- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784838775194
作品紹介・あらすじ
元・国連専門機関職員の著者が明かす――日本人だけが知らない、海外との「驚愕の価格差」・東大卒より海外の介護士のほうが稼げる? ・中国人が無制限で不動産買い放題!・日本の福祉にたかる外国人たち・アメリカは野球場のハンバーガーが「2000円超」・光熱費が「2倍」になったイギリス・欧米では年収1000万円で「低所得」・「中古品」しか買えない日本の若者・「100円ショップ」大好きな日本人本書では、元国連専門機関職員の谷本真由美さんが、「物価も給料も日本はいまだに激安」であること、そしてその安さゆえに「海外から買われている」ことを“忖度抜き”で明かしています。日本人はなかなか気づけない、世界から見た「ニッポンの真実」がわかる一冊です。
感想・レビュー・書評
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『日本人は何も知らない』シリーズでお世話になった谷本真由美さん。しかし今回のネタは難がある。元々、上から目線で勘違いされやすい文章なのに、話はお金にまつわるデリケートな問題。要するに、
「だからアンタたち貧乏なのよ(私は違うけどね)」
という風に聞こえる(笑)
好き勝手に収入や生活に立ち入られている感じがしてなかなか不快。
そこにギュッと目をつぶって耳を傾けると、激安ニッポンの深刻さが伝わってくる。日本という会社の経営は、低賃金÷多残業=生産性の低い人ばかり。みんなで薄くサボってるからと酷な指摘。
欧州は100均ができると治安が悪くなるため反対デモが起きる、という話は衝撃。安くても悪くないモノ、安ければ安いほど良い、という儲からないスタンダードは一体いつからできたのか。
谷本さんの指摘では先行投資不足。設備、人材、ITインフラ。90年代のバブルショックと超高齢化で、金をケチって貯めこむ風習が凝り固まってしまった。海外から生産性の高い人が来て、マイケルジャクソンのように日本を買っていく。
主旨は他著と変わらない。この本の特色は、「ニッポンが売られる5秒前」みたいなmajiでどこの昭和だよ(※平成9年です)というワードセンスにクスっとなれるかどうか。ややマゾっ気が必要。ある意味自分試し。
リーダーが生まれない。生まれそうになると叩かれる。生まれても燃やされる。メンタルがデフレしているのが今の日本と私は思う。「あんたマジメすぎるからよ」と慰められても解決にはならない。
作者の言うイギリス病を調べてみようかな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
日本は他の国に比べて大変”安い国”になってしまったのです。
なんかゆとりがなくなってきたなと思っていたら、まさか、こんなことになっているとは。
日本は先進国で、こまっている米国人よりまだまだ、豊かだよな。とおもっていたのに、
なんて、自分はお人よしなんだ。と考えてしまう本です。
そして、世界からの目線なんて、どうにも直せないじゃないか、とも考えてしまうのです。
気になったのは以下です。
・日本は今や「世界最安値」の国です。
・100円ショップがはやっているのは、日本人全体が貧しくなっており、お金を自由に使うことができなくなっているからです。
・スニーカーの最新モデルは、2,3万円しますから、若い人たちにとってもう買えない人が多いんです。
・IPhone14の販売価格は世界の中で日本が最も安いんです。しかし、日本人は、世界最安値のIPhone14ですら手がでません。安価なAndoroidスマホに変えるか、どうしてもIPhoneが欲しい人は型落ちの中古品や廉価版を買うようになっています。
・節約志向と言えば、聞こえはいいかもしれませんが、生活必需品すらも中古でそろえなければならないのです
・教育レベルや教養は中流のままですが、経済的にはだんだんと下流に転落している
・日本のインフラがどんどん劣化している。インフラの整備が今後も進まないことは想像に難くありません
・日本人は海外の人からみると、信じられないほど、低賃金で働いている
・欧州でも、日本が今、どんな国なのかを知っている人は多くない
・日本に近く費用が安いのが、ギリシャ、スペイン、ポルトガル、デンマーク、ドイツ、イタリアなど社会主義色が強い国です。
・日本の平均年収は今や韓国より少なくなってしまっています
・主要先進国が非常に堅調な成長を遂げる中で、成長率の低さが際立っているのが、イタリアと日本なのです
・五公五民 給料は安いけれど、税金、社会保険料は高い国、それが日本の現状です。
・日本でも生活が苦しいと訴える人は多いですが、長い間デフレーションが続き、住宅価格が上がらないうえに生活費が安いのでまだはるかにマシなのです
・日本の医療は海外から見ると大変魅力的なのです
・医療を受けるためだけに日本に滞在したいという人がいるのも納得できます
・日本の物価が他の先進国に比べて安いということを、別の表現で言い換えると「インフレーション率が低い」となります。
・どういくことかというと、日本ではものやサービスの値段が30年間上がっていないということです
・日本の物価がなかなか上がらないのは、日本の会社がバブル崩壊以降お金を儲けられていないからです。
・日本の会社は自社の製品とサービスをたくさんのお客に売ることができていないということです。
・売れないのですから、価格を上げるわけにはいきません。価格を上げないとお客さんはさらに買わなくなるからです。儲かっていないので、働いている人の給料を上げることもできません
・新しい投資を行わないのは、日本政府によって保護されている保守的な業界です。銀行などのいわゆる「規制産業」は政府によって保護されていて危機感が乏しいので、新しいことをやろうとか生産性を上げようという気がないのです。
・その結果、今や日本の生産性は、アメリカの60%で、G7加盟国では最低です。
・日本経済が落ち込んでいるのは、「非正規雇用」の増加も大きな要因です。
・氷河期世代の人たちを非正規雇用にしておくことで、日本では消費が落ち込み、デフレ一直線になってしまったのです
・日本円がなぜこんなに弱くなってしまったのでしょうか。
・大きな理由は金利が低いからです。
・日本では長い間、日銀が「低金利政策」を維持しています
・日本と海外の違いは、労働時間の長さです
・他の国では15分でやる仕事を、日本では無駄なプロセスがあったり、細かいところまでこだわってしまっているので、1時間も2時間もかかることがあるからです
・高度成長期から、バブルが終わっても仕事のやり方をほとんどかえていません。だから、非効率なまあでインプットに見合ったアウトプットがだせないでいます。
・欧州の会社も、高い付加価値を生み出す組織ほど、オープンな働き方がどんどん主流になってきています。それに対して未だに年功序列で働いている日本企業が太刀打ちできるはずはありません。
・日本企業は、40年前の採用の仕方が変わっていません。
・DXが日本で進まないのは、なぜ。
・欧米ではプロジェクトごとにチームを構築していくスタイルなので、別の人間になっても仕組みが動くようにしなくてはいけません。
・それを一番安く、もっとも簡単にできるのが、ITを利用することなのです。
・一方、日本ではスキルの低い多量の人材を集める労働集約型のビジネスモデルなので、効率化よりもとにかく安い労働力を多量に投入することが優先されます。
・日本企業は全世界が戦国時代の状態であるににもかかわらず、鎖国されているふりをして、いまだに孤立した中でなんとか商売を回しています。
・政府は日本の労働集約的な仕事のやり方を根本から改善することなしに、とりあえず激安で働いてくれる足軽農民を外国人でもいいからどんどん入れてなんとかしようという短絡的な考え方をしています。
・これからは英語力がカギとなる。
・国内の労働人口は3つの階層に分かれていきます。
第1階層 海外や多国籍化するプロジェクトを担当する層
第2階層 日本国内で付加価値が高い知識やスキルを提供する層
第3階層 日本国内でお金を稼ぐ低賃金の層
・共通語になるのは、英語です。
・重要なのは業界や市場の情報をいち早く入手することです。でも、日本市場はどんどん小さくなっているので、翻訳される情報が少なくなったり、古くなったりしています。
・なので、今後の日本で生き延びたいとおもったら、最低限英語で原書や原文を読むスキルは必須です。
・日本でしか取れない資格というのは、海外の仕事には役に立たないと捉えられている
・日本のよさ:中国では日本人というのは、非常にきまじめで、嘘をつかないので取引がやりやすいということで有名です。
・停滞している日本に足りないのは、「やってみよう」「失敗してもいいから試してみよう」と思う挑戦心と思い切りのよさがある人々です
・今後有望なのは、IT×製造業。情報通信技術と製造業のハイブリットが伸びていきます。
・格差が広がると犯罪が増える⇒性善説に沿っていてはだめです。自分のことは自分で守るという意識を持たなければなりません。
目次
はじめに
第1章 「ニッポンの安さ」を日本人は何も知らない
第2章 転落しているのは「日本」だけ!
第3章 日本が売られる5秒前
第4章 なぜ、「安い国」になってしまったのか?
第5章 「貧乏国」で幸せをつかむヒント
おわりに
ISBN:9784838775194
出版社:マガジンハウス
判型:新書
ページ数:208ページ
定価:1000円(本体)
発売日:2023年07月27日 第1刷発行
発売日:2023年09月15日 第3刷発行 -
【安くていいものをつくっているはず】
30年間も給料が上がっていないのですから、物価が上がらないのも不思議ではありません。
デパートにも100円ショップや家電量販店が入っている時代です。いまやデパートは高級品という感覚はありません。
100円ショップの物は100円の価値しかないと言われますが、100円の価値がある物を求めているのでそれでいいと思います。
また、10万円の物は10万円の価値がある可能性もありますが、無い可能性もあります。最大10万円の価値になるということです。
10万円のかばんを買いました。しかし、ブランド品ではなくノンブランドです。このかばんに10万円の価値はあるでしょうか。
10万円もするのですからいい素材を使用していて、縫製もしっかりしており、デザインも秀逸であり、10万円の価値があると思い込めば10万円の価値のあるかばんになります。
同じかばんが2000円で売っていれば、同じように最大2000円の価値になります。
ブランド品のかばんが安く売っており1万円で売っていたとしたら、そのかばんはブランド品でも1万円の価値のかばんになってしまいます。
安いものしか売れないと言われますが、人々が賢くなってきているとも言えます。消耗品の類で価値を求める必要はないと考えれば、価値(値段)の低い物へ変わっていきます。
すべての物の製造コストは最終的には人件費だけです。あと残りは利益だけです。原材料費はかかるでしょ。と言われますが、原材料は究極にはただです。
車をつくるために鉄が必要になりますが、鉄を取り出すための鉄鉱石は地球にタダで存在しています。掘り出して運んで、溶解して型に固めてプレスして各工程を経ていますが、そこに人が介在しているだけです。この人の介在がコストになります。
人気がある物は値段が高くなります。しかし製造コストは変わりませんので、利益が増えることになります。
機械が自動的につくっているような物は高い値段を払う必要はありません。しかし、人が時間をかけてつくっている物には高い価値を払う必要があります。すべての値段の価値は人件費になるからです。 -
戦争で上の世代の優秀なひとがかなり死んでしまって、残された若い人たちにチャンスがあり、ちょっと気が利いた人たちが作った絵がうまくいった。才能がなくても、それに従って馬車馬の如く働いてればよかった。それが働くと言うことであった。
価値観は変わり、価値を見出せないものは格差が開くばかりになってしまった。
資格や教育はグローバルレベルで考える。
TOEICの点数等は海外では重視されません。学歴に関しても同様で相当教育熱心な親でも日本国内の大学しか見ていないのです。あの大学の偏差値はいくつだとか日本国内でしか通用しないことばかりを話しています。
今やそんな先進国は日本だけです。
みんながやっているからといって、特に付加価値がつかないような習い事をやったり、思考力を養わないことをやったりしています。無駄な投資をしないためにはまず他の国の実態を知り、食べていくのに必要な機能はなにか、考え方が身に付きそうな課外活動は一体何なのかを、考えるべきでしょう。ショッピングモールに入ってるのが遊び半分の英語教室にお金をはらうことに本当に意味があるかどうか立ち止まって考えてみましょう。
特に中国は日本人と言うものは非常に生真面目で嘘をつかないので取引がやりやすいということで有名です。彼らは日本人と取引する際、相手が日本人なので安心して買うことができると考えているのです。それが爆買いの理由です。彼らは母国の人々信用できない日本人から買うのです。別にこれは中国人だけではありません。
その誠実さに機会があるかも
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バブル期を知っているだけに、この落差は計り知れない。
昨今のインフレもこの本を読んで、仕方がないかと諦めて・・・とはいえ、ぬるま湯につかった分の反動は大きい。
30年以上の修復はもはや難しいとしか思えない。
この先、日本はどこへ向かうのか、危うい未来である。 -
いつの間にか日本が取り残されている感じ。約20年前に海外へ行ったときとは物価感覚が相当違うようですね。自分で海外の情報を手に入れるしかない。まず英語のサイトを見るところから始めようかな。できることからコツコツと。
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●なぜ気になったか
ちょくちょく目にする海外との驚愕の価格差。外国人には安くても日本人には安くない、行く末は日本人は買えない、は明らか。第5章の貧乏国で幸せをつかむヒントを特に知りたい
●読了感想
既知情報の羅列で、そうそうそんなこと言われているよね、と再認識しただけ。最終章の『「貧乏国」で幸せをつかむヒント』に興味があったのだが、苦笑いを誘う薄っぺらさで逆にそれが面白くもあった
#激安ニッポン
#谷本真由美
23/7/27出版
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海外から見た日本について。20年近く物が安くて当然な社会に慣れていたが、実はそれが故に日本が停滞しているという警戒を促している内容だった。とても危機感を募らせるものである。
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加谷さんの『貧乏国ニッポン』を2022年に読み、本当に日本は世界でも有数の貧しい国に成り下がってしまったと残念な気持ちになったが、本書でもその認識を新たにすることになった。
清潔でサービスが行き届きそこそこに暮らせているのでどうしても実感しがたいが、どうしようもなく日本は落ちぶれてしまった。
安い物、安い服、安い靴で暮らすことはできる。でも本当にそれでいいの?
漫然と生きるのではなく日本という国であっても個人でどうやって稼ぎ、日本で暮らしていくかを考えなくてはならない。 -
日本人て、安くていいモノをたくさん知ってるしたくさんそれらが日本にあるから良しとしていることや、日本人がお買い得とかコスパがいいものが好きな風潮はもうやめた方がいいのかもしれないと思います。日本が激安なのは海外にいるとよく分かるし、外国人に色々なものが奪われて、そのうち老人と覇気の無い不健全な日本人だけが残ってしまうんじゃないか…と思わざるを得ないですが全日本人が読むべきでないかと思って星4つにしました。