- Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
- / ISBN・EAN: 9784845117635
作品紹介・あらすじ
いろんな国の人が増えれば多様な社会になるの?
どうして学校の校則は「直毛の黒髪」が前提なの?
私も日本人なんですけど…なぜ銀行口座を作らせてくれないの?
なぜ日本では「女子力が高い」が褒め言葉なの?
左前のドレス、両手には招き猫…そんなミス・ユニバースにはNOを!
「多様性とは何でも受け入れること」ではありません!
誤解と偏見だらけのニッポンの「多様性」をみつめなおしませんか。
外国人も日本人も、障がい者も健常者も、LGBTQの人もそうでない人も、
みんなが居心地のいい社会をつくるためのヒントがここに。
感想・レビュー・書評
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hiromida2さんCheck!チェック‼︎Check!チェック‼︎2022/08/15
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太郎次郎社エディタスのサイトで木下理仁さんとの対談があり、それ経由でサンドラさんのことを知りました。
https://www.editus.jp/archives/5473
この対談、ものすごく考えさせられる。
というか、耳が痛すぎる。
耳が痛すぎて、痛すぎて、正直苦痛。
でも、何度も繰り返し読み返したくなる。
でまた、何度も繰り返し読んでは頭がビリビリしびれる。
そんな苦痛の反復の中で、気付かされるんです。
自分の中にはまだまだ見慣れぬ他者に寛容になれないこわばった「体質」があるんだなぁ、と。
人とフラットに付き合うには、まだまだ自分の中に壁があるんだなぁ、と。
この本を買ったのは、こう言ってよければ、そういう頭がしびれるような苦痛の中にもっとどっぷり浸りたくなって、なんです。
頭がしびれて苦痛を覚えるくらい、
「あなたは何者なんですか?」
と問われないと気づけないことが、少なくとも私にはいっぱいある。
国籍のこともそう。思えば、宗教や精神障害やセクシュアリティのこともそうでした。自分ごとになって初めて気付かされたことばかり。
そして、気付かされて初めて自分と向き合えた。
問われる苦痛と、問われて初めて見えた自分の姿をしっかり目を逸らさずに見つめる苦痛と、両方受け入れて、「だからこそ……」と何かを紡ごうとする。そういうところの勇気こそが、私を鍛えてくれる。そう信じてます。
これまでいわゆる「ハーフ」の方の違和感や抱えている困難については、知らなかったばかりか、私も沢山誤解をしていたように思います。
“見た目が外国人風”というだけで無理に英語で話しかけてみようとして、結果引き気味に日本語で返されたことは自分にも覚えがあります。今思い返しても恥ずかしい。
また、列車に乗っていたとき偶々近くにいた白人系の輩に英語で
「よぉ、キム」
と面倒くさい絡まれ方をして苦笑いをしてしましたが、その時思ったのも
「こいつら、韓国人と中国人と日本人の区別がつかないって本当だったんだな……」
というところでした。
サンドラさんがこの本で言うように、そもそも怒りを向けるべき矛先はそこじゃないのにもかかわらず、です。
見慣れぬ他者という存在がある。
じゃあ、あの人たちの存在から何が自分に問われているのか?
こういう思考回路は、誰にでも形成できるわけではないらしい。
ある人を観察すると「歳を取ると難しくなるのかな」とも思えるし、ある人を観察すると「立場が上に行くほど難しいのかな」とも思えるけれど、それなりの立場を持って良い歳の重ね方をした人はしっかり出来ているのも事実で、結局のところ
「何か問題を抱えたとき、自分と向き合ういいきっかけとして問いを問いのまま考え続けてきたか、さっさと(答えになってない)答えを出して問題から逃げ続けてきたかどうか」
というところに暫定で落ち着いてはいます。でも、これもまたある側面だけを見ての考えなんでしょうね。
――「多様性って、そもそも必要なの?」ではなく「どうやったら多様な社会になるの?」と問い続けることが、今、一人ひとりに求められていると思います。(p.204) -
女子栄養大学図書館OPAC▼https://opac.eiyo.ac.jp/detail?bbid=2000067049
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著者はドイツミュンヘン出身、日本人の母とドイツ人の父を持ち日本在住20年以上。多様性について経験と考えを述べた本。メルケル首相のスピーチが印象的だった。国内の人口は減少フェーズに入り、一時的なインバウンドだけでなくビジネスでも海外の労働力に頼らざるを得ない局面もあるだろう。男女の性差や人権・多様性を認めない国はいくら海・山などの自然や食事、おもてなしの心があっても魅力的とは言えない。これからのビジネスでも意識して臨みたい。
【メルケル首相のスピーチ】
私は祖父がポーランド人です。私自身は4代目ですね。けれども、誰も私を見て「統合の余地はあるか?」と疑問は持ちませんし、私はドイツで「あなたはどこから来たの?」とも聞かれません。
しかし、黒人の人は私と同じ4代目であっても常に「あなたはどこから来たの?」と聞かれてしまいます。理由は、彼らがこの国でマイノリティにあたる肌の色をしているからです。ドイツで育ち、ドイツで学校に通い、ドイツでキャリアを築き、ドイツで子供を持っても(それらのことはまるで無視され)相手から聞かれる最初の質問は決まって「あなたはどこから来たの?」です。答えはドイツであるにもかかわらず、です。 -
ドイツ人の父と日本人の母の間に生まれ日本に20年以上も住んでいるサンドラ・ヘフェリン氏が多様性について述べている。日本人と外国人、男と女など区別するとどうしても多様性は理解できなくなる。比べたり区別したりせずそのまますべてを理解することが大事なんだろう。
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最近よくメディアで耳にする「多様性」という言葉ですが、この言葉を聞いて皆さんが想像する社会はどのようなものですか?
海外から来ている人々、LGBTQの方々、障害を持っている人達。皆が居心地のいい社会を作るにはどのような考え方を持っていればよいのだろうか。日本の学校の校則では「直毛の黒髪」が前提であるし、女性は女子力が高い方が素敵とされている。
この作品は、多様性とは「すべて受け入れることではない」ということ、○○人や性別等で単純にくくらないことが大切であると共に一人一人を個としてみることの難しさや大切さを教えてくれました。
京都外国語大学付属図書館所蔵情報
資料ID:655881 請求記号:361.8||Hae -
楽しく読みましたが、同時期に読んだ次の本と内容がかぶっていて、次の本の方の出来があまりに良かったのでかすんでしまいました
取り上げていることが抽象的に感じたのは次に読んだ本があまりにもリアルだったから