放課後: 写真短歌部

著者 :
  • 雷鳥社
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感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (107ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784844134992

感想・レビュー・書評

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  • かねてから、加藤さんの歌集を読みたいと思っていた。学生生活をテーマにしたこの歌集は瑞々しさに溢れていて、いくらあの頃から遠のこうとも、年を重ねようとも、時間を瞬時に巻き戻してくれる。ただ懐かしさに浸らせてくれず、時々胸がつぶれそうに切なくなったり。何とも不思議だ、自分の娘の方がリアルに思春期真っただ中だというのに。
    「綺麗だと思いこまなきゃ進めない まだ見えてない未来のことを」
    「不安とか寂しさとかはつのるけど 全部抱えて歩いて見せる」
    「バラバラにやってきたからバラバラに戻ってくだけ なのに寂しい」
    こぼれてなくなりそうな儚い一瞬の感情を、何て鮮やかに切り取る人なんだろうと改めて思った。今まで何冊か小説を読んできて、彼女のそんな魅力は知ってはいたつもりだけれど、短歌のみで読むと、さらにくっきり感じられる気がした。タクマクニヒロさんの写真も爽やかでいい。
    「学校は好きでしたか、という質問には、少しだけ困るような気持ちになってしまう。好きだったと答えても、嫌いだったと答えても、嘘になってしまうような気がして。」
    加藤さんのあとがきの書き出しに、心から共感。だからこそ、この短歌の一つ一つが、単なる思い出とは感じられずに心に響くのだ。

  • ありえないほど笑ってた放課後をいつまで覚えていられるのかな(本文より)
    青春は一人ひとりに違うようでいて、こんなにも同じ気持ちがあるものなんだ。

  • 人が堪えた放課後の、静かな校舎の写真と淡い自分の思い。
    それは誰かに向けた言葉でもあり、誰かに伝えたい言葉でもある。
    加藤千恵さんの言葉が素敵´`*

  • 引かれてるゴールラインの先にある
    景色が見たくて走ってるんだ

    が、この詩集の中で一番好きだと感じました
    ほんとに学生時代にふっと思ったようなことをそのまま、更にはっきりとした言葉でふんわりと書いたような素敵な詩集でした。

    共感を得るか否かは人それぞれかも。

    写真もとても綺麗でした。

  • どうしても欲しくって取り寄せてもらった本。


    一生宝物にしたくなりました。


    この気持ち、忘れたくない。

  • 最近のとあるニュースと重ね合わせてしまいながら。

    沈黙もはみ出すことも怖いから
    休み時間はいっぱい笑う

    間違ってると思うけど
    他にどうすればいいのかわからずにいる

    先生が教えてくれたことよりも
    教えてくれないことが気になる

  • 学生時代って、本当に大切だったんだな。
    過ぎ去ってしまった今だから、それが分かる。

    いや、大切"だった"と過去形で胸の内に仕舞うのではなく、現在進行形で胸に抱いていたい。
    そう思わせてくれる言葉と写真たちが、この本には詰まっています。

    良いことも悪いことも、学生時代の思い出や気持ちが、今の自分の糧になっていることに気づかされました。

  • あの頃自分を助けてくれたあの言葉が、
    時を経て今の自分を支えている。
    そんな大切な言葉を思い出す一冊。
    短歌ってすごい。

  • 誰もがどっかに共感できる。
    文も。
    写真も。

  • 最高。

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著者プロフィール

1983年、北海道生まれ。歌人・小説家。立教大学文学部日本文学科卒業。2001年、短歌集『ハッピーアイスクリーム』で高校生歌人としてデビュー。2009年、『ハニー ビター ハニー』で小説家としてデビュー。その他、詩やエッセイなど様々な分野で活躍。著書に『あかねさす――新古今恋物語』『真夜中の果物』『こぼれ落ちて季節は』『この街でわたしたちは』『消えていく日に』『そして旅にいる』『マッチング!』などがある。

「2023年 『この場所であなたの名前を呼んだ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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