カクテルパ-ティ- (論創海外ミステリ 165)

  • 論創社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784846015039

感想・レビュー・書評

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  • 殺人事件はあっさりだが、登場人物たちの様々なバックグラウンドが絡み合ってなかなか面白かった。

  • 事件はシンプルで地味ですが、犯人は誰なのか、犯行は思惑通りだったのか想定外だったのかなど幾重にも重なった謎が魅力的ですし、登場人物たちがそれぞれ他人を犯人だと考える多重推理が披露され最後に探偵役が明かされる展開は緊張感があって面白いです。なかなかの秀作だと思います。

  • KL 2016.7.12-2016.7.17

  • 読みごたえ十分。数年前の「猿来たりなば」はもう一つピンとこなかったけど、これは好みのタイプのミステリだ。これってどういうことなの?と謎を追いかけてどんどんページをめくっていく快感があり、事の真相が明らかになってなお、心に訴えてくる余韻がある。

    苦い味わいではあるが、ことさらに人の暗部を暴き立てるような、いわゆる「イヤミス」ではない。どの人物も(「犯人」も含めて)複雑な存在として描かれ、ステレオタイプなわかりやすい人はいない。人物相互の関係は、揺れ動いていく危うさを含んだものとして丹念に描写される。この不安定な感じが、ストーリーテリングの推進力になっていると思った。

    主人公である元女優のファニーにおいて特に顕著なのだけど、ほとんどの人物が、他人からははっきり見えるのに本人には認めがたい葛藤や欠点を抱えている。そのことに強い印象を受けた。謎解きでスッキリ、とはならない読後感はここから来るのかもしれない。

  • 久しぶりのエリザベス・フェラーズ。ストーリーテリングが相変わらず巧い。原題"Enough to Kill a Horse"は「馬一頭を殺せる量の毒」ということだが、話はそんなに単純ではない。『カクテルパーティー』という邦題もちゃんと機能しておりGJ。苦いけれど味わい深い佳品。

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著者プロフィール

本名モーナ・ドリス・マクタガート。別名義にE.X.フェラーズ。1907年、ミャンマー、ヤンゴン生まれ。6歳の頃、英国へ移住し、ロンドン大学でジャーナリズムを専攻。1930年代にモーナ・マクタガート名義の普通小説で作家デビューし、ミステリ作家としては、「その死者の名は」(40)が処女作となる。英国推理作家協会(CWA)の創設メンバーとしてミステリの普及に尽力し、1977年にはCWA会長を務めた。代表作に「猿来たりなば」(42)、「カクテルパーティー」(55)など。95年死去。

「2020年 『亀は死を招く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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