鈴木敏文の「統計心理学」

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  • プレジデント社
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  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784833417624

感想・レビュー・書評

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  • ということで鈴木さん本です。本人著作ではありませんが。例がセブンの話に特化しているので、その方面に興味のある方には向いているかも。

  • ■セブンイレブン系第二段。小売のアウトソーシング&販売方法コンサルティング(コーチング?)というコンビニ業界のビジネスシステムを統括する鈴木敏文さん。その愚直なまでの顧客中心主義が、角度を変えて何度も語られる。

    ■学生時代心理学を選考していた身としては、この本で語られている「心理学」のほとんどが学問的な”心理学”とは無関係なものであると感じた。しかし、POSで集められる900万人/日の購買データをお客様の視点で捕らえ、仮説を立て、それを検証していくというプロセスを徹底させるその姿は、非常に学問的だなぁと思わされる。

    ■ちょっとセブンイレブンで働きたくなってしまうので、独立志向の高い方は読まないほうが良いかも(笑)。それは冗談としても、革新とは日々の小さな変化(あくまで仮説⇒検証を経る物)の積み重ねの上に成り立つ事を教えてくれる一冊。『最近残業だけは増えるのに売り上げが伸びないなぁ・・・』とお嘆きの皆様に最適。

  • セブンイレブンをコンビニの雄に育て上げた稀代の経営者、鈴木敏文さんの発想法や思考力について解説した本。

    顧客にとっての「あたり前」にこだわり続け、仮説と検証を繰り返してセブンイレブンを大きく育てた鈴木敏文さんの経営手法を、インタビューや取材を通して読み解いています。

    また、鈴木敏文さんの経営哲学ともいえる55の金言も紹介されています。

    常識や通説を鵜呑みにせず、自分で仮説を立てて検証してみる。このとき、常に「なぜ?」と問い続けることが大事です。

  • ビジネス

  • 鈴木敏文氏が「セブンの変」で退任してから約1年半(もうそんなに経つんだ!)、退任劇の内実を暴く本もいくつか出ているようだが、あえてだんなの本棚からこの本を引っ張り出して読んでみた。
    鈴木氏とセブンイレブンの功罪はいろいろあるにせよ、それらは脇に置いておいて、やっぱり「数字の裏側にある背景について自ら仮説を立て検証する」という仕事の基本は今なお否定のできないものであり、なのにいまだにできていない企業も多いように思える。ビッグデータの時代だからこそ、この本に書かれているデータとの向き合い方はもっと重要になってくるのではないかと思った。
    目次の後に「金言」がまとめられていて、この本の要約にもなっており、納得できるものばかりだったが、今回一番なるほどと思ったのは、「金言19 人間は自分が納得しやすい話をつくりたがる」だった。自分が納得できる話を作るために、都合のいいデータだけ集めて満足していることがいかに多いことか…。もちろん、自分への戒めでもある。
    ただ、一応心理学を勉強した者として言わせてもらえば、まあ心理学っぽいことも書いてなくはないけど、でもこの本の内容は「統計心理学」とはまるで別物だよね…。どうひっくり返っても「経営学」だと思うし、百歩譲っても「行動経済学」ではないかなあ。まあ、この本が出版されたころはまだやっとダニエル・カーネマンが行動経済学でノーベル経済学賞を取ったばかりのころで、今みたいに猫も杓子も行動経済学…って感じはみじんもなかった頃だから仕方ないけどね。

  • 人間は苦しくなればなるほど、過去の成功体験にすがろうとする

    企業にとって一番怖いのは、トップが自分にとって都合のよい見方しかしなくなり、それがいつの間にか暗黙の了解となり、組織全体が自分にとって都合のよい見方しかしなくなって、自己改革能力を失っていくことだ。

    新しく伸びていく会社は、過去の経験なのないところで仕事をしている

    人間は自分が納得しやすい話を作りたがる

    経営とは過去の成功体験を壊し、新しいものを創ることである

  • セブン-イレブンを勝利に導いた総帥、鈴木敏文の発想法と思考力に注目し、「55の金言」とともに紹介した1冊。著者によると、鈴木敏文の発想の根本には、「時間軸で変化の流れを大きく捉える視点」「時間軸を輪切りにし断面を見る視点」「時間軸で未来から見て今を位置づける視点」「脱経験的思考」「陰陽両面的志向」の5つの視点があるという。ここで述べられている「時間軸」の概念は、一流の経営者がよく口にするものであり、この「時間軸」を考慮に入れるのと入れないのとでは、物事のとらえ方が大きく異なってくるようだ。と紹介があったため購入。
    内容が頭に入りにくかった。

  • いまの日本の 流通業をになっているのは
    セブンイレブンであり、その思想的な根拠を与えているのは
    鈴木敏文と言ってもいい。

    心理学と統計学が 基本にあって
    膨大なデータ(1日 1000万人が利用する)を基礎に
    メタ認識と 客観的 および 直感的に 判断し、
    仮説と検証を加えることで、
    欲しいと思われる商品が 飽きられるという現象に
    如何に対応するのかが 重要だと いう話。

    発想の根本にある 5つの視点
    ①時間軸で 変化の流れを大きくとらえる視点
    ②時間軸を 輪切りにして 断面を見る視点
    ③時間軸で 未来から見ていまを位置づける視点
    ④脱経験思考
    ⑤陰陽両面思考

    経済学の中に 人間の心を持ち込むこと。
    人間の消費は経済合理性だけで動いているわけではない。

    ホモサピエンス(英知人)
    ホモファベル(工作人)
    ホモルーベンス(遊び人)
    ホモエコノミクス(経済人)

    金銭 をあつかい 琴線 にふれる。

    アマゾンが 赤字続きだったのは 安心感をもとめる顧客心理を読んでいなかった。

    先手を打つより 変化対応が可能な体質がより重要。

    人はよく売れた商品をまた揃えようとします。
    それは 昨日のお客に対する商売の仕方です。
    大切なのは 明日のお客はなにをもとめているのかを考えることです。
    それを 仮説と検証で 明日の売れ筋はなにかを考えることだ。

    基本四原則
    鮮度管理、品揃え、清潔性、フレンドリーサービス

    お客とはわがままな存在である。
    みんなと同じ流行をおいたいと思いながら 自己差別化もしたい。

    五つの極意
    ①売り手から買い手へ 視点を変えると別のデータが見える。
    ②統計データを鵜呑みにするな。その背景や中身を突き詰める
    ③おなじデータ、情報でも 分母を変えると意味が逆転する。
    ④なぜものがうれないか、心理抜きに統計は読み切れない。
    ⑤仮説 検証ではじめて データが生きる。
    WHY と WHAT の問題意識を常に持つ。
    過去の成功体験。既存の固定概念 を突き破る。

    いまは 一部の商品ではなく、全体を売っていく時代である。

    本部のバックアップは
    すぐれた商品開発。
    最先端の情報システム。
    ヒューマンタッチのコンサルティング。

    自分の仕事で 物語を作る。

  • 商売の本質を学べる。鈴木会長の考えを、引用文献もうまく使いながら上手に解説されている。勝間和代も推奨するのも納得の一冊。これは繰り返し読みたい。

  • 統計心理学について知りたくて読書。

    『鈴木敏文の「本当のようなウソを見抜く」セブン-イレブン式脱常識の仕事術』 に続く2冊目。本書はセブン-イレブンへ特化した事例が多い。

    過去を否定し、過去を壊すことが成長への原動力。そのため、過去の方法を紹介するノウハウ本や他店への視察をしないように常々言っているそうだ。

    セブン-イレブンのライバルはお客のニーズの変化。

    常に変化を知り、共感を得るべく努力することが原理原則。

    マクロからミクロを考える。

    もっと数字と向き合い、数字の裏に隠れたニーズについて考えてみたいと思う。
    この数年は心理学を学んできたが、統計学、数字についてもぜひ積極的に学びたい。

    読書時間:約1時間10分

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著者プロフィール

ジャーナリスト
1952年生まれ。東京大学教養学部教養学科中退後、フリージャーナリストとして経済・経営分野を中心に執筆。企業組織経営・人材マネジメントに詳しい。

「2020年 『共感経営 「物語り戦略」で輝く現場』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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