- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784906732272
感想・レビュー・書評
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今まで読んだ山本七平の著作の中で最も分かんなかったかもしれない…。
真剣に解説書を探すべきかも。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
[評価]
★★★☆☆ 星3つ
[感想]
読みやすかったけど、よくわからなかったな。
なんだか読めば読むほど疑問が湧いてきて、読み終わった時にはもっと思想や哲学を学ぶ必要があると強く感じるようになっていた。
関連する書籍を読み直した上で改めて読む必要がある。
しかし、書かれている内容に納得できた部分もチラホラとはあった。特に宗教に関する日本人のスタンスを信仰は認めるけど、布教は認めないの辺りは当然だろうと感じた辺り、間違ったことが書かれているとも思えなかったな。 -
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「いえ、ただ、ちょっと、あの、何となく、名所だそうですから」この言葉は一つの思想の立派な表白のはずだ。ではこの思想はどこから来て、どのように日本人を律しているのであろう。15
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無洗礼派とは、おそらく最も強く洗礼を意識している人びとであろうから、この人びとのほうが、より強い洗礼を心に受けている、とも言えよう。17
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日本人の意識の中には明治天皇の墓はないのである。前述のように墓は思想だから、意識の中にないことは、存在しないことである。20
「だって、ちゃんとお墓もあるんですから」という反論も当然出てこよう。その通りなのである。だから「ちんぷんかんぷん」になってしまう。確かに墓はあるのだが、人が死んでも、絶対に、きれいさっぱり墓の彼方に行ってしまわないから妙なのである。24
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「だから幼稚なのだ、迷信なのだ。それだから宗教はアヘンなのだ。それによって支配階級は、すべては来世において報われるから現世では忍従せよと人民をだましたのだ」ということになろうが、実はこの解釈がアヘンなのである。31
といえば「とんでもない、これは科学的な解釈だ」と言われよう。それならばアヘンは撤回して、LSDとしておこう。これなら科学的所産だから文句はあるまい。科学的所産が幻覚の材料にならないと信ずることほど非科学的なことはない。
こういう解釈は「英霊に相すまぬ」は、軍部が人民を沈黙させるための手段であったと言っておしまいにしてしまうのと同じで、なぜそれが「手段」となりえたかを考えようとしないために、何かがわかったつもり、何かをわからせたつもりで、実は何もかもわからなくしているのである。32
その鍵とは「免罪符」である。といえば、「ああ、あれか。あれこそ最もひどいもので、愚民どもをだまし、『罪を赦してやる』と言って金をまきあげた」といったLSD解釈がすぐ出てこようが、この解釈をそのまま受けると、受けとった人が愚民になってしまう。33
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氏も日本教徒の常として、お神酒がないと、真正なる「告白」ができないのである。43
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ついにA氏は「フン、意識の低い奴はしようがないな」と言わざるをえなくなった。45
ついにこの先生はタメ息とともに「しばらく通っていれば、そのうちにだんだんとわかります」と言った。48
Q氏の二つの反論ないし質問は、実は一つの質問なのである。そしてこの質問は実に立派な質問であり、今から三百年以上昔、すなわち伴天連が聖書的世界をはじめて日本に紹介したとき以来、日本人が、さまざまな形で発しつづけてきた質問なのである。
この三百数十年にわたる質問の基本となっている前提、日本人が異論の余地なしと信じている前提を、私は「日本教」と呼んでいる。これらの質問は一種の「護教論」といえる。49
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1970年代の言論界の空気感が解らないと理解できないと思う。時代背景を知らないとなかなか理解できない。編集者の注釈が欲しかったな。
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日本というよりユダヤ教とキリスト教の原点をみた気がする。日本がアングロサクソンに勝てない理由を垣間見たような。。