エコロジーという洗脳 地球温暖化サギ・エコ利権を暴く[12の真論]
- 成甲書房 (2008年10月21日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784880862378
作品紹介・あらすじ
環境税は悪魔の新税、排出権取引はデリバティブ(金融派生商品)。エコの美名に騙されるな!日本にとって本当に大事な環境問題12の真論。
感想・レビュー・書評
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武田邦彦の『偽善エコロジー』に始まり、最近の行き過ぎた環境保全活動を叩きまくる一冊。もともと副島隆彦は好きじゃないのだけれど、ドメスティックな視点に留まりがちな排出権問題を多方面から評してる点に関しては感心する。
とくに興味深かったのは、原子力発電の裏事情。技術進歩の歴史、それに伴うアメリカとの兼ね合い、今後の課題と問題提起が明確で良い。
CO2に関する議論は多少行き過ぎた部分もあるように感じるが、アメリカ石油界とIMFの癒着相関図は写真つきで示されていてリアル。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
以下、個人的にポイントと思われる点。
■ 排出権取引はサブプライム問題と同じ金融工学に基づく制度的につくられたものである。
■ 排出権取引とは実は排出税であり「空気税」・「炭素税」である。
■ 先進国ではあたりまえだが、途上国から見れば進んでいる「省エネ技術」を移転しつつ、新たな技術を
開発することで、先進国と途上国のヒエラルヒーを温存させる。
換言すると「先進国が途上国を隷属させるのを持続可能にさせる政策」が
『持続可能な発展(sustenable development)』である。
■ 映画『不都合な真実』で一躍環境界のリーダー的存在になったゴア元アメリカ副大統領が、
著作発表数年前にゴールドマン・サックスのトレーダーらと共同で投資会社を立ち上げていた。
http://www.generationim.com/
※世界を動かすのは謀略が全てではないが、謀略により動かされている部分も少なくない。 -
「地球温暖化問題は米国のロックフェラー家がこれからも途上国を搾取して儲けるため陰謀」ということが12本の論文(というよりブログ記事みたいなもの)でまとめてある本。筆者によっては報道とその辺の本の内容を無理やりこじつけたトンデモ感が溢れる。へー、と思ったのは以下。
●環境伝道師アル・ゴアの「不都合な真実」/中田安彦
二酸化炭素排出、つまり開発を途上国に対し規制するのは新しい植民地主義である。
先進国は二酸化炭素の抑制技術を使い排出権を金に換え、途上国への技術移転でさらに儲けることができる。
本来、環境問題とは利害関係のはっきりした限られた地域の公害問題のことであったが、排出権取引で儲けるためには全地球を巻き込む必要があったため、地球温暖化が「みんな」の問題とされた、と解説している。
●環境問題と経済思想―排出権取引の矛盾/吉田祐二
排出権取引の仕組みと成り立ちをピグーやシカゴ学派の経済思想を用いて解説し、排出権の割り当てが世界全体の経済規模を固定化、すでに割り当てを持っている国家や企業の既得権益が自由競争を阻む「CO2本位制」の問題点を指摘している。
●「地球温暖化でサンゴ絶滅」は大ウソ!真実はこうして隠される/廣瀬哲雄
日本の公害反対運動と現在の地球温暖化問題を対比。
日本の公害問題の第一人者である宇井純の定義では
「地球環境問題とは
1)「公害」という地域の具体的な問題
2)誰もが加害者・被害者であるから一人一人の心がけが大切というのは誤り
3)状況を放置、作り上げた行政の発言など論外」
であり、地球温暖化問題は公害問題を曖昧にするときの騙しの手口に当たると指摘。
近年の「沖縄のサンゴ絶滅は温暖化による海水温上昇によるもの」という報道に対し、サンゴの絶滅は1970年代から認知されており、原因は開発による赤土の海への流出による日光不足で、行政はこの問題を放置している。根本的な原因は取り除かれずにサンゴの養殖・植樹を行い、地球温暖化対策をしているつもりになっていると批判している。
●米国の「プリウス人気」の裏に何があるのか/古村治彦
ハリウッドスターなどは「自分は環境に気を配っている。あなたは何をしている?」という見栄のためにプリウスに乗っているが、プリウスはネオリベにも人気がある。その理由は燃費がよく、中東に対する石油を使わないメッセージになるからであると解説している。
●洗脳の手段としての「環境映画」その正しい鑑賞法/須藤喜直
1986年にストックホルムで起きたスウェーデン首相、オロフ・パルメ暗殺事件を描いた『暗殺の瞬間』を題材に、パルメが1972年の国連人間環境会議で米国のベトナム戦争での枯葉剤作戦を取り上げようとしていた矢先であったこと、同会議で先送りされた捕鯨問題が戦車の不凍液に使われる鯨の脳醤油を巡る東西陣営の軍事問題であったことなどを解説している。
もう1本の『チェーン・リアクション』からは米国石油企業の水素エネルギー開発に絡む思惑を読み解いている。
●CO2は地球温暖化の真犯人か?―科学ではさっぱり分からない地球温暖化/下條竜夫
水蒸気の存在を指摘した査読を無視したままのICPP報告書、いまだ理由の判明していない「地上の温度観測」と「地球観測衛星での温度観測」の不一致、諸説あるCO2濃度2倍となった場合の温度上昇幅、太陽活動や海流による寒冷化説などを踏まえ、ICPPが使う計算モデルは劇的な温暖化に辻褄を合わせており、科学への信頼を失わせるものだと批判している。
●日本の切り札「原子力発電」を操る米国/相田英男
筆者は日本のメーカーの技術者。GEとWHの技術競争など米国での軽水炉型原発の開発の始まりと日本に導入された経緯を振り返り、米国・GEの支配下にある日本の原子力産業の実情を伝える。 -
船井幸雄さんのサイトで紹介されていて、読んでみた本です。
書かれていること全てを理解できたわけではありませんが、私たちのが無自覚に受けとっている情報や、世間の一般常識という捉え方は、かなり何者かの意図によって操作されたものであるかもしれない...と、疑う姿勢の必要性を、強く感じました。
もっと、こういう本が流通してくると、私たちが本当に望む未来を、自分で考えたり、創造したり、意図して選択するようになるのでは...と感じました。 -
科学的な切り口かと思って買ったが、内容は政治的・・・
そっちには興味なし・・・ -
・CO2増加による温暖化はまだ結論が出ていない
→シミュレーションの精度は現在でも十分ではない
・CO2排出制限は新興国の経済成長抑止政策
・そもそも環境問題とは何か
-人為的な環境破壊
-自然な変動
・沖縄の珊瑚減少は温暖化よりも赤土の流入が主原因
・アメリカのプリウスキャンペーンは石油国への資金流入を防ぐイスラエルの陰謀
・捕鯨問題は冷戦が原因の一端
-クジラの脳漿は不凍油の原料として優秀だった
→石油から合成できるようになったためソ連がクジラを捕れなくなるよう捕鯨を禁止した
・日本の原子力会社はGEにコントロールされている
・日本の「水」技術を保有する会社
-ササクラ
-月島機械
-酉島製作所
-栗田工業
-日東電工
-荏原製作所
・LNGパイプラインは国内でもある程度整備されている
-郡山-宇都宮間が結ばれれば環状のラインが出来る
-道州制で地域にあったエネルギー供給を -
地球はどうなるんだろ?空気も水もお金に換算される世の中は怖い。解決より不安が残るが、快読できた。
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柴田明夫「水戦争」
浜田和幸「ウォーターマネー」
Water Baron:
フランス「スエズ」、「ヴィヴェンディ」、ドイツ「テームズウォーター」
淡水化技術で世界をリード:
ササクラ、月島機械、酉島製作所、日東電工、栗田工業(国内最大手)
荏原製作所 -
環境問題で代表的な二酸化炭素が地球温暖化につながるかどうかは証拠がないというのは周知の事実です。
ただ、政府等は原因であるだろうという予測のもと色々進めてしまっておりますので、
世界で起こっている方向性の理解をしておかないと、冷や飯を食わされそうです。
しかし、不都合な真実で一躍環境のリーダー的存在になったゴア元副大統領が、
著作発表数年前にゴールドマンのトレーダーと環境ファンドを立ち上げていたことにはびっくりだわ。
http://www.generationim.com/
メモ
・シカゴ学派→自由主義経済推奨⇔これで解決できないのが環境問題であった→排出権取引という自由主義経済に組み込もうとする論理破綻