度は事件は解決し、警部からヨット旅行に誘われる二人。しかし、(ここからが物語の真の展開でした)いざヨットで海に繰り出す時、占い師殺人事件の犯人が逃げだした!その報告をうけた腹違い兄警部はヨットを置いて犯人探しに行ってしまう・・・。そこで残された二人は帰ろうとするが、ある招待状をヴィクトリカが見つけて・・・

    彼ら二人が巻き込まれる事件はとても悲惨なものです。そんな生きるか死ぬかのなかで久城は男としてのあり方を考えたり、ヴィクトリカにぶつくさいわれたりします。またヴィクトリカは冷静に事件の真相を見抜いていきます。


    事件の展開はスピーディーで非常に読みやすかったです。また今回の事件の発端となった事件も書かれているので2つの事件の展開を比較しながら読むことができ、より話に集中することが出来ました。また事件に占いというものが大きく関わっていたということには何か現代の世界に通じるものがあり、より恐怖を感じました。


    そして、物語の終わりに驚くべきことが起こります、私はこの出来事はうれしかったです。なぜかというとこの出来事で犯人の心が少しは救われたと思うからです(今回の事件の犯人にはとても同情する所が多く、殺された大人には同情する気すら起きませんでした。それくらい理不尽な事実が潜んでいました)。


    私としては非常にすっきりした終わり方でした。ヴィクトリカのキャラクターがメルヘン的でありながら、出会う事件は恐ろしい。そんなアンバランスな組み合わせがとても良いと思います。


    ちょっと次を読みたくなる作品でした。

  • ミステリーものだけど読んでて楽しいです。キャラの可愛さに惹かれますw

  • 4829162295 329p 2003・12・15 初版

  • ラノベという読み易い文体で、これほど深みのある話は他に読んだことがありません!

  • アニメから入った口。文章は思ったほど堅いものではなく淡々と綴られている印象を受けた。それはそれとしてヴィクトリカかわいいよヴィクトリカ。あの声の描写から悠木碧をキャスティングした音響さんはナイス判断と言わざるを得ない。

  • 繊細なイラストと、前から気になっていた直木賞作家という事で読了。
    探偵ポジションのヴィクトリカと、言うなればワトソン役の一弥の掛け合いがツボでした。
    トリックそのものは定番ですが、話の運びが上手いので気付かなかったです。
    当初もやっとしたのが一弥の話し方。
    第一次世界大戦後の、生粋の日本男児として育てられたにしては女っぽいんじゃないかな…なんて。
    でも読んでくうちに慣れましたし、一弥自身も男子としての生き方に悩んでいるので、これで良いのかも。

  • 予想外に、少女向け小説だった。
    変人で頭脳明晰の美少女。
    それに振り回される少年。
    主人公の少年少女が愛らしく、魅力的。
    武田日向のイラストも、作品にぴったり。
    サスペンス風ストーリーに、謎解き。
    テンポよく、楽しく読めた。
    http://koroppy.cocolog-nifty.com/blog/2012/02/gosick-d912.html

  • 本文64ページから引用
     教職員用の油圧式エレベーターのボタンを押し、開いた鉄格子から鉄檻に入っていった。
    「げげぇ!?」
    「・・・どうした、久城?」
    「ヴィクトリア、君、なんでエレベーターに乗ってるの?」
    「許可があるからだ。これは教職員とわたし用のエレベーターなのだよ。・・・どうした?なぜ泣きそうになっている?」
    「いや、ぼくはまた、君も迷路階段を上がっているものだとばかり・・・。ぼくらは同じ苦労をともにしているものだと・・・」
    「そんな馬鹿な。こんな階段を何分もかけて上がるマヌケは、君ぐらいだ、久城」
    「ぼくも乗せてよ」
    「それはいけない。これは教職員とわたしのためのものだ。君は辛い辛い思いをして腿をだるぅくしながらえっちらおっちら階段を降りたまえ。勉強ばかりしている君には、貴重な運動だ。せいぜい無駄に体力でもつけたまえよ」
    「では、友よ。下で会おう」
    「えっ・・・ちょっ、ヴィクトリカぁぁぁ!?」
     ガタタンーー!
     鉄檻は無情にも、ヴィクトリカだけを乗せて落下し始めた。

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著者プロフィール

1971年島根県生まれ。99年、ファミ通エンタテインメント大賞小説部門佳作を受賞しデビュー。2007年『赤朽葉家の伝説』で日本推理作家協会賞、08年『私の男』で直木賞を受賞。著書『少女を埋める』他多数

「2023年 『彼女が言わなかったすべてのこと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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