- Amazon.co.jp ・本 (48ページ)
- / ISBN・EAN: 9784845628971
感想・レビュー・書評
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切ない。とにかく切ない。
病にふせる妹と妹を想う姉の物語。
胸が痛くなります。
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太宰治による昭和14年の短編小説です。「桜が散って葉桜のころになると思い出します・・・腎臓結核により18歳で亡くなった35年前の妹のことを」二つ違いの姉妹の母は姉が18歳のときに他界、父が中学校校長として赴任した島根県松江で病床の妹との想い出が語られています。「姉さんわたし、男の方と大胆に遊べばよかった。今まで一度も恋人どころか他所の男の方と話したこともなかった。間違ってた、お利巧すぎた、ああ、死ぬなんて、いやだ、いやだ・・・」彩り鮮やかなイラストが、姉妹の哀しい記憶を包み込み、憐れみを癒してくれます。
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病床に臥した妹と、それに対して胸を痛めている姉。
妹は目覚めたとき枕元に置いてあった手紙について、いつ来たのかと姉に尋ねるのだった。
姉の回想で語られる、妹と姉がかかえる静かな秘密の話。
文字数が少ないことと読みやすさが相俟って、するすると読了。
乙女の本棚シリーズ全体を通して言えることだが、物語をより楽しむために考えられた、文章レイアウトの美しさに脱帽。 -
デザイン/根本綾子
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それぞれは悪くないのだけれど,綺麗なことは綺麗なのだけど,物語の雰囲気と絵があってない,
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『名作は、かわいい。』という帯のキャッチコピーに違わず、とても可愛い、甘酸っぱい話でした。太宰治独特の、胸がきゅっとなるような話に、美しくて可愛い挿絵を付けることによって、よりこのお話が引き立つ気がします。とても良い本でした。
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病弱な妹がこっそり男性と付き合っていたことを、隠されていた手紙を読んで知った姉。純情で世間知らずのはずの妹の意外な一面を知り、戸惑った。
そして不憫な妹の恋を助けてやりたいと思った。
絵が素敵です。 -
鮮やかなイラストが目を引く作品。
文字だけの本を読んだ時とは
きっと印象が違うのでしょう。
装丁を楽しむ本、やや気恥ずかしいけれど。 -
表紙の色遣いの綺麗さに惹かれて。
太宰治の作品にカラー絵が付いた絵本みたいな体裁でした。
当時の女性の奥ゆかしさ、乙女らしさは読んでいるこちらが恥らうほどでした。
不思議な口笛で姉妹の気持ちが軽くなれればそれが誰が吹いたものであれ救いなのだと思います。