マグネット

著者 :
  • 幻冬舎
3.31
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本棚登録 : 241
レビュー : 33
  • Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784877282912

作品紹介・あらすじ

罪の意識は、人を洗練させる。動物のように思慮深い瞳をした者たちがひき起こすナインストーリーズ。心の未知の扉を開く最高の純文学。

感想・レビュー・書評

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  • 目次
    ・熱いジャズの焼き菓子
    ・解答
    ・YO-YO
    ・瞳の致死量
    ・LIPS
    ・マグネット
    ・COX
    ・アイロン
    ・最後の資料

    恋愛偏差値の低い私には、山田詠美の官能的な恋愛小説はハードルが高い。
    こういう感じなのかなあと想像することはできるが、感覚として感じることができないことが多い。

    そんな中、深く頷いたのは「熱いジャズの焼き菓子」
    不用意なたった一言で、世界が反転する。
    その一瞬の心の動きを救い上げるのが、上手いなあ。
    人を殺すことよりも許せないこと。
    うん。確かに。

    「解答」はミステリ仕立ての純文学だと思った。
    早川が何をやって来たのかではなく、どんな闇を抱えていたのかをめぐる謎。

    「瞳の致死量」はヒッチコックの『裏窓』を彷彿とさせる舞台設定。
    他人の生活を除くとき、幸せな姿よりも不幸を探してしまうということ
    真実ではなく、見たいものを見たいように見ていること。
    それはもしかして、自分の姿なんじゃないかと思う。

    この本を読んでいるとき、Hey!Say!JUMPの曲を聴いていた。
    「YO-YO」を読んでいるときに流れた「order」、「LIPS」を読んでいるときの「チョコラタ」が、作品世界とシンクロしていた。
    恋愛偏差値が低いので、このような手段で疑似体験。

    「最後の資料」だけは小説ではない。
    けれど、夫の使い方がとてつもなくうまい。
    悲しみに沈んでいきそうになると、彼の無邪気な言動がそれを救ってくれる。
    小説じゃないんだけど、夫の使い方が、上手い。

  • 作者らしい作品の数々に、一気読み(笑)
    性を表に嫌らしくない形で表現するその作風が好きだな、としみじみ思った。

  • 姫野カヲルコと似ているようで、どこか違う。人間の欲望や快楽に不思議なユーモアを織り交ぜる姫野さんと違って、山田詠美は大胆なテーマを描きながらも非常に真面目、と言ったらよいだろうか…。

  • 突然恋人から「人殺しちゃったんだ」なんて囁かれたらどうしよう。色んな恋の形を集めた短編集。

    タイトルにもなった「マグネット」がやはりいいですね。女の子が社会科教師を誘惑する話。実際にはそれから随分時間がたち、少女は大人になり、教師は強制わいせつで捕まってしまうのですが、私の理想とする女の子の姿がありました。

  • テーマは、「罪と罰」だったと思う。
    好きな話と嫌いな話が半々

    著者の義弟が亡くなるまでの話の「最後の資料」は
    客観的な書き方が、切なさと悲しさを感じる。
    この話には、★★★★★

  • 解凍:新聞で偶然見つけた連続放火の犯人である友達だった早川を思い出す話。不思議な人柄が好きだと思った
    YO-YO:まさにこれだ、と思う話。自分の内にすっと違和感なく入り込んで、嫌な思いをせずに読める。女の子はいつも欲望を秘めている

  • 好きなのと、そうでないのが半分ずつくらいかな。統一感がないように思ったらあちこちの雑誌に書いた短編をまとめたものだったからだろうか。 好きな詠美作品を読んだときにいつも感じる「おおお!そうそう!」というあの共感というか喜び、みたいな感動そのものがなかった。悪くはないですが。

  • 「熱いジャズの焼き菓子」好きなのに、発売された当初読んだときも思ったけど、固有名詞危険。
    どうしても古くなっちゃううのは仕方ないんだけど、古くなりかたが「・・・ダセエ」ってカンジになっちゃう。山田さんに似合わないと思う。
    好きな短編なのにそこが気になってしまった。

    「瞳の致死量」
    これが一番好き。
    ラストはそうくると思わなかったのでやられました。

    「最後の資料」
    エッセイにたまに登場していた義弟氏が好きだったので、その意味でもこれは読めてよかった。

  • 惹かれあう、S極とM極。
    2つで1つ。あなたがいて私がいる。

  • 「熱いジャズの焼き菓子」がよかった。「アイロン」は面白い!
    しかし、表題作の主人公が、実際にいたら結構気持ち悪いぞこんな女、という理由から全体のイメージとしては微妙。というか、私は十代前半の性行為という時点で受け付けないものがある。
    「最後の資料」は淡々としていて、それがとてもよかった。

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プロフィール

1959年、東京生れ。明治大学文学部中退。85年『ベッドタイムアイズ』で文藝賞受賞。同作品は芥川賞候補にもなり、衝撃的なデビューを 飾る。87年には『ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー』で直木賞受賞。89(平成元)年『風葬の教室』で平林たい子文学賞、91年 『トラッシュ』で女流文学賞、96年『アニマル・ロジック』で泉鏡花文学賞、2000年『A2Z』で読売文学賞、05年『風味絶佳』で谷崎賞、12年『ジェントルマン』で野間文芸賞、16「生鮮てるてる坊主」(本書収録)で川端賞を受賞している。その他の著書に『無銭優雅』『学問』『タイニー・ストーリーズ』『明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち』などがある。

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