本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
- Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
- / ISBN・EAN: 9784878933073
感想・レビュー・書評
-
ナチス占領下、作者であるモディアノ自身が、ユダヤ人であるドラを探すといった話である。
モディアノの著書を初めて読んだ感想として、事実に即した文章体であり、あっさりとしているものの、中身は薄暗く不穏な空気が漂う。
そして、ドラという普通に生きる少女の痕跡を探していくというのが、モディアノが言う、「もはや名前もわからなくなった人々を死者の世界に探しに行くこと、文学はこれにつきるのかもしれない」というのがなんとなく分かる気がした。
モディアノ「人生は浜辺に残された足跡のようなもので、打ち寄せる波によってたちまち跡形もなく消されてしまうものだ」詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ある日、古新聞で1941年の尋ね人広告を見つけたモディアノ。15歳のドラという少女のその後を知ろうと、情報を追い続けるが…。パリがとてつもない闇に包まれていたあの時代に何があったのか、どれだけの人が「失踪」したのか。残された資料の中から、モディアノは淡々とした筆致で、事実を明らかにしていく。