岡井隆の忘れもの

著者 :
  • 書肆侃侃房
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感想 : 1
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  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863855335

作品紹介・あらすじ

斎藤茂吉、森鷗外、正岡子規、与謝野鉄幹・晶子、種田山頭火、ベンヤミン、多和田葉子、穂村弘、高橋睦郎、大岡信、北川透、石原吉郎、荒川洋治、平出隆、蜂飼耳……などの人々に言及。

時代の表現者たちを自在に、時にやさしく、時に鋭く読み解いていく。

岡井隆の忘れものは、岡井隆の遺言であり、日本語の美しさへのあらゆる賛美である。



詩の美しさを支えるのは、詩の背後の時代でもあるのだ。
いい詩を、まことにいい詩として解読できたとすれば、その時代がわかったともいえるのである。
―岡井 隆


【章立て】
暗黒救済のメッセージ/美しき時代の詩歌/孤心とうたげ/詩歌句の未来/詩における物語性/啄木の方法/対談 岡井隆『暮れてゆくバッハ』を読む/人生の贈りもの
コラム6点も収録

感想・レビュー・書評

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  • 前半の評論めいたところは難しすぎて私には難解。後半の対論あたりから興味深く読ませていただいた。

    その中で、詩とエッセイ、評論が渾然一体とした表現形態があっても良いのではないかと。そこで気になる人としてあげているのが、中家菜津子さん、あと淺山泰美さん、四元康祐さん、一度調べてみよう。

    そして今、短歌界は、⑴中高年の、主として女性による、いわゆる生涯学習的、生き甲斐短歌。⑵に十代三十代の若い世代による、実験性に富む短歌。現代詩に近い短歌群、と大別される二つの短歌として生き残っている。

    また、岡井隆さんは、自分が歌で詠んだことの半分ぐらいは「うそ」でね。写実といっても虚構が入ります。虚構のほうがむしろ、真実に迫るあり得る。そもそも写実とか虚構とか、初めから区別などしないほうがいいんですと、日頃悩んでいることに答えを頂きスッキリ。

    岡井隆さんの歌集、買ったまま四年ほど置いてあったので、近々読み始めます。

  • 武蔵野大学図書館OPACへ⇒https://opac.musashino-u.ac.jp/detail?bbid=1000260067

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著者プロフィール

1928年名古屋市生まれ。慶應義塾大学医学部卒。内科医。医学博士。1945年17歳で短歌を始める。翌1946年 「アララギ」入会。1951年現在編集・発行人をつとめる歌誌「未来」創刊に加わり、逝去直前まで編集・発行人をつとめる。1983年歌集『禁忌と好色』により迢空賞受賞。2010年 詩集『注解する者』により高見順賞を受賞。2015年『暮れてゆくバッハ』(書肆侃侃房)。『『赤光』の生誕』など評論集多数。日本藝術院会員。2020年7月10日心不全のため死去。享年92歳。2022年に遺歌集『阿婆世』(砂子屋書房)が刊行される。

「2022年 『岡井隆の忘れもの』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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