世界の宮殿廃墟 華麗なる一族の末路

制作 : ナショナル ジオグラフィック 
  • 日経ナショナル ジオグラフィック
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863134614

作品紹介・あらすじ

世界各地に残る宮殿や豪邸の廃墟を集めた写真集である。建築時には栄華を極めた宮殿や屋敷が、長い時を経て朽ち果てていく様子を、美しい写真と簡潔な文章で綴っている。

第一章は南北アメリカ大陸とカリブ海沿岸に散在する植民地時代の領主や大富豪の屋敷跡の様子をたどる。また、米国の成金、成功者らが贅を尽くして建てた豪邸や別荘などの朽ち果てた姿も多数収録している。

第二章と第三章では、西ヨーロッパと東ヨーロッパの宮殿廃墟を集めた。これらの地には中世から近世にかけ、繁栄をきわめたヨーロッパ諸国の王侯貴族らによる華麗な宮殿、城郭、邸宅が数多く残る。中でも長い間、旧共産圏のベールに包まれて知られることの少なかった東ヨーロッパ各地に残る宮殿廃墟は、その印象的な外観、内観で本書の見どころの一つとなっている。
第四章は珍しいアフリカと中東の宮殿廃墟集。植民地の領主やプランテーション経営者らの大邸宅から、独立後の軍事政権独裁者が建てた奇抜なデザインの宮殿などが紹介されている。

第五章のアジア太平洋地域では、インドや東南アジア諸国の宮殿廃墟を集めた。珍しい日本の大型リゾートホテル廃墟なども紹介されている。

巻末に、本書に登場する136カ所の廃墟の位置を記した「世界宮殿廃墟マップ」が付く。

感想・レビュー・書評

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  • めちゃくちゃいい!!
    すごいキレイ!
    ずっと眺めてられる。
    いろいろな歴史を感じた!

    戦争などで、被害をうけ廃虚になったものとかばかりかと思いきや。
    建設中に離婚して、建設中断した廃虚とかもあってビックリ!

  • 〈建物には誕生したときから格の違いがある。
    本物の宮殿や高級ホテル、大邸宅の廃墟は、
    見る者に何かを強く訴えてくる。
    それは壮麗な建物を取り巻いた人々の
    栄光から没落への物語であり、
    外壁の汚れや傷は波乱万丈の歴史の痕跡だ〉
    (カバーそでより)

    〈本書が光を当てているのは、
    壮大なギリシャの遺跡や輝かしいローマの遺構、
    壮麗な中世ヨーロッパの足跡といった、
    たびたび取り上げられてきた場所ではない。
    歴史の後流の中に取り残された場所を象徴するような廃墟を、
    知的な視点で探求し、
    どちらかといえば平凡で重要性の低い建物がはからずも獲得した、
    ある種の荘厳さに美的な関心を寄せている〉(P151)

    「後流(こうりゅう」の意味は静止流体中を物体が運動する時、物体が通り過ぎたあとに後方にできる流れのことですって。

    登場する人物の多くが知らない人。
    でも本当にこんなに金持ちっていたんですね。

    アブハジアという国名も初めて知りました。
    調べてみると、いろいろあるようで。

    日本では八丈島が載っています。
    行ってみたい。
    行けるかも。

  • 「世界の廃墟島」の裏に紹介されていた。

    島はだいたいが一般の人々がたちゆかなくなって無人の島と化した、というのが多かったので、厳しい小島の暮らしの跡がさらされている。対してこちらは、立派な建物、大きな個人の家の廃墟。どちらも建てる時は威勢が良くて大層な夢があったのだろう。それがどうだ、朽ち果ててしまった。

    目についたのは、
    「ソスネアド温泉ホテル」アルゼンチン、メンドーサ州
    これはチリとの国境近くに立つ。向かいの山はアンデス山脈で向こうはチリ。1938年開業からわずか15年で廃業。

    「ウルフ・ハウス」
    米国カリフォルニア州グレンエレン
    「野生の呼び声」などで知られるジャック・ロンドンが建てた家。1913年、妻と共に入居する予定の2週間前に全焼してしまった。大ぶりな石積の壁が苔むして残る。

    「ホーヴェンウィーブ城」
    米国ユタ州ホーベンウィーブ国定公園
    12世紀頃の黄土色の石造りの建物がっ崩れ落ちている。500人ほどが住むプエブロ(集落)があり、トウモロコシやカボチャを育てていたと考古学者は考えている。先住民が石造りの建物を建てていたのは初めて見た。

    「フローラ」
    ドイツ、メクレンブルク・フォアポンメルン州リューゲン。
    ヒトラー政権下で建てられた休暇のためのマンション群。海岸線に沿って6階建ての白いコンクリート造りの建物が4.5キロ続く。スウェーデンと向かうバルト海沿い。グーグルマップで見るとリューゲン島となっていて確かに白い建物が見えた。

    「ゴーストタウン」
    ナミビア、リューデリッツ、コールマンスコップ
    砂が家の中に入り込んでいる。何回か廃墟写真で見たが、多くは建物の中の砂の写真。ここではそれとともに建物外観もあった。

    八丈オリエンタルリゾート
    八丈島
    これも別な廃墟写真集でみたことがあった。
    この本で日本からはこの八丈島の1件のみ。

    2020.8.24第1版第1刷 図書館

  • 栄華を極めたヨーロッパの王侯貴族らによる華麗な宮殿、城郭、邸宅。アメリカの成金、成功者らが贅を尽くして建てた豪邸や別荘、旧共産圏のベールに包まれていた東ヨーロッパ各地に残る宮殿廃墟など、長い時を経て朽ち果てた様子を、写真と解説で綴る世界136カ所の廃墟を集めた写真集。ハドリアヌス帝の「海の劇場」(チィボリ)、ファベルジェの別荘(サンクトペテルブルク)、サダム・フセインの宮殿(イラク)、日本のハワイと宣伝されたリゾ-トホテル(八丈島)など、侘しさが充満する栄光と没落の痕跡。

  • 136の世界の壮麗な建造物の廃墟を紹介する。
    本物の宮殿、高級ホテル、大邸宅等のなれの果ては、諸行無常。
    ・南北アメリカとカリブ海地域 26
    ・西ヨーロッパ 31  ・東ヨーロッパ 32
    ・アフリカと中東 19  ・アジア太平洋地域 28
    ・参考資料 世界宮殿廃墟マップ
    日本はホテルの廃墟が一か所紹介されている。
    遥か過去から現代まで、壮麗な建造物の廃墟136ヶ所。
    宮殿、高級ホテル、大邸宅、大学、病院や療養所等が、
    打ち捨てられた理由は様々です。
    地震等の災害や戦争、紛争による逃亡、地域や観光の衰退も。
    死や離婚による建築中断というのもあります。
    現在は人気観光スポットになった建物もありますが、
    老朽化、閉鎖、放棄で朽ちていくだけの建造物の多いこと。
    覆い隠すかのように蔓延る植物たちの逞しさ。
    しかし、ハドリアヌス帝の別荘のように、悠久の歴史の流れの
    中でも、建造物の存在を遺しているものもあります。
    かつての支配者の夢の跡・・・サダム・フセインやボカサの宮殿や
    ヒトラー政権化のドイツの遺物の一直線のマンション群などは、
    撤去されなければ、そのまま朽ちてゆく姿を長い年月に亘って、
    晒していくのかもしれません。
    悠久の歴史の中で、支配や栄光を得たのは、僅かな時間です。
    “はかなさ”という落書きがそれを著実に表しています。
    ただ、題名にある“宮殿”をもっと見たいと思っていたのに、
    ホテルとか記念館とかが含まれていたのは、拍子抜けの気分でした。

  • 映画の舞台やセットのような感じでした。
    宮殿と謳っているので豪華な雰囲気を残しつつ、物悲しさに溢れています。

  • 廃墟というものはなぜこうも魅力的なのだろう。崩れかけ剥がれ落ちた建物に降り注ぐ陽光が、かつての栄華の残影をほのかに浮き上がらせるからなのか。実際に見に行くことができない人間にとって、この手の本は本当にありがたい。

  • 978-4-86313-461-4
    c0036¥2000E

    世界の宮殿廃墟
    華麗なる一族の末路

    2020/08/24.第1版1刷
    著者:マイケル・ケリガン
    発行:日経ナショナル ジオグラフィック社

    建物には誕生したときから格の違いがある。
    本物の宮殿や高級ホテル、大邸宅の廃墟は見るものに  何かを強く訴えてくる。
    それは壮麗な建物を取り巻いていた人々の栄光から没落への物語であり、外壁の汚れや傷は波乱万丈の歴史の痕跡だ。
    ----------------

    手にした理由
    廃墟、元は豪奢な作りだけに、一枚の写真から物語が聞こえそう。日本からは八丈島のリゾートホテルが取り上げられていた。
    経済の波に飲まれてしまったのかな…。
    ヒトラーの入院していた病院とか・・。
    誰も住まない、植物に飲み込まれていくだけの建物もあれば、無人の廃墟だったところに不法占拠して、いつの間にか人間が湧いているところも。
    作るには、目的や、思いがあり、現在に至る出来事があるはず。邸宅などは特に、ここで笑っていた人達が居たのだと思うと…。

  • 見栄え良く加工された写真が多いので画集として満足度が高い。
    注釈文がところどころ尖ってる。

  • 元お城と言うか豪邸とかお金がかかった建物なんだけれど様々な理由で廃墟となってしまった写真集。
    火事とか戦争が多いけれど、離婚とか、当初の目論見の甘さによる予算不足とか、子孫が継げなかったとか本当に色々あって栄枯盛衰が興味深い。
    日本がリゾート地と言うのもバブル味あって今後増えそうだなって思った。

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著者プロフィール

英国オックスフォードのセント・エドワード・カレッジとユニバーシティ・カレッジで教育を受ける。歴史に関する本の執筆のほか、書評をタイムズ文芸付録などに寄稿している。『世界の宮殿廃墟 華麗なる一族の末路』(日経ナショナル ジオグラフィック)など著書多数。英国エディンバラ在住。

「2022年 『いつかは訪れたい 美しき世界の寺院・神殿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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