- Amazon.co.jp ・本 (287ページ)
- / ISBN・EAN: 9784877347581
感想・レビュー・書評
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ここに出てくる人は、モラルだろうがアンモラルだろうが、己のこころのままに生きており、それを隠そうとしない。
それが露悪的になっている人もいるけれど、例えば岸部シローなんかはとてもフラットだ。
勝新が頻繁に出てくるのも、異常な寂しがり屋にして人を楽しませようとするからだ。
個別の物では稲川淳二が障害者の息子を殺そうとした話は生々しく、業の深さがかいま見えた。
インタビューとして、吉田豪は普通の人よりはるかに常識人である。でなければ、相手の特殊性を浮き立たせられないからだ。しかし、一方で常識から彼らの行動を断ずる俗人であってはいけない。非常に難しいバランスだと思う。
巻末で、「あえて答えを知っている情けない話を聴いて、それにどう対応するかで器を図る」とあったのは面白い。まさにガチンコ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
読みはじめてから何年経っただろう。あまりの濃さに、途中でなぜか放置していた。とにかく誰も彼も語る内容が凄まじすぎる。インタビューを受けた人がすでに何人も亡くなっていることを考えると、これは本当に貴重な資料だ。
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吉田豪って、頭の回転が早いよね。スマートなんだ。
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第二図書係補佐、つながりで。坂上忍、安部譲二、稲川淳二、田代まさし、真木蔵人、岸部四郎、ROLLY、山本晋也、梨元勝、内田裕也、桑名正博、三浦和義、チャック・ウィルソン。濃い、確かに濃いメンツ。インタビューを通すとさらに強く感じる。借金で首がまわらなくなり、死を覚悟することはなかったんですか?と問われ、「そんなのないですよ。死を覚悟するぐらいやったら、もっと借りる(笑)」(岸部四郎)。その後古本関係の取材を一緒にしたとか。その際の芸能、犯罪に強いキントト文庫、気になる。また、内田裕也「俺はロッキンローラー」とかも読んでみたくなる。安部譲二のどこまで本当かわからない大物交友。水道橋博士「芸人春秋」でも触れられていた稲川淳二の壮絶な家庭事情。ROLLYの破天荒な家庭からアンチテーゼが前衛すぎて理解されなさすぎる状況。真木蔵人のコンプライアンスがどうこういう世相だったら生き残れなさそうなヤンチャぶりと独特の語り口。などなど。
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2004年刊で巻頭を飾るのが今をときめく坂上忍。騒動を起こした人に断罪するような聞き方をするわけではなく、かといってへこへこ追従するのでもなくタブーな話題もきちんと触れ、それを聞かれた相手も嫌がってる風ではなく本音を語る。でもやはり緊張感。
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又吉さん推薦本。
安倍譲二さん、梨元勝さん、内田裕也さん等真っ直ぐ生きれない(もしくは変な方向に真っ直ぐな)人々へのインタビュー集。もっと若い頃に読めば影響を受けたかも知れないが、価値観が違いすぎるせいか、理解しづらく読みづらい。また取り上げている人物も多いのでひとつひとつが薄い。 -
本人の著書などを読込んで本当によく調べてからインタビューしてるなぁと感心。相手に対して興味がこの人の核なんだと思う。ローリー寺西へのインタビューがよかった。槇原敬之と親戚だということは知ってたけどこんな関係だったんですね。真木蔵人へのインタビューも相当良かったです。
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増刷されてたらしく、入手して読む。氏の下調べの量とか懐への入り方とか凄いところはいろいろあるけど、何よりもインタビュイーの生き様がすごい。
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まず、吉田豪のインタビュアーしての努力。仕事のためにではなく、好きだから話を聞く人のことを徹底的に調査していき、喜びそうな本からスタート。
濃い人生を送っている人たちが、本を出しているのが面白いのだけれど、むちゃくちゃしまくりで、まさに荒唐無稽。
ただし、その破天荒な行動の理由まで掘り下げることが出来るのは吉田豪しかいないと思う。ライターでもあるため、全体の落としどころまで見えているのだろうけれども、百戦錬磨の相手に対してなだめ、すかして、褒めて、同調して、しかも芯として彼らのことを尊敬しながら戦う彼の姿勢はすごい。
僕も仕事のときしっかり数字だけじゃなくて相手が何を考えているのか考えながら働かなくてはいけないと強く思いました。
特に凄かったのは、真木蔵人。高島政宏、稲川純二。結構本音で喋っていると思います。人選を見て興味が無ければ読まないほうが良いし、読んで学べることは、彼らが万人からすると凄すぎるので参考にはならないと思うけど、インタビューをここまでエンターテインメントにする吉田豪のプロイズムに感嘆。 -
みんなむちゃくちゃだなあ。