東京タワー

著者 :
  • マガジンハウス
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  • Amazon.co.jp ・本 (297ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784838713172

感想・レビュー・書評

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  • 江國さんのお話に出てくる、気まぐれで上品だけど少女っぽい女の人に、いつもちょっと憧れる。
    またいつもみたいに、起承転結もオチもない、誰かの人生の一部を切り取ったみたいなお話。なのにどうしてこんなに、ページを捲る手が止まらないんだろう。

  • 最後の終わり方とても好きだった、、

  • 二組の恋愛、ドラマのタッキーがとにかくカッコ良かった記憶。小説は、やや淡々とした感じがして、それもまたよい。

  • これまで読んできた江國香織の小説の中で、
    驚くほど官能的だったような気がする。

    黒木瞳と岡田准一が主演で映画化されたというこの小説は、
    映画の中で、映像として具体を持ってしまったら、
    どれだけ刺激的に映ってしまうのだろう。
    少しどころではなく、めちゃくちゃ気になる。
    気になる、というより、危惧に近い。

    主人公の透と、その親友の耕二。
    ともに19~20歳の大学生で、
    それぞれが年上の女性と恋愛関係を持っている。

    透の恋人・詩史は夫と二人暮らし、
    彼女自身は代官山でセレクトショップを営んでいる。

    透が初めて詩史と会ったのが17歳の時で、
    それから約3年くらいの付き合いの二人なのだが、
    私は透の視点に立って読み進め、
    透が詩史に感じているであろう、
    同い年からは感じられない余裕だったり、
    愛されている幸せだったり、
    時折遠い存在に感じてしまう不安だったりを読み取って、
    当時の自分の気持ちをめちゃくちゃ投影させて読んだ。

    悲しくて、愛おしくて、
    世界には本当にそれ以外いらない、と思っていた
    当時の自分を、今は少し痛々しくも愛おしくも思う。

    私は、自分の経験は失敗だったとも思うけれど、
    失敗から、学んで今が積み重なっているとも実感する。

    自分で作り上げた幻想の孤独感から抜け出して、
    成長する一歩手前までを描いたこの小説は、
    文字で表現される叙情的な物語だからこそ、
    私は受け入れられたように思う。

    映画は、好奇心で見てみたいと思うけど、
    多分見続けることはできないと思う。

  • 最初の一文目で引き込まれる。東京タワーを観に行きたくなるような、そんな作品でした。溢れるほど人がいる東京で、一生懸命生きて、一生懸命先の見えない恋愛をするもどかしさや切なさがありました。

  • 映画を観た後に読んだので、
    映像とリンクして楽しめた


    映画で説明されてない男の子たちの心情も細かく描かれていて、読んだ後、切ないような、寂しいけれど、
    清々しいような気持ちになった。


    あの映画のキャスティングは、
    すごくよかったなぁ

  • この歳でこんな小説読んじゃうとさ
    喜美子さんの気持ちが分かりすぎて
    自分が怖いわ、、、。

  • 恋愛は難しい.自分の幸せは自分が決める

  • 2組の男女の愛の行方など
    私達が理解してはいけないのだと思った。

    全然薄汚くない
    それよりももっと透明で純粋な愛に
    心を奪われながら読み進めた。

    愛の行方はこの2組にしかわからない。

  • 二人の女性との付き合い方の違いが、それぞれのこれからの人生までも左右していきそう。
    耕二(漢字が違うかも)は、転んでもただでは起きなさそうだし。
    透は、思いを貫きそうだし。

著者プロフィール

1964年、東京都生まれ。1987年「草之丞の話」で毎日新聞主催「小さな童話」大賞を受賞。2002年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞、2004年『号泣する準備はできていた』で直木賞、2010年「真昼なのに昏い部屋」で中央公論文芸賞、2012年「犬とハモニカ」で川端康成文学賞、2015年に「ヤモリ、カエル、シジミチョウ」で谷崎潤一郎賞を受賞。

「2023年 『去年の雪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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