戦争と平和

著者 :
  • 文芸社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (147ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784835581163

感想・レビュー・書評

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  • トルストイじゃないよ。笑


    平和ってのは、個々個人の内分で見定められるもの。
    その個々個人が持つ平和を全部叶える形をとらなきゃ国家としての、社会としての平和ってのは成り立たないんだぜって。

    それを結局は、国家もしくは、政府が手助けする形をとらなあかんのやけど、余計なことをして戦争なんかやりおる。

    日本は憲法があったから良かったんだけど、自衛隊は合憲だなんて馬鹿なこといってしまったもんだから、そんなことも関係がなくなってしまってさ。

    日本人も国家に振り回されるようになったのさ。

    ただ、そこに対して対抗できることがあるんだと。
    そりゃあいわば、国家にたいするリコール権でさ。

    先進国のなかでも、消費経済になってる日本の社会は、消費者が消費を控えれば、政府は破綻するんだと。

    そういう潜在的なリコール権をもってるんだって。

    それに消費者が気付けば政府も余計な事をしなくなるだろうと。


    ここで吉本さんが言っている事をかいつまんで言うとそんなことだろね。


    僕が思ったのは、政治学の教授と話したこと。

    日本人の国という概念は特殊だと。

    普通は国というと、政府をさす。
    僕ら日本列島に住む人間は、国家という枠組みがあるから、日本人なんだと。
    国家という枠組みをつくり、あなたは日本人だと認めるのは、政府だと。
    ゆえに、政府が国家だと。

    しかし、日本人は国家を意識しない。この社会が、この人の繋がりが日本だと考える傾向にあるなんて話をした。

    だから、日本人は政府に関心がないんだと。
    たしかにー。と思ったこの話を思い出す。

    政府がやる戦争は僕らには関係の無い事のように映っているんだと思うんだけど、政府が国家だと考えると全く違う意味合いを持つ。

    政府が戦争をするってことは、日本人が戦争するってことなんだと。僕らがそう思えなくても、他の国の国民から見たら間違えなくそういうことなんだと思ったほうがいいと。


    僕が無関心なお陰で、誰かが死ぬのは避けなあかんと思う。

    そして、その一つの手段が僕らの手にすでに握られてるとなれば。

    (過去に掲載したmixiレビューより)

  • なんのまえぶれもなく、ワタクシの前に『吉本隆明』氏が立ちふさがった。図書館での出会いではあるが…いままで、さけていたわけではないのだが、ここにきて、なぜか集中的に、やってきたのだ。この大いなる山脈に、どこから、いどめばいいのやら、詩人・吉本隆明氏も気になるところだ。むすめさんの本なども(ばななさん)一切未読のままだ。こうして気になる本で、評価の☆印は、まだ、つける事もできないまま・・・

  • 「戦争と平和」となっているけど近代文学の話なども語られています。付録として記されている吉本さんとの交遊も面白く読めました。

  • 工業高校の生徒への講演などを収録してある。
    九条を変える動きに対して国民ができることは「リコール権を持つことだ」と繰り返し述べている。政治家が国の舵を変えようとしても最後には一人ひとりの意思表示ができる方法を持つことが大切で、それを実現すべきだと熱く語っている。


    作成日時 2006年11月11日 07:07

  • リコール権とかおもしろい。

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著者プロフィール

1924年、東京・月島生まれ。詩人、文芸批評家、思想家。東京工業大学工学部電気化学科卒業後、工場に勤務しながら詩作や評論活動をつづける。日本の戦後思想に大きな影響を与え「戦後思想界の巨人」と呼ばれる。著書多数。2012年3月16日逝去。

「2023年 『吉本隆明全集33 1999-2001』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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