ぼくが宇宙人をさがす理由

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  • 旬報社
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  • Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784845112784

感想・レビュー・書評

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  • SETI(地球外知的生命体探査:Search for Extra-Terrestrial Intelligence)
    地球外知的生命体が発している電波を探す研究。

    映画「コンタクト」で題材にされたので、覚えている人もいるかと思う。
    (この映画の原作は、天文学の分野では、その名を知らない人はいない、と言ってもいいほどの有名な天文学者、カール・セーガン)

    SETI は外国でだけ行われているわけではない。日本でも少ないながら行われてる。
    著者は日本で数少ないSETI研究者の一人。

    2009年11月の11日と12日に日本全国の30あまりの観測施設が同時に空の一点を見つめた。
    日本全国同時SETI観測「さざんか計画」である。

    この計画のリーダーとなったのが、著者。

    なぜ「さざんか計画」という名なのか、今まで分からなかった。
    が、11月頃にも梅雨があるそうで、「さざんか梅雨」とも言われるらしい。
    それが由来だという事がようやく分かった。

    この「さざんか計画」については、「宇宙から来た72秒のシグナル」に詳しい。
    http://randokukanso.blog79.fc2.com/blog-entry-164.html

    ちなみに、この本を某書店の書籍検索用パソコンで検索したところ「超科学」の分野に分類されていた。
    こういうタイトルを見ただけで、判断する人が多いのだろうか。
    ・・・となると本書は?確かめてみたい気もする。

    この「さざんか計画」は、SETIの本場、アメリカでも注目されていた。
    著者はヒューストンで開かれた宇宙生物学会に招待され、そこで発表を行う。

    そして、ここで知り合った研究者に「日米合同SETI」を提案する。
    この「日米合同SETI」は、その後、どんどん話が膨らみ、ついに「世界合同SETI」(ドロシー計画)となった。
    「ドロシー計画HP」:http://www.nhao.jp/~narusawa/oseti/project-dorothy-j.html

    本書は、2010年11月5日から7日にかけて行われた「ドロシー計画」の実現までの裏話と著者の小学生から大学の頃の話が中心となっている。
    ただ、小学校高学年を対象としているようなので、大人が読むと少々、物足りない。
    (お門違いの文句ではあるのだが)

    焦らしておいて、またもう一冊、という作戦だろうか、とさえ思ってしまう。

    ところで「さざんか計画」も「ドロシー計画」もSETIのための観測であるが、もう一つの大きな目的が「SETI研究者のネットワークを作る」こと。
    まずは日本で、そして、日米での協力体制を一足飛びにとばして、世界各地の研究者のネットワークが作られた。
    学会で話を聞くより、一緒に仕事をした方が強固な繋がりができるのだろう。

    こういう話を聞くと、今、隣の国と領土のことで悪口を言い合っている人達がいかに狭量かがよく分かる。
    そういう意味でも子供に「ドロシー計画」のような話を読んでもらうは、いいのかもしれない。

    それに、なによりも著者が今、行っている研究を継いでもらわなければならないから。

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