ワンランク上の問題解決の技術《実践編》 視点を変える「ファンクショナル・アプローチ」のすすめ
- ディスカヴァー・トゥエンティワン (2008年7月15日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784887596450
感想・レビュー・書評
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著者は、大手建設コンサルタント会社、パシフィックコンサルタンツ㈱本社部長。世界最大の企業・GEの改善手法をアレンジして10年間で総額1兆円分の公共事業の改善乗り出し、コストの縮減総額2000億円を実現させた実績を持つ、業界屈指のコンサルタンツ。
ビジネスで成功するためには、ここぞというときに、状況を正しく見ることのできる「分析力」と、最適解を確実に実現できる「実行力」が必要である。
世の中のあらゆる製品、サービス、ビジネス、組織などには、必ずファンクション(機能)がある。このファンクションを見抜く力が身に付けば、状況を正しく分析でき、それまでの常識を逆洗させることができる。
ファンクショナル・アプローチの原理を使えば、問題を見る視点がかわる。問題に対する意識自体が変わる。
本書は、問題解決のためのものの見方、とらえ方の原理についてファンクショナル・アプローチという手法を使い以下の7章に分けて説明している。
①ワンランク上の問題解決とは
②ステップ1 準備
③ステップ2 分解
④ステップ3 創造
⑤ステップ4 洗練
⑥日常をファンクショナル・アプローチで考える
⑦目標に向かってとるべき針路を見つけよう
問題解決につながる20世紀の三大管理技術として
①IE(生産工学)
②QC(品質管理)
③VE(価値工学)
が挙げられる。
本書で取り上げる問題解決の手法としての「ファンクショナル・アプローチ」については将来的には上記の偉大な手法と肩を並べる技法として語られることも考えられる。
ファンクショナル・アプローチをつかった問題解決については、表面的な解決を目的とするのではないため、慣れないうちは時間も労力も要する。
しかし、どの手法もその点では同じである。
この手法については、機能という少し考えればわかる概念をもとに派生的に考えを巡らせ、発散と収束を重ねて真因を捉え、効果的な改善策まで策定するというもの。
プロセスは単純であり、数人で行うことになれば、不慣れな人でもブレスト感覚で参加することもできる。
時間・労力がかかる点については、経験を重ね、一定の理解があれば、プロセスについても単純化したり、まとめることもできるように感じた。
大きなプロジェクトのみならず、目の前に転がっている問題や事象にもあてはめて考えていけることが本手法の一番のメリットのように感じる。 -
2009年9月以来2度目の読了
○部下は、改善点をじっくりと検討することなく、起こっている現象に対して解決策を考えました。(中略)これに対して上司は、改善点に焦点を当てました。どこを改善すれば、もっと効果的に問題解決ができるのかを考えたのです。(34p)
○もっと他に、別のやり方があるかもしれないと考えてみてください。(47p)
○あなたが直面している問題も、単なる結果です。何かの手段の現れです。問題そのものに引っ張られないようにしましょう。(81p)
★FASTダイアグラムの手法は『最短で達成する全体最適のプロジェクトマネジメント』に出てきた行程表の作り方と同じだった。両者ともVE(Value Engineering)が源流だろうか。 -
ブックオフ売却
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VE(Value Engineering,価値工学)の考え方に基づくファンクショナル・アプローチを用いて問題解決を図るための本。書名に「実践編」とあるので基礎編があるのかと思ったが、どうやらシリーズものではないようだ。
世の中のあらゆる製品、サービス、ビジネス、組織などには必ずファンクション(機能)があり、そのファンクションに注目して問題をとらえれば従来とは違った解決法が見つかるという。本書ではファンクショナル・アプローチの原理や手順を説明している。
複数人で何十時間もかけてディスカッションするとのことで実践は難しいが、日常生活の中でも「これは何のためか?」と考える癖をつけるのは有益だと感じた。 -
水野氏のセミナー出席に伴い購入。
フォトリーディング並みに流し読み、要再読。
1Actionはなぜ?ではなく何のために?という思考を持つ。ex)会議開始を10分遅らせる。なぜ?ーみんなが集まらないなどの良いわけ。何のため?ーみんなが出席できるように。これぞプラス思考。
また、発想を記録する。改善点など。もう少しメモに書き込むようにしよう。 -
ファンクショナルアプローチのやり方をステップで紹介している本。実践編というだけあり、細かいステップでわかりやすく解説している。ファンクションの価値を計る、アプローチチャートの作り方がややわかりにくい。熟読が必要なところ。今一度読み直して、実践してみたいと思う。
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なるほど。ファンクションの視点は重要。
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2010/04/30