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- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784863851566
作品紹介・あらすじ
近代史の闇を覗くと現代の狂気がみえる。
人間が抱える不可解さ、不安、そして不条理。
時代を超えた疑問は解けるのか。
久作の予言なのか…
乱歩の「夢野君の書かれた狂気の世界は、狂人自身が書いた狂気の世界で、文学者が書いた狂気の世界ではないといふやうなところがある」(『夢野久作の世界』)は興味深い。探偵小説論的に言えば、久作の作品には、すべてのナゾ解きが終わったあと、なお、人間が抱え込んだ不可解さや不安が残る。久作が批判してやまなかった近代という時代の論理が、さらに広く深く浸透したのが現代であるとすれば、夢野久作をどう位置付けるかは、日本文学史のなかでなお、本質的な課題として残されているといえるのではないか。 (著者)