条件なき大学

  • 月曜社
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  • Amazon.co.jp ・本 (170ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784901477406

感想・レビュー・書評

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  • しかしこんなに執拗に脱構築、脱構築いってるんだ。

  • 大学が脅威にさらされて、また大学の中でもいくつかの学問が脅威にさらされていおる動乱期に人文学は脱構築し、調整すべきコンセプト。

    来たるべき人文学の脱構築的な務めはその立場基底、ステータスによって、諸学部の伝統的な限界の中にうまく収まるわけではない。

    デリダは大学と哲学の関係を問いながら、哲学の覇権を信じるのでもなく、哲学の不滅さを称揚するのでもなく、哲学の限界を問い続け、哲学を研究領域にも哲学的な問いが発せられるべく、哲学を可及的に拡張していくことによって哲学を変形しつつ活性化させること。

  • 西山雄二による、後半の解説が面白い。
    教育者としてのデリダの動向について記されている。

    教師デリダ

  •  デリダによる大学論、そして人文学論。カント、ジェレミー・リフキンらの大学論、労働論を参考に読み進む。デリダの本にしては分かりやすい方かと。
     デリダ曰く、人文学は、人間本位を扱い、民主主義の歴史・主権の権利を元に大学の諸条件、無条件性を問う。また、公言・職業=公言・教職の問題について、職業について、「かのように」を扱うようになる。そうして、人文学という学問は大きく変化し、また大学も変わっていくだろう、と。また、大学に必要とされること、ものについて、デリダは、「教条的で不正なあらゆる我有化の権力に対する批判的抵抗-そして批判以上の抵抗-のための究極的な場であり続けなければならない」と説く。
     後半は、訳者によるデリダと大学・学問との関係(経歴)を読み解く。デリダの分かりにくさは、そこから生じてくるというのも原因の1つだろうと伺えるようなものが見えた。それは、政府との哲学教育についての交渉であり、また、国際哲学コレージュの創設であると思った。

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著者プロフィール

ジャック・デリダ(Jacques Derrida):1930-2004年。仏領アルジェリア生まれ。エコール・ノルマル・シュペリウール卒業。西洋形而上学のロゴス中心主義に対する脱構築を唱え、文学、芸術、言語学、政治哲学、歴史学など多くの分野に多大な影響を与えた。著書に『声と現象』『グラマトロジーについて』『エクリチュールと差異』『ヴェール』(シクスーとの共著)『獣と主権者Ⅰ・Ⅱ』ほか多数。

「2023年 『動物を追う、ゆえに私は(動物で)ある』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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