勝利者: 一流主義が人を育てる勝つためのマネジメント

著者 :
  • 万来舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784901221061

感想・レビュー・書評

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  • 本書は、弱小のアメフトクラブチーム(レベルの低い関西リーグで万年最下位)をわずか三年で日本一にさせた人の回顧録である。著者鈴木がアサヒビール会長樋口廣太郎からそのチームを預かったとき、このチームは、個々人のレベルは低くないにもかかわらず毎年一度も勝てない状況であった。鈴木はメンバー人一人と面談し、このチームの弱さを見抜く。原因は気持ち。負け続けたことによって、勝てそうな流れになると力が出せない。だから接戦するも必ず負ける。最下位から三年で日本一になるための鍵は意識改革である。こう確信した鈴木は本格的な意識改革に乗り出す。このやり方がすごい。まずは、監督、コーチの刷新。なんとコーチはNFLの有名なコーチをつれてきた。日本人のコーチも京大からつれてきた。環境整備し、選手たちが言い訳出来ない状況を作り出した。さまざまなプラクティス(ゲーム前夜飲み会など)で、チームを高揚させた。一気呵成にチームを日本一にした。 本書を読むと、改革の本質がスピードであることが良くわかる。「じっくりと」などといっているといつまでも変わらない。スピードこそ質であり、質こそスピードであることを肝に銘じさせてくれる良書であった。

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著者プロフィール

鈴木 智之 1962年生まれ。法政大学社会学部教授。著書に、『村上春樹と物語の条件――――『ノルウェイの森』から『ねじまき鳥クロニクル』へ』(青弓社、2009年)、『眼の奥に突き立てられた言葉の銛――目取真俊の〈文学〉と沖縄戦の記憶』(晶文社、2013年)、『死者の土地における文学――大城貞俊と沖縄の記憶』(めるくまーる、2016年)、『郊外の記憶――文学とともに東京の縁を歩く』(青弓社、2021年)、『ケアとサポートの社会学』(共編著、法政大学出版局、2007年)、『ケアのリアリティ――境界を問いなおす』(共編著、法政大学出版局、2012年)、『不確かさの軌跡――――先天性心疾患とともに生きる人々の生活史と社会生活』(共著、ゆみる出版、2022年)など。訳書に、A・W・フランク『傷ついた物語の語り手――身体・病い・倫理』(ゆみる出版、2002年)、B・ライール『複数的人間――行為のさまざまな原動力』(法政大学出版局、2013年)、M・アルヴァックス『記憶の社会的枠組み』(青弓社、2018年)、C・マラブー『偶発事の存在論――破壊的可塑性についての試論』(法政大学出版局、2020年)などがある。

「2023年 『断絶』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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