マルジナリアでつかまえて2 世界でひとつの本になるの巻

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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784860114688

作品紹介・あらすじ

書いて自分のものにする。マルジナリア“余白の書き込み”探求道の書第2弾。本に書き込みをする人たちの読みっぷりを追体験し、知となり肉となる読書を学ぶ。本を読むのが今より、もっと、楽しくなる! 〈カラー蔵書探検〉神谷美恵子の本棚 印刷博物館 松竹大谷図書館 東京理科大学近代科学資料館

感想・レビュー・書評

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  • マルジナリア(本の余白)に書かれたメモ、図面、記号、ときには貼り付けられたスクラップまで。本の書き込みにスポットを当てたエッセイの第2弾。


    今回のカラー口絵は神谷美恵子の書き込みの数々に始まり、まったく魔的としか言いようがない。自訳を改定し続ける石井桃子の執念にもビビったけど、翻訳者の読み方には共通するものがあるんじゃないだろうか。知識のツールとして、メディアとして、細部まで貪欲に読み、本を使い倒す。本文中で山本さんが「傍線は自分のカガミでもある」と書いているが、まさしく神谷美恵子のマルジナリアは神谷の視線が焼きつくようにページを這ったことを示す刻印だとしか思えない。
    他にも、前回より興味あるトピックが多かった。自著に載せるランボーの肖像画に文句つけるヴェルレーヌとか。マルジナリアで繰り広げられる筆談込みで完成されているJ.J.エイブラムスの小説とか。講談社学術文庫の『本を読む本』が紹介されてるのも嬉しかった!あれは大学入ってすぐ読んで本当に良かったと思ったので、友だちにもあげたりしたなぁ。

  •  「本の雑誌」人気連載の書籍化第二弾。本の書き込み=マルジナリアたちをめぐるエッセイ集。さまざまな分野のマルジナリアは読者の記録や痕跡であり、読書技法そのものでもある。

     特に気を引かれたのは「抵抗のマルジナリア」の項。検閲を受け伏字にされた部分への書き込みについて。本への書き込みが自由なものであるからこそ、検閲の伏字は読み手によって補足され、書き込まれ、文章として完成する。かつての読書の営みを思う。勉強になりました。

  • 余白が呼んでいる。

  • 前作と合わせて古今東西の本の「使われ方」にたいへん刺激を受ける本だと思います。すごいおすすめ。

  • 読了日 2022/11/3

    積読解消月間。
    前作『マルジナリアでつかまえて』の続編。また書き込みがしたくなってしまう…

  • 2022I083 019.04/Ya
    配架場所:A3 東工大の先生のコーナー

  • すっかり山本氏のファンに。
    程よい理系度合いと程よいオタク度合いが人文学と混ざり合ってなんとも言えない心地よさ。

  • 本好きの心をくすぐるよなぁ。神谷美恵子のマルジナリアが出ていた。そういえば、数年前に『生きがいについて』を読もうとして、結局読み切れずに本棚に飾ったままだ。書き込みというマルジナリアまではしたことないけど、本にラインはよくひく。マルジナリアを意識して読んだら、最後まで読めるかもしんないな、なんて思うのもまた、楽しい。

  • f.2022/6/23
    p.2022/6/9

  • 『マルジナリアでつかまえて2 世界でひとつの本になるの巻』
    著者:山本貴光
    版型:四六判 並製 320ページ
    ISBN:978-4-86011-468-8
    定価:2200円(税込)
    発売日:2022年5月17日

    「本の雑誌」の人気連載、第一期完結へ!
    書いて自分のものにする。マルジナリア"余白の書き込み"探求道の書第2弾。本に書き込みをする人たちの読みっぷりを追体験し、知となり肉となる読書を学ぶ。本を読むのが今より、もっと、楽しくなる!
    〈カラー蔵書探検〉神谷美恵子の本棚 印刷博物館 松竹大谷図書館 東京理科大学近代科学資料館 
    [https://www.webdoku.jp/kanko/page/9784860114688.html]


    [目次]
    私の他人の蔵書 
    もしフェルマーがKindleを使ったら 
    ここは謎めいた調子で 
    マルジナリアのここがダメ 
    万能人だってやるときはやる 
    実物はもっと美しいんだから! 
    人もすなるマルジナリアといふものを
    だって好きだから 
    書いて自分のものにする 
    日本語の異界を調査する 
    世界にちょっと手を加え 
    紙上に城壁を築く 
    書くほどにおいしくなります 
    千年前の本だって読みます 印刷博物館編1 
    匂いたつ武士の印刷 印刷博物館編2 
    読みづらければ書けばよい 印刷博物館編3 
    抵抗のマルジナリア 
    すべては官能のために 
    これがほんとの復元法 
    黒い点と十字の謎 
    余白は楽園である 
    登場人物になりきる 
    余白談義の余白に 
    期待と失望のあいだで 
    新刊なのに古書みたい 
    マルジナリアは永遠に 

    神谷美恵子、あるいは読み尽くしのマルジナリアについて(長島愛生園・神谷書庫)
    そこを削っちゃおしめえよ?(松竹大谷図書館・GHQ検閲歌舞伎台本)
    東京理科大に和漢書があるわけ(東京理科大学近代科学資料館)

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著者プロフィール

山本貴光(やまもと・たかみつ) 文筆家、ゲーム作家、ユーチューバー。東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授。著書に『マルジナリアでつかまえて』(全2巻、本の雑誌社、2020/2022年)、『記憶のデザイン』(筑摩書房、2020年)、吉川浩満との共著に『その悩み、エピクテトスなら、こう言うね。――古代ローマの大賢人の教え』(筑摩書房、2020年)など。

「2022年 『自由に生きるための知性とはなにか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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