暁の円卓 1

  • 長崎出版
3.56
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感想 : 28
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  • Amazon.co.jp ・本 (366ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784860950347

作品紹介・あらすじ

1900年1月1日トーキョーに生まれた主人公デービッドと、人類を破滅させようとする秘密結社"暁の円卓"との百年にわたる戦いの物語。舞台はニッポン、ヨーロッパ諸国、アメリカ、インド、朝鮮半島、ロシアなど。昭和天皇、伊藤博文、トールキン、ヒトラー、ガンジー、ケネディ、アインシュタインなどの歴史上の人物も登場。

感想・レビュー・書評

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  •  小学生の頃に読もうとして、残念ながら挫折したシリーズです。大人になってから再挑戦してみると、面白い!世界史を勉強してから、私の場合は読みやすさが増しました。

  • ネシャンサーガがおもしろく、ラルフイーザウの本を読みたかった。一巻ではまだ面白いかわからない。

  • 明治時代の日本が舞台なんだけども、時代考証や宮中の風習などで、日本人なら専門家でなくても、あれ?と思うようなことが結構混じってて、気になってしまって楽しめなかった。外国の物語を書くって、当たり前だけど、すごく大変なことだ。

  • たぶん、今年のベストワンはこの本になる。
    まだ一月だけど。
    それほどすごい物語だった。

    エンデの弟子ラルフ・イーザウが20世紀という時代がいったいどんな時代だったのかという難問に挑んだ大作。全九巻。
    主人公は1900年1月1日に日本で生まれ、100年の寿命を約束されたデービッド・キャムデン。敵役は人類が自らを破滅させるように仕向ける「百年計画」を企む秘密結社暁の円卓。
    人類が互いに憎しみあい、欲にかられ、殺しあうように暗躍する結社を追って、デービッドは第一次世界大戦、第二次世界大戦、その他二十世紀に起きたさまざまな事件、さまざまな人物と関わりを持つ物語だ。

    第一次世界大戦の反省も虚しく、ヒトラーの台頭を許し、第二次世界大戦への道を開いてしまう人類。その過程には、日本を始めとして、秘密結社の策謀によるテロと暗殺がこれでもかと横行する。

    この物語前半部分を読んでいるとき、読者はちょっと客観的でまだ余裕がある。歴史上の主要な事件の影に、いつも同じ悪の秘密結社。それを救うひとりのヒーロー。昔からなじんだわかりやすい構図だ。しかも、ヒーローであるデービッドに特殊な能力が設定されていることがフィクション性を強調している。デービッドは生まれつき、ものの色を変えたり、一瞬先を予知したり、時間を遅らせたりできるのだ。
    そんな特殊能力を使って、秘密結社と戦い、人類を決定的破滅から何度も救うデービッドだが、それでも戦争は防げなかったし、最愛の妻も敵の手にかかって…。

    やはり悪に打ち勝つことなんて無理なのか。
    落ち込み、悩んで、何も考えられなくなり、心がズタズタに切り裂かれてしまったデービッドはそれでも多くの友人の支えを受けて、暁の円卓との戦いを続けることになる。
    そして、舞台は太平洋から日本へ。終戦間際のヒロシマへ。

    こんなところが物語の前半だ。
    このあと、20世紀の後半も一進一退の攻防。ガンディが暗殺され、朝鮮戦争が起こり、中東でも東欧でも悲劇は繰り返される。

    息詰まる攻防にページをめくる手がとまらない。

    そして、やがて、読者は自分が何を目撃しているかを知るのだ。
    突然、自分がいつの間にやらこの物語に含まれるフィクションではない部分に引き込まれていることに気づくのだ。


    じつは、暁の円卓はこの世界に無数に存在する、あるいは人間の心の中に存在している悪のメタファーなのだ。
    それはいつの時代も大きな力を持って、歴史を動かしてきた。我々人類が何度も何度も過ちを繰り返してきたという否定しがたい事実…。
    だがそれだけじゃない。どんなに悲劇的な局面でも、仲間とともに励まし合って正義のために戦ってきた無数のデービッドが世界中の歴史の中にいた、というのもまた真実なのだ。

    それに気づいたとき、この作品が語る物語の圧倒的な重みが迫真の真実味を帯びて、読者に迫ってくる。
    そのひとつが、デービッドに与えられた特殊能力。色を変える力、予知能力、時間に関与する力とともに、もうひとつの能力が設定されている。
    それは、心から真実を語ることでデービッドの言うことが真実だと他人の心に響かせる能力だ。そして、人が本当のことを言葉にしたとき、それを本当だと感じ取れる能力だ。
    この力をフルに発揮することで、デービッドは有名無名の数多くの人物に影響を与え、暁の円卓の悪だくみを阻止するのである。

    ここに読者は作者ラルフ・イーザウからの強烈なメッセージを感じ取らざるをえない…。
    そう、デービッドの特殊な能力は、ぼくらの誰もが生まれながらに持っている能力に他ならないということだ。

    人類を滅亡の淵から救い出す戦いは、自分に授けられたその能力を信じて真実を口にしようとするひとりひとりのデービッドが戦わなくてはいけない戦いなのだということだ。


    とんでもなくすばらしい物語だった。
    読み終えてしばらくぼうっと余韻にひたれるすばらしい物語だった。

    そうそう。人類の来し方と行末を真剣に考えてしまうことのほかに、デービッドを取り囲む人々との愛情、とりわけ愛する妻レベッカとの長きにわたる愛情の物語である点も、この作品を特別美しいものにしている理由のひとつである。

  • 100年計画という人類崩壊計画を阻止する<世紀の子>として生まれたデイヴィット。しかし、まだ幼いデイヴィットは父の庇護の元、日本でヒロヒト・ヨシハル(昭和天皇)など良き友人と共に育つ。
    しかし、徐々に魔の手は伸び、トーヤマに両親は殺されてしまう。
    世界大戦を<世紀の子>とする主人公の視点で描いたファンタジー。

  • さあファンタジー読むぞ、と思ってたら予想以上にローファンタジーだった。
    まさかこんなにジャパーン出てくるとは…。
    面白かったけど、主人公がどんな能力を持ってるのかいまいち把握できなかった。まあ生まれた時からあったんならそんなもんなのか?ピュアっ子なのかな。色々とためらいがない。もっとうじうじしてくれてもいいんだけど、そういうのは好まれないのかなー。

  • 設定は面白いと思うんだけど、いまだ主人公に愛着を持てず……。

  • ちょこちょこ読んで、きのう読了。イーザウ「暁の円卓」シリーズ第一巻。
    物語はまだようやく始まったばかり。なので今後の展開次第でいかようにも印象は変わってくるのだけど、一巻読了直後の感想としては、うーん…と思う。一世紀分を描こうとしたら、ある程度ステレオタイプで乗り切る感じになるのは仕方がないのかしら。個人的にはデービッドの気持ちの変化があっさりし過ぎている感じがして、ちょっと入り込み難かった。「異能をもっていること」の描かれようが、わたしの趣味にあわなかったのかな。
    二巻以降に期待、しておこう。

  • (推薦者コメント)
    以前から読んでみたいと思っていました。20世紀の100年を描いた壮大な歴史ファンタジーだそうなので、21世紀を生きる私たちにとってもファンタジーの世界から歴史を振り返るのは面白いことだと思います。全9巻ですが、とりあえず1巻だけでも読んでみたいです。

  • 20世紀を通して生き抜きながら、闇の組織と戦うことを運命づけられた少年の物語。イーザウは、ドイツの児童文学作家で、元はコンピュータ技術者。

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