ノーベル物理学者が教える 「自分力」の磨き方 (知と学びのシリーズ)

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  • ブックマン社
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  • Amazon.co.jp ・本 (167ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784893088284

作品紹介・あらすじ

日本の未来を左右する独創性はどうしたら生まれるのか?ノーベル賞受賞の鬼才が、今だから伝えたいメッセージ。

感想・レビュー・書評

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  • 自分で問いを探し自分で答えを探すしかない

  • 面白い。

    ・眼高手低は本来では否定的な意味で、目標は高いが実践が伴ってないみたいな。でもそうでない意味で先生が使っていて、それは目標は高くもって、実践で動いていけみたいな。いいなあ。こういう言葉の解釈。

    ・ぶつかってみて色々回り道やムダなことをどんどんやるのがいい。自分力っていうのは、ここでは自分で考えて得るもの。そういう意味では受験テクニックとか、結論だけ得るみたいなのはめっちゃ批判的(笑)

    ・思考の隘路(あいろ)という表現は面白く、確かに発想においてこうなるといいなで他から見えなくなる、罠みたいなのがある。隘路は支障とかネックみたいなところなので、別にこの言葉でなくてもいいけど、確かにーと。

    ・読んでる人は多いけどネットも含めて、書いている?と。思考とは書くことでもあるのでこれは確かになあ。読むのはさくっとできるけど、その通り頭で考えているとか、それを再現して考えて書けるかはかなり違う。別物。

    ・武谷三男(たけたにみつお)氏による三段階論は全く知らなかったが、現状→研究→本質みたいなのがなるほどと。物理学の話としての詳細は理解していない。
    https://www.weblio.jp/content/%E6%AD%A6%E8%B0%B7%E4%B8%89%E7%94%B7%E3%81%AE%E3%80%8C%E4%B8%89%E6%AE%B5%E9%9A%8E%E8%AB%96%E3%80%8D
    でそれはいいとして、気づいたのはここで最初の現状を理解するところで、そもそも認識できてないのではないかということにはたと気づいた。知っているとか理解しているとかって、実はほとんど理解していなくても理解しているといってしまう。ので、それって理解している?ってことで、聞き返すと「理解していない」ことが露呈するみたいなことだ。これかなり気になったので、この三段階論はおいておいても、すごく興味深い知見となる気がする。

    たとえばアイデアを出そうという時に、どうしても未来とか見える先のイメージをみがち。でも、実際は現実や現状が見えているか?に対してツッコミはすごくゆるい。それを批判と思われて潰すと思われがちだ。ダメ出しといってもいい。でも、実際に現実を見えているか?何を見てそういっているのか?の認識はとても大事で、その認識ができてないとかずれているのであれば、なんだろうか、ネットで売るのにリアルで売るみたいなくらい次元が違う気がした。

    自分力自体はぶっちゃけどちらもでいいが、いくつかの刺激を得られたので満足である。

  • シンプル2000自叙伝シリーズ「THE益川敏英伝」
    益川先生がこうやって生きろ,と教えてくれる本.
    やはり,他の著者に比較してこういう文章を書き慣れていない感じがする.
    メッセージは,
    「自分の夢を追い求めてください」
    「自分自身をみつめてよく考えてください,何が好きで何に興味があって何をやりたいのか」
    「本当に自分が欲していることを固めて,やりたいことに邁進する人生をみんなに歩んでほしい」,とのこと.
    メッセージも論拠も,基本的に益川先生の経験に基づくもので一般性抽象性はない.だからこそ,この本には価値があるのは勿論である.益川先生はぶっ飛んだヤバい人であるという印象は受けないけれども,「かなり普通とは違う,人格や環境で人生を送ってきた人」の思考法や意思決定手段,価値観,何に重きを置いてどういう工夫をしてきたのかが,この本で垣間見れる.
    これこそ,益川先生の述べる自分力であろう.
    自分を知り,自分の得手不得手,やりたいことを知る.
    これは良い人生を送るために最も重要なことなのである,という主張は鬼才が述べていることの中でも最も一般性・抽象性のあることであろう.
    それが集中力を発揮し,自分にとっての成功を導く最も近道なのである.

  • 一流の人の一流の思考力がわかりました。一流の人はみんな同じことをしている気がする。

    一流の一流のたる所以をもう少し研究してみたい。

  • 「自分力」とは自分の興味や志をとことん突き詰めて結果につなげる力のこと。

    ノーベル賞受賞者が執筆しただけあって、普通のビジネス書とは一味違うものだった。
    ビジネス書のよくあるパターンは「◯◯をうまくやるにはこれが効率いいですよ」だとか「できる人は◯◯はしない」などある種、意図的に読者を誘導するものが多い。
    しかし、この本は益川さんの今まで辿ってきた道の中で素直に良かったと思える原理原則を記してある。

    ・好奇心のアンテナを張り巡らせ志を高く持つ
    ・ひたすら無駄もする
    ・目標のスタート地点がどこか見極める
    ・抽象化してシンプルに考える
    ・頭の中のイメージを言語化する
    ・肯定のための否定をする
    ・プラスにとらえる
    ・独自の視点を突き詰める

  • 大学教授は、自分の好きなことをお金をもらってできる素晴らしい職業だと思う。
    細分化される仕事の中で、協力して何かを作り上げていくこれからの世の中。協調性のある日本人には有利に働くはずというのに、明るい未来を感じた。

  • 自分の興味のあること、向いていることを極めるという表題に惹かれて買った。
    タイトルだけ見ると何やら浅ましい感じがするけど、内容は学ぶことが大変多い素晴らしい本でした。
    著者は理論物理学者の益川俊英で、六次元クォーツモデルを提唱した人だそうです。研究内容はサッパリ分かりませんが、一流の科学者としての考え方はすごいです。

    適性について
    ・子供の頃の夢や憧れを思い出す
    ・これをやってるときは楽しかったや時間を忘れたこと
    ・まだ見つかっていないなら自分がやってないことをやる
    ・単純におもしろいという感覚
    ・好きなことを得意なことだと思い込む
    ・読書は興味関心の幅を広げてくれる


    習慣について
    ・自分自身に問いかけて自分自身で答えを出す
    ・自分の性格についてきちんと把握する
    ・目標に向かうにあたり、何をしたらよいかを見定める
    ・自発とは自分で問題を発すること。自得とはその問題の答えを自分で考えること
    ・好奇心を持って様々なことに首を突っ込む
    ・制約の中で知恵を絞る
    ・眼高手低
    ・本当に重要な問題は何であるか考えること
    ・ムダや寄り道を経験し、あらゆる可能性に対応できる力を養う
    ・出来ないなら出来ないなりに何か独自の方法を考えて実践する
    ・最初のアイデアがすべて正しいということはあり得ない。アイデアを否定して、否定できなければ逆説的に正しい。
    ・武谷三段論
    ・導かれた結論からもう一度スタート地点まで戻ってみる!


    学問の目的は自分の頭で考えること

    人生は一度きりだから憧れを追究して悪いことなどない

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著者プロフィール

1940年生まれ
理論物理学者

「2014年 『人生を考えるのに遅すぎるということはない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

益川敏英の作品

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