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- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784832958111
作品紹介・あらすじ
カントの思索 をその主要な局面において概観すると同時に, 現代をも含めた歴史の中に彼自身を置いて見るという, 二重の「カント哲学のコンテクスト」を明らかにすることによって,難解さを象徴する代名詞とすらなっているカント哲学への導入を容易に図ろうとする意欲的入門書.
感想・レビュー・書評
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カント哲学の全体像を、その歴史的文脈や後の哲学との関係から明らかにしようとする「入門書」。始めにカントの人物像について解説が加えられる。第1部で、理論哲学・実践哲学・目的論及び歴史哲学について簡潔な説明がなされ、第2部でルター、モラル・センス学派、ドイツ観念論(その道徳論的側面と自我論的側面)とカント哲学の関係性についての解説が加えられる。そして第3部では、現代哲学(ウィトゲンシュタイン、現代論理学)、ロールズ、そして生命倫理学にカントがいかなる影響を与え、またそうした現代における思想がカントの思想にいかなる応答をしているかが明らかにされる。「入門書」という位置づけだが、扱っている問題群に対する個々の論考はどれも刺激的であり、カント哲学についてある程度の理解がある人にとっても満足のいく論文集である。
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