悪い娘の悪戯

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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784861823619

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  • 女は金と権力のある男が好きで男に愛情など求ず、法も倫理も無視してより良い男に乗り換えて行く。男はパリで一生暮らすことだけが人生の目標の男。
    男が惚れていることをいいことに、女は男の金やコネを利用して、散々弄んで別の男とあっさり消えてしまう。でも、次に再開した時には、前にあったすったもんだは何もなかったかのように、アッケラカンとして、また思わせぶり態度で誘惑する。男は性懲りも無く、今度こそ愛情を得られるかもと愛情を注ぐがまた捨てられる、のループ。
    話が進むに連れ、年を取るにつれ、お転婆な娘だな→なんたるビッチ→メンヘル入ってるなぁと、男と一緒に読者は呆れるわけですが、話の中頃から女の隠された過去が明かされるにつれ、女の行動を「悪い娘の悪戯」ですましてきた男の了見の狭さに気づかされる。男も傷ついたかもしれないけど、おんなじ位女に残酷なことしてるよね、と。で、読者は段々女に同情を覚えてくる訳ですが女は最後までビッチなままでやっぱしただの悪い娘かなぁとも思わせて、終わる。

    読みはじめは、男の独白スタイルもあいまって、ティファニーで朝食をとかアニーホール、100日間のサマー的な、自由奔放な女と女に翻弄される一途な男を描いた洒脱な小説かな~と思っていたのですが、物語が進んでいくにしたがって、ちょw聞いてないんだけどw的な抜き差しならない修羅場になっていくのが面白かったですね。技巧をこらした重厚な小説を書く人とばかり思っていたのですが、とても読みやすくて笑えて悲しい小品でした。もしかしたら、ペルーの苦い歴史が悪い娘に重ねあわされているのかもわかりませんが、そこまで深読みする知識はなく。。。

  • 理性と感情。世界と個人。悪と善。
    平凡な男にすぎないリカルドも、大きな世界の中で生き、そして、その心の中のドラマもまたすさまじい。最後まで読み終わると、「哀しみと慈しみ」を感じてしまうのはなぜだろう。

  • タマフル秋の推薦図書(2012.09.29 O.A.)で伊藤聡推薦。
    曰く。「他人と付き合う時に避けられない面倒くさい面とどうつきあっていくかという話として面白かった」。

  • 国境や時代を軽々と超えて展開するストーリー。とことん悪戯な娘を生涯かけて愛し続けた主人公、しかしいたずらに盲目というわけでもなく、断ち切ろうとしたにも関わらず、追いかけられる。白夜行的な悪女なのに、どう考えても憎むべき存在なのに愛されるのはやはりある種の特殊能力。

  • ダメだった

  • バルガス=リョサらしく、読みやすく純粋に物語として楽しい。
    それにしても、まさか本当に恋愛小説だとは。しかも、こんなに胸に刺さるとは。

  • 僕にも昔あったよ、悪女に振り回されたい願望がね。
    この小説はそんな願望を擬似体験できる上に、実際にはそうならなくて本当に良かったと思えたし、ていうか俺にはマジ無理って思わせてくれて、もうなんていうかとにかく満足。

  • 第3回(2013年度)受賞作 海外編 第10位

  • 作者を投影したニーニョ・ブエノのいじらしさ、恋心を存分に楽しむ本。
    ノーベル賞作家の描くとても贅沢なラブストーリー。
    恋して焦がれて手元にあっても心もとない女を、求め憎み信じたいと願いいつまでも囚われている男の一生を緻密に描いた。幸せな日常は甘く、離れ焦がれ憎む日々は苦く、寂寥感が影を落として恋している気持ちにさせる。

    ニーニャ・マラの人物像が最後まで心もとないところ、ずっと一人称で語られたことが成功している。

  • ツンデレ悪女小説(ただし、ツン10:デレ0に限りなく近い)。なのにこの悪女に惹かれる男の気持ちになぜか共感できてしまう。男ならなんとなく共感できる人は結構いるんじゃないでしょうか。おもしろいおもしろくないとかいうレベルを超越した、大きな物語に触れたという感覚が残ります。すぐには次の読書に取りかかれないほどの濃密さでした。

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