ブギーポップは笑わない (電撃文庫 か 7-1)

著者 :
  • KADOKAWA(アスキー・メディアワ)
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本棚登録 : 3089
感想 : 360
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  • Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784840208048

感想・レビュー・書評

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  • 中学生の頃に読んだなあ懐かしいなあと本棚から引っ張り出した1冊
    青春……アニメはなかったことにしたい………

  • 「ブギーポップ」シリーズの第1弾です。

    深陽学園に通う竹田啓司(たけだ・けいじ)は、恋人の宮下藤花(みやした・とうか)と待ちあわせをしていましたが、彼女はすがたを見せず、その代わりに彼女にそっくりで黒いマントをまとった「ブギーポップ」と名乗る人物に出会います。ブギーポップは藤花のもうひとつの人格で、この世界に危機が訪れたときに藤花に代わって登場するということが、彼女の口から明かされます。

    ブギーポップのいう危機とは、「マンティコア」と呼ばれる生命体がとある研究施設から脱走し、深陽学園の生徒になりすましているということでした。心のうちに深い闇をかかえていた早乙女正美(さおとめ・まさみ)は、マンティコアの正体を知り、かえってマンティコアに協力することになります。

    さらにマンティコアのオリジナルであり、宇宙からやってきた「エコーズ」は、紙木城直子(かみきしろ・なおこ)に助けられつつ、マンティコアの行動を止めようとします。

    少年マンガ的なギャグ・テイストの強いファンタジーものが主流だったライトノベルの世界に、あたらしい風を吹き込んだエポック・メイキングな作品として知られている本です。また、語り手となるキャラクターが交代しつつ、すこしずつストーリーの全貌が明らかになっていくというスタイルも、斬新だったのかもしれません。本作の登場以降、同様の趣向やテイストの作品が増えていったため、若い読者にとっては本作のもたらしたインパクトがかえってわかりにくくなっているのではないかという気がしますが、現代にまでつながるライトノベルの古典としての地位を確立しているといえるのではないでしょうか。

  • ラノベを読んでみたいと思い題名に面白さを感じ手に取った一冊。舞台が現実世界なのに対し、敵も味方も非現実的なキャラが出てくるところがワクワク感があり面白かった。

  • 随分昔に勧められて購入はしたものの、今の今まで読んでいませんでした…ラノベは今まで全く読んでこなかった(涼宮ハルヒだけは読みました)ので、古臭さも何も感じず楽しく読み終えることができました。

    全5話の中で全ての話が繋がっていて、割と死人もバタバタ出て、ラストの展開は最後の最後までハラハラドキドキしっぱなしでした。

  • 視点がくるくる変わりながら、徐々に謎が明かされてゆく形式の物語。登場人物の選定や謎が明かされてゆく過程が絶妙であった。
    ただ、登場人物が多くなりすぎており、各キャラへの入れ込んで読むのがあまりできないのが残念。あと、ちょっと読みにくい気もした。

  • 同一の時間の出来事が様々な人物の視点で語られ、一つの事件の真実へと迫ってゆく群像劇。
    世界を救ったのは寂しがり屋で惚れっぽいお人好しの少女だった、という終わり方がちょっと切ない。
    ラノベ業界に大きな影響を与えた作品。
    まずこの不思議な語感のタイトルに惹かれるし、学園モノに特殊能力要素を盛り込んだ設定をラノベ作品のメジャーにしたのもこの作品じゃないだろうか。
    テンポよく読めるのに内容が濃い。古い作品だが、今読んでも色褪せない面白さ。

  • 今更ながらのブギーポップです。いや実は遥か昔に一度読んでいるのです。しかしその時は面白さがよくわからなかったのです。
    何故わからなかったのか。それは今まで読んできた小説と違っていたからかも知れません。物語の核となる人物や事件を直接書かず、その外堀から埋めていくように進んでいく手法に戸惑ったのかも知れません。
    遥か昔の自分がどう思ったのか思い出せませんが、今の自分にとっては面白かったのです。こういうことはよくあることです。

    語り手が変わりながら、事件についての全貌が少しずつ見えてくる。この見せ方に特徴というかクセがあるのですね。
    第1話には謂わばプロローグとエピローグが書かれているのです。事件の始まりと終わりだけ。しかも事件そのものについては、ほとんど記されない。だから語り手と同じく事件に関しては何もわからない。でもブギーポップという人物については、興味を惹かれる。

    第2話では事件の核となる人物が出てくるが、結局ここでも語り手は何もわからないし、何も知らない。噂だけ憶測だけが重ねられていく。だから読者も何もわからない。
    そのようにして少しずつ少しずつ事件の核心に近付いていくのです。事件が何かわかる前に、後日談まで先に見せられたりもしながら。

    そしてクライマックスに一気に事件の全貌が明らかになる。
    おお、これはミステリの手法ではないか、と気付いたのです。物語をバラバラに解体し、向きをバラバラに回転させ、順番も入れ替えて提示する。全部のパーツが揃った時に、はじめて全貌が解明する。

    遥か昔にはこれがわからなかったのか。
    つくづく読書はタイミングが左右するものだと思い知らされました。
    しかしまあ、今のタイミングで改めて読んでみて成功でした。今後も以前読んだけどピンと来なかった作品(それどころか途中でやめたものとか)を読み返してみましょう。

  • 「……俺たち普通のヤツには、そんなわかり方はできないんだよ」ーーーー


    再読。アニメでも見て懐かしく読んだ。
    冒頭のブギーポップと先輩の出会いの場面が、タイムリーに響いた。そんな分かり方ができる世の中になればいいんだけれども…。普通と異常が入り混じるストーリーは、あとがきにあるように夢と現のようだと思う。この話の中では、キーマンはいても、完璧な人はいない。『みんなそれなりに願いを持って、それが叶えられずウジウジしたり、あるいはかんぜに開き直って目標に突き進んだり、まだ自分の望みというのがなんなのかわからなかったり、叶うはずのない願いと知っていたり、その姿勢の無意識の前向きさで知らずに他人に勇気を与えたりしている。』本当にそんな話だった。

  • ほほお、こういう話ですか。語彙不足で表現できないのだけど、面白かった、とは言える。

  • 君には夢があるかい? 残念ながら、ぼくにはそんなものはない。でもこの物語に出てくる少年少女たちは、みんなそれなりに願いを持って、それが叶えられずウジウジしたり、あるいは完全に開き直って目標に突き進んだり、まだ自分の望みというのがなんなのかわからなかったり、叶うはずのない願いと知っていたり、その姿勢の無意識の前向きさで知らずに他人に勇気を与えたりしている。これはバラバラな話だ。かなり不気味で、少し悲しい話だ。−−え? ぼくかい? ぼくの名は“ブギーポップ”−−。第4回ゲーム小説大賞<大賞>受賞。上遠野浩平が書き下ろす、一つの奇怪な事件と、五つの奇妙な物語。

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    上記の説明や口絵の各キャラクターに添えられていたコピー的な言葉の使い方はカッコイイ。

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著者プロフィール

第4回電撃ゲーム小説大賞〈大賞〉受賞。『ブギーポップは笑わない』ほかシリーズ著作多数。

「2019年 『ブギーポップ・オールマイティ ディジーがリジーを想うとき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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