とりとめなく庭が

著者 :
  • ナナロク社
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本棚登録 : 87
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784904292761

作品紹介・あらすじ

詩人・三角みづ紀、はじめてのエッセイ集。

失恋する。泣く。笑う。誰かや、何かを、いとおしいとおもう。どうあっても、詩人である彼女が選ぶ言葉のひとつひとつは、たやすく紡がれてはいない。
橙書店店主 田尻久子(本書はさみ込み、推薦文より)


中原中也賞、萩原朔太郎賞、歴程新鋭賞ほか、数々の賞に輝く詩人・三角みづ紀によるはじめてのエッセイ集です。

北海道新聞、群像、新潮などに寄稿した作品に描き下ろしを多数加え書籍化。
推薦文として、熊本の人気書店「橙書店」の店主・田尻久子さんのエッセイをはさみ込んでいます。
装丁は前作の詩集『よいひかり』に続き、服部一成さん、装画はさとうさかなさん。
1篇4ページからなるエッセイ30編を、30点の挿画が彩ります。印刷に4パターンの特色を使用した挿画が
文字の向こうに浮かび上がる、美しい一冊です。

感想・レビュー・書評

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  • 詩人の三角みづ紀さんによるエッセイ集。張り詰めた空気を感じさせる言葉の一つ一つが本当に瑞々しくて、言葉ってこんなに美しいのかとページをめくる度感じた。丁寧に真摯に綴られた喜怒哀楽、色や香りが感じられるような日常の風景。そして、エッセイに添えられた詩は行の文字数がきっちり揃えられて、その几帳面な四角い見た目にきれいな言葉がみっちり詰まっている。読むたび心が震える。

    知らないことはおろかで幼く美しい。

    初めて出会う表現の数々に、心が浄化される思いだ。造本も美しく、手元にあるのが本当に嬉しくなる一冊。

  • 彼女の言葉が脳内に入ってくる。
    言葉が入ってくる。

    なんか、もう僕が、このタイミングで読むことを、
    ずーーーと前から知ってたような、ぼくのために紡いだような。

    ホンモノって、こういうことなんだなぁと思う。
    かっこいい。

    頭のなかに、そっと、入ってくる

    いつのまにか、ずっと、響いてくる

    とりとめもなく、、 庭へ

    札幌在住の詩人・三角みづ紀さんの初の詩集エッセー集。
    脳内に直接届く言葉の選び方がかっこいい。
    奄美で療養のために過ごし
    体の中で凝集されてきた言葉たち
    苛烈な生き方をしてきたからこそ、見えて来たもの
    聞こえてくるものがあるのだなと思う。
    とってもステキだ。

  • “祝日の夕方に黒豆を煮ている。祝日だからではなく、食べたくなったからでもなく、豆を煮る行為はわたしにとって気持ちが安定する作用があると信じているから。”(p.86)


    わかる。わたしも以前はよく小豆を炊いた。豆を煮るのはじっくりとした含みのある時間に思えて好きだ。

  • 「ふりかえることはできるから/うしろをむいてはみるけれど/もどることは できないから/小さいわたしに 手をふった/たくさんの手が ふりかえす/その数だけ感情があって豊か/これからも何度もふりかえる」

  • 2017年11月12日に紹介されました!

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著者プロフィール

北海道札幌市在住。一九八一年鹿児島生まれ。大学在学中に現代詩手帖賞、第一詩集で中原中也賞を受賞。第二詩集で南日本文学賞を受賞。執筆の他、朗読活動も精力的に行い、多くの国際詩祭に招聘される。一カ月の間、欧州を旅して執筆した第五詩集『隣人のいない部屋』で萩原朔太郎賞を受賞。代表詩篇は翻訳されアメリカ、メキシコ、フランスをはじめ他国でも紹介されている。二〇二〇年に第八詩集『どこにでもあるケーキ』をナナロク社より刊行。

「2022年 『空気の日記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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