努力不要論――脳科学が解く! 「がんばってるのに報われない」と思ったら読む本

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  • フォレスト出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784894516229

感想・レビュー・書評

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  • 前から注目してた中野信子さん著書。軽く読めて新しい視点が得られて良い。他の著書も読み進めたい。
    日本における少子化問題、これには社会の冷たさが深く横たわっている。この冷たい狂気の裏側に、努力に対する過剰な期待があるのでは?
    誰も語りたがらなかった「努力」のウソとホント。

    *さんまさん 努力は報われる、という考え方はやめた方がよい。好きだからやってるだけの方がよい。見返りなしが一番素敵。
    *才能は遺伝的要素も大きい。ある遺伝子により、記憶力が20%高くなるという報告も。
    *江戸時代、努力は粋ではなかった
    *アメリカは、1回の失敗が1回の失敗でしかないと思える国。日本は、1回失敗したらもう人生終わりと思われてしまいかねない国。欧米人とはセロトニントランスポーターの密度が違う。楽観的。日本人は少ないタイプ70%、多い人2%。欧米人は少ない人20%以下、多い人30%。不安になりやすく、自分の主張を貫くことが難しい。損害を回避しようとする傾向も強く空気を読むのが得意。
    *フランス人は「楽しんでこそ人生」。人生を楽しくするために努力。早く帰宅、嫌な人には近づかない。
    *日本は欧米より格差が少ない。欧米ではエリートとされる人はものすごく排他的。日本ほど教育格差がないのは珍しい。
    *日本では、格差を生み出すのはお金ではなく発想力。学歴や血筋の良さが必要なのは、発想力のない人間。
    *構造を壊すのではなく利用する工夫を。
    橋下徹、小泉純一郎→既成概念を壊すタイプ。社会に不満を持っている人はシンパシーを感じる。自分が満たされていないことを社会や時代の構造のせいにしてしまうことが多いため。本当は自分にしか自分の壁を壊すことはできないが、それを億劫だと感じている。誰かに壊してほしいという欲求がある。彼らは自分の立ち位置に必要なものは巧みにぶっ壊す対象から外している。
    芸人は時代を揶揄するが時代を壊しはしない。それが自分を生かしていることがわかっているから。自分をとりまく空気の中に存在している暗黙のルールを読み取り、言葉などで転がすことで楽しませ、不満を解消し、溜飲を下げさせてそこから利益を得る。
    *現実社会で必要とされている能力
    稼ぐ、同種の個体と仲良くして情報をやり取りしながら上手に生き延びる、他人の顔色を窺うことで自分の行動を決断できる能力、他人をいいくるめる能力、自分にないものを持っている人を使える能力、自分の怒りを抑える能力、嫌な気持ちになっても立ち直れる能力のことです。
    *才能を開花させるために必要な意志力
    戦略に基づいた努力に必要な力。目的や目標のためにタスクを地道にこなす、そのために自制したり我慢する力のこと。人という生き物はそもそも意思が弱い、ことを、知る。個人差があり、大人になってから鍛えるのは難しいが、理想の人の近くにいて思考を学ばせてもらうこともひとつのトレーニング方法。小説を読むと脳が変わるという実験もある。
    *才能が、ある人を使うコツは?
    褒めること。自分では気づいてないが、他人が気づいている所。人たらしと呼ばれる人は、人を褒めてその心を開かせるのが本当に上手です。
    この人についていったら自分の才能を生かせるかもしれないと思わせる力が、優れたリーダーには必要です。お互いに使ったり使われたりして才能を補いあっていく。
    *人生最後のときを過ごす緩和ケアに携わるオーストラリアの女性によれば、死の間際の後悔はたいてい同じ内容である。あんなに一生懸命働かなくても良かった、もっと自分の気持ちを表す勇気を持てばよかった、自分をもっと幸せにしてあげればよかった。
    幸福は、自分で選ぶもの。

  • 婚活に何か恨みでもあるのか?というくらいコキ下ろしている。そんな箇所が幾つかありメインメッセージがよく分からない。

  • ・「1%のひらめきと99%の努力」の真意は、「99%努力しても1%のひらめきがなければ無駄」
    ・遊びは脳のエサ。ヒトは努力よりずっと遊びが必要な生き物。
    ・自分の嫌いなところは、自分でも気付いている自分の資質。
    ・人間が死際に口にする後悔の中で最も多いのは「あんなに一生懸命働かなくてもよかった」仕事ばかりせずもっと家族と一緒に過ごせばよかった。

  • 努力に対するマインドセットの在り方
    努力が手段ではなく目的化しやすい日本人(遺伝子的に)
    努力=成功の図式を信じ込むと成功しない=努力が足りないになりがち。そして,努力なしで成功している(得をしている)他者に対する攻撃,努力をしていない者への攻撃,が行われる。それは自己保全のため。

    成功者の努力語りに気をつける。
    正しい努力の仕方を学ぶ。
    努力=正しい方法を継続実施すること

    努力という言葉はいつ生まれたのだろうか?

  • 無駄な努力と本当の努力。努力さえすればいいわけではない。本当の努力をしないとだめ。

  • 報われる努力は、目的を持ち・戦略を立てて・タスクを処理していくものであり、辛くも苦労もない。実効がなく、方向を間違えているため目的に到達しないのに、自分はこれだけ頑張っているという状況は、他人を妬み潰すことにもなりかねない。洗脳され判断を失っているケースもある。

    やりたくないことを頑張るのが良いことっていう価値観。それがなくなると、社会が崩壊するっていう恐怖があるからかな。まずは、正しい努力の知識の普及だ。

  • 前々から思っていたことが、ガッツリ書かれていてうれしかった。
    私は昔から、自分の気持ちが苦痛を感じるといてもたってもいられない性分でした。といってもすぐにあきらめていたわけでもなく、やらなければいけないことの中にささやかなプチ楽しみを見出すことは必ずやっていましたが、特にしんどいのを我慢して努力する・・・ということは、振り返ってみればあまりやってこなかったなと。
    そして今までずっと思っていました。「苦痛を感じながら我慢してする努力で得られるものって何なんだろうな。目標を達成するなら楽しみながらすればいいやん」
    この本を読んで、それでいいんだとあらためて思えたことが嬉しい。
    ただし、本書では「我慢すること」自体は否定していません。ちゃんと我慢のできる人はIQが高いということも書かれています。
    楽しみながらする我慢は、結局楽しみなのよね。

    そしてもうひとつ。「遊びは脳の栄養」と書かれていたこと。
    これまで歴史を勉強してきて思っていたことがあります。
    「国や権力者レベルのものが、市民の『学びたい』『遊びたい』『おしゃれしたい』『美しいものをみて感動したい』という思いを押さえつけるようなことをしたら、滅びる」
    江戸時代の質素倹約の改革なんて、江戸時代めっちゃ長いのに2年やそこらで破綻してるやん。太平洋戦争中に至っては上記に加えて食べる楽しみまで奪われていました。案の定、そうしむけた権力者たちは滅びました。
    本文でもありました。
    「ヒトは努力よりずっと遊びが必要な生き物」
    その通りだなと思いました。

    読んで得た結論
    ・同じ努力するなら楽しく、正しい方向に努力する。
    ・頑張っても得られないものを得ようとするよりも、自分の持てる才能をさらに生かすための努力をするのが〇

    思えば今回の中野さんの本は、脳科学っぽくないというか、だからこそ楽しんで読めたというのもあります。

    あと、「おわりに」は必ず読んでほしい。「つらい努力の結果、得た成功っていったい何?」について考えさせられます。

  • 間違った努力はしない方がいいという内容です。日本人はセロトニン(脳内物質)が少なく、不安になりやすい→その結果、努力信仰に走りやすいというエピソードが印象的でした。
    「勤勉」よりも「遊び」こそが高尚なことという主張にも共感できました。こういう考え方は気持ちが楽になります。

  • 脳科学の観点から努力の仕方、考え方について示唆に富んでいる。
    努力をしない努力を、これに尽きるかな。その、努力には意味があるか?少し立ち止まって考える時間が大事。

  • えー?!言っていることわかる。けど、ちょっと安易かな。
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著者プロフィール

脳科学者、医学博士、認知科学者。1975年、東京都に生まれる。東京大学工学部卒業後、同大学院医学系研究科修了、脳神経医学博士号取得。フランス国立研究所ニューロスピンに博士研究員として勤務後、帰国。現在は、東日本国際大学教授として教鞭を執るほか、脳科学や心理学の知見を活かし、マスメディアにおいても社会現象や事件に対する解説やコメント活動を行っている。著書に『サイコパス』『不倫』(ともに文藝春秋)、『人は、なぜ他人を許せないのか?』(アスコム)、『脳の闇』(新潮社)などがある。

「2023年 『賢くしなやかに生きる脳の使い方100』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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