- Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
- / ISBN・EAN: 9784845627691
作品紹介・あらすじ
タルホ読解の第一人者による、超=入門書兼読書ガイド!
感想・レビュー・書評
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この薄い文庫本にこの内容の充実。
定期的に稲垣足穂関連の本を読みたくなるので手に取ったのだけれど、なるほど、松岡正剛なくして、稲垣足穂は今ほど人口に膾炙していないのかもしれない。その意味で、タルホ=セイゴオということか。
ほんとに不思議な存在。タルホなくして自分は相対性理論も宇宙論も量子力学も学ばなかっただろうし、かといって学んだところでがしっと捕まえられる存在でもないそれがタルホ。
本書はセイゴオ氏が語った音声をもとにまとめられているが、弥勒が到来するという五十六億七千万年後の未来がページによっては五億六千七百年前と言われているあれは間違いかあるいはあえてか。宇宙は誕生して38億年と言われるが、だとすれば、5670000000年という時間が、万が一にも人類が存続していたらという(まあないだろうけれど)、妙にスリリングなリアリティを持っている。でも実は567000000年とゼロが一個足りないうちに弥勒がさらっと通り過ぎていく。この感覚にこそ、タルホのいう「無」の消息が感じられたりもして、悩ましいのである。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「稲垣足穂」についての対話,講演
ところどころ挿入される,足穂の音声?が聞けないのが残念
単なるファンタジーではない,物理,地学,量子学etc...に裏打ちされたものであることが良くわかる
とにかく様々な知識のものもとに書かれてたことに脱帽 -
宇宙論……非科学派が感覚物理学者になるのにうってつけ。
イメージの外側へ出ていくサイエンス。
言葉の狩人が物質の狩人を描く義務がある。
読者より作者のスピードが断然速い。
「一千一秒物語」は人間消去術の見本。
タルホは「A感覚」ではなく「A感覚の抽象化」を重視。
弥勒とマリアと少年……「何もしていないこと」の抽象化。
気になったところを抜き書きしようとしたけれど、多すぎ。再読必須。 -
松岡氏の言、著作に幾度となく登場する
稲垣足穂氏、気になりつつも手を出せてなかったので
こちらから始めてみる。
解説を含め160Pに満たない薄い文庫本であるが、
稲垣足穂氏の背景に広がる小宇宙を感じる。
文学の枠に収まらない、単なる博物ともちょっと違う、
松岡氏の世界観に繋がる系譜も伝わってきた。
・類推を突破するには人間から離れること
(ステファン・マラルメの限界はここに)
・タルホ=セイゴオ が意味するところ
(マツオカセイゴオとして書くには足穂が入りすぎ)
ハイゼンベルク協奏曲が出せない理由にも繋がるか
チームラボの猪子さんは松岡氏を一人インターネット
みたいで面白いと評していたが、足穂氏も後書きで
一人インターネットと評されてる。
ハイパーアナキストであり、
その知はハイパーテキスト的、WWW的である。
ある分野の専門を深める知もあるが、さらに
その学際にとどまらず、編み目の様な際の関係と
その濃ゆいノードを追うところに妙がある
足穂氏でいえば「機械、少年、宇宙、宗教、気配の街」
がそれに当たる。
入門書といわれる本書、著作を追いたくなりました。 -
あんまり伝わって来ない本
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こちらも工作舎プラネタリー・ブックスの文庫化。
稲垣足穂について多くの事柄が語られる。文学論が主だが、ふと垣間見える稲垣足穂のエピソードが面白い。久しぶりに読み返したくなったな〜。
別の場所でしょっちゅう言っているが、立東舎文庫は何とかプラネタリー・ブックス全20巻の版権を取って欲しい。復刊がこれだけで終わりになるのは惜しい。