ハンナ・ア-レント講義: 新しい世界のために

  • 論創社
3.00
  • (0)
  • (1)
  • (0)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 45
感想 : 2
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (167ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784846014063

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 講義録なら理解しやすいかと思ったが、アーレントの政治に関する著作についてのものではなく、哲学的な側面にフォーカスしたもの。おかげでさっぱり分からない。
    講義録とほぼ同分量の、訳者による「解題」はそれなりに分かりやすいのだが、どうも訳者の恣意的な部分が気になってしまう。
    なかで、人間の複数性を担保する原初として、『創世記』には両性間の区別がすでに明らかに語られているのであり、神は「男と女にかれらを創った」ことも明らかにしているとするアーレントの視点には首を垂れるのみだ。

  • アーレントは思想活動よりも実践的活動を高く評価する。
    アーレントはユダヤ教がユダヤ性となる世俗化の過程には所属という名前での特質の放棄が見られるが、そういう世俗化の過程が20世紀欧州のショア―に至る不幸な結果をもたらしたことは明らかだと解釈している。ユダヤ人であることが、どこに行っても宗教的、政治的な意味を抜きにして心理的に拒絶反応を呼び起こすものとなり、ユダヤ性にすり替えられてしまい、それ以降は優秀だけを基準に扱うようになった。

全2件中 1 - 2件を表示

著者プロフィール

(Julia Kristeva)
1941年、ブルガリアに生まれる。66年、パリに留学。以後は文学研究者、精神分析家、作家としてフランスに暮らす。文学の記号論的・精神分析的研究に従事するかたわら、後に伴侶となるフィリップ・ソレルス主宰の前衛雑誌『テル・ケル』、後続の『ランフィニ』に参加。バフチン、ソシュール、フロイト、ラカンらの読解を軸に、デカルト的主体の解体、意味の産出性、詩的言語の侵犯性を中核とする独自のテクスト理論を展開し、ポスト構造主義の一翼を担う。90年以降は小説の執筆もおこなうほか、障害者に関する社会運動にも身を投じている。2008年には「女性の自由のためのシモーヌ・ド・ボーヴォワール賞」の設立に際し中心的な役割を果たした。現在はパリ第7大学ほか国内外の大学の名誉教授。ホルバイン賞(2004年)、ハンナ・アーレント賞(2006年)、サン=シモン賞(2017年)を受賞。著作は世界各国で翻訳されている。日本語訳に『恐怖の権力』『初めに愛があった』『外国人』(以上、法政大学出版局刊)、『セメイオチケ』『中国の女たち』『黒い太陽』(以上、せりか書房)、『詩的言語の革命』(勁草書房)、『サムライたち』『プルースト』(以上、筑摩書房)、『斬首の光景』(みすず書房)、『ハンナ・アーレント』『メラニー・クライン』(以上、作品社)などがある。

「2018年 『ボーヴォワール』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ジュリア・クリステヴァの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×