怪異を語る: 伝承と創作のあいだで

制作 : 喜多崎親 
  • 三元社
3.25
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本棚登録 : 54
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784883034222

作品紹介・あらすじ

民間伝承、文学、芸能、美術――あやかしを「語る」手法の発明、継承、変容。

「今までの怪談に対する書き手、読み手の意識というものは、インターネットによって明らかに別の段階に踏み込んでいるなと確かに感じています。」 ――東雅夫
「「世間話」は(……)まことしやかに話されるため、聞き手にとって他人事ではないある種の共感を伴った怖さを呼び起こす、そういうリアリティーがあります。」 ――常光徹
〈成城学園創立一〇〇周年、成城大学文芸学部創設六〇周年記念シンポジウム報告書〉

感想・レビュー・書評

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  • 東雅夫「百物語の歴史・形式・手法・可能性について」と、「日本『百物語』年表」とをあわせてみると、百物語について理解がふかまる。この本は怪談や妖怪といった怪異について知るためにとても興味深いトピックがいくつも示されていて、高校性くらいなら十分に読める内容です、作家の京極夏彦さんの「語り手の『視点』という問題:能楽・民話・自然主義をめぐって」では、「幽霊はいません」という前提に立って、それを能や歌舞伎、小説といった文化がどのようにして「見える」形にしてきたのかを、「視点」という角度から説明している。これを知っていると実際に作品を読んだときに何倍も面白い!

    (『中高生のための本の読み方』大橋崇行 p.121 怪談の作られ方・楽しみ方より)

  • 2015年に行なわれたシンポジウムを纏めたもの。パネラーは京極夏彦、常光徹、東雅夫、太田晋、喜多崎親。
    百物語、怪談ミステリーの語り、絵画に於ける怪異、語り手の視点。面白い。ディスカッションでついつい妖怪談義に花咲くのも楽しい。

  • 面白すぎて胸が苦しくなった
    京極先生が面白いのは覚悟してたけど
    教授の方々も流石すぎて
    激アツ

  • ラストで京極夏彦がバッサリテーマごと切ってしまうところがハイライトだと思う。仮定の土俵にはまったくのらない態度が不遜な感じがしなくもないが、立場がハッキリしていて好感が持てた。
    本書を読んで京極夏彦の本を読んでみたいなとは思ったが、怪談モノを読みたいなとはならなかった。
    結局、怪談的なものは金儲けの為だと見も蓋も無い論評を知ったためだろう。

  • シンポジウムの記録。質疑応答オモチロイ。

  • 成民間伝承、文学、芸能、美術――あやかしを「語る」手法の発明、継承、変容。

    「今までの怪談に対する書き手、読み手の意識というものは、インターネットによって明らかに別の段階に踏み込んでいるなと確かに感じています。」 ――東雅夫
    「「世間話」は(……)まことしやかに話されるため、聞き手にとって他人事ではないある種の共感を伴った怖さを呼び起こす、そういうリアリティーがあります。」 ――常光徹
    〈成城学園創立一〇〇周年、成城大学文芸学部創設六〇周年記念シンポジウム報告書〉

    成城大学シンポジウム;
    〇東雅夫「百物語の歴史・形式・手法・可能性について」
    ×太田晋「怪談・ミステリーの語りについて」
    〇常光徹「民俗学というメソッドからみた怪異の語られ方」
    ◎喜多嶋親「<出る>図像」
    〇京極夏彦「語り手の『視点』という問題」
    ◎質疑応答。

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著者プロフィール

成城大学文芸学部教授。早稲田大学大学院文学研究科博士課程中退。博士(文学)。国立西洋美術館主任研究官、一橋大学大学院教授などを経て現職。専門は19 世紀フランス美術史、特に近代の宗教画や象徴主義。著書に『聖性の転位――九世紀フランスに於ける宗教画の変貌』(三元社、2011)、編著に『岩波 西洋美術用語辞典』(益田朋幸と共編著、岩波書店、2005)、『近代の都市と芸術1 パリI 』(竹林舎、2014)、『前ラファエッロ主義――過去による19世紀美術の革新』(三元社、2018)など。

「2021年 『甦る竪琴』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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