- Amazon.co.jp ・本 (40ページ)
- / ISBN・EAN: 9784877587246
感想・レビュー・書評
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「わたしは樹だ」力強く語りかける大きな樹。うねうねと大きな樹の存在を、色彩豊かに描いた絵にもすごい迫力がある。
倒木の苔を苗床に、少ないチャンスを生かして芽を出し、根を伸ばし、岩を穿っていく。
「生きる、生きる!」生への執着。
やがて長い年月を経て大きな樹へと育っていく。
それでも樹は、生かされていることを知っている。微生物が分解した栄養素を取り込み、小さな苔が蓄えた水を頼りに、大地に支えられ、周囲の木々と枝を絡ませ、共に生きていることを知っている。厳しい環境を千年余の時を過ごし、やがて倒れ次の世代の糧となる。
絶海の孤島、屋久島に育つ屋久杉。
大きな存在の中に包まるとき、私にも樹の声が聞こえるだろうか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
読み始めて すぐに
ある歌が 頭の中で 流れ始めました
こんな歌です
〽 一本の樹
詩 長井三郎 曲 坂庭省吾
春 緑の雨が降る
立ちつくす 一本の樹
朝の光 斜めに
萌え出る葉に 露が光る
雨の日には 雨の歌を
晴れの日には 晴れの歌を
うたいながら 立ち尽くし
樹は 空をめざす
夏 青い雨が降る
立ちつくす 一本の樹
昼の光 あふれて
緑なす葉に 影が揺れる
雨の日には 雨の歌を
晴れの日には 晴れの歌を
うたいながら 立ち尽くし
樹は 空をめざす
秋 紅い雨が降る
立ちつくす 一本の樹
宵の光 ほのかに
移りゆく葉に 時を染める
雨の日には 雨の歌を
晴れの日には 晴れの歌を
うたいながら 立ち尽くし
樹は空をめざす
冬 白い雨が降る
立ちつくす 一本の樹
夜の光 静まり
梢を鳴らし風が渡る
雨の日には 雨の歌を
晴れの日には 晴れの歌を
うたいながら 立ち尽くし
樹は 空をめざす
読み終わった 後も
もちろん
この歌が 流れていました -
力強い絵が、樹の生命力を豊かに感じさせる。
文章もドラマチック。
それでいて、きちんと樹の生態や島の自然について説明がされている。それが、楽しく、すっと入ってくる。
小型の絵本なのが勿体ないと思ってしまうぐらい。 -
nakabanさんの絵がわりと好きで興味をもった本。
その語り口調から、「樹」という存在の雄大さを感じずにはいられない。
生命が生きるということ。
その営みの尊さ。
これを読んだあとは、自分のまわりにある樹に話しかけたくなります。
そしてあの土地にある、あの樹にもう一度逢いたくなります。 -
生きる!生きる!生きる!
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重厚で読みごたえがある。