ぼくの伯父さん 単行本未収録エッセイ集

著者 :
制作 : 松家 仁之 
  • つるとはな
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本棚登録 : 263
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784908155062

感想・レビュー・書評

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  • 伊丹十三を女が読み直そうぜみたいな発信で広まっている。
    フェミニズム視点から伊丹十三を読む、若い頃の彼は眉をしかめる発言も多いけどこの僕の叔父さんを書く頃には眼前なるフェミニストとして性教育から子育て、父親のあり方などを語っている。これは希望なのではないか、世の中から諦められてしまったおじさん達も変わることが出来るという一つの道筋なのではないか。あー私の人生もこんなおじさんが身近にいたら、よかったのになと思うエッセイ集。

  • 「ヨーロッパ退屈日記」「女たちよ」等の名エッセイを遺した氏の未発表エッセイ集。

    エッセイだけでなく、氏の年表もあり、上記の本が60年代に発表されたものだということを改めて確認し、驚かされた。

    そういえば、初めてこれらのエッセイを読んだキッカケは、雑誌「BURRN!」の広瀬和生編集長のコラムで言及されていたことだと思う。高校生ぐらいの時で、横浜の有隣堂で購入したような気がする。

    本書は流石に時代性は感じるものの、その視点や姿勢は一貫して氏のもので、アメリカ人についての評価や子育ての姿勢など面白く読めた。文庫化を期待したい。


  • 俳優で、妻である宮本信子を主役として映画を作った人、くらいなイメージだった伊丹十三。

    映画も観ようかな、と思わせる、自分らしい、確固たる、阿らない人。

    何ってわけじゃなく、面白く、あぁ、こうありたかった、と羨ましく思いながら、ふふん、と、時に笑いながら読む本。

  • 単行本未収録を集めた本書、半世紀以上前のエッセーなのに全部が少しも古くない、題材の選択と表現のセンスに驚く稀有の才能。見事なイラストも著者による、いやはやいやはや★5

  • 伊丹十三氏の未発表エッセイ集です。
    時代も分野も多岐に富んでいて、全体としては
    ちょっととっつきにくいですが、
    むしろ本業は作家なのでは?と思わせる程、
    物事に対して深い洞察に満ち溢れています。

    伊丹ワールド満載の一冊です。

  • 伊丹十三の本で読んでないものがあるとは嬉しくなる。本の中で伊丹十三は生きている。冒頭の「アメリカ人」なんかは読んだことがある。単行本になってないだけで目にしたものもあるようだ。「アメリカ人」はアメリカ人は怖い。それは「連中の顔は城だと思うんですね。城の中には武装した主が住んでいる。この、城の主は、一旦相手と見解を異にするや、毅然として「NO」と叫ぶ勇気を持っている。「常に戦う用意がある」これがアメリカ人の基本的性格の一つであると思われる。」

    こんなことを言う人って今ではいませんもんね。

    ワタシにとって伊丹十三はとにかく面白がるということを教えてくれた人である。日常のちょっしたことことからその裏にある意味を考えて、推論し、含蓄ある意見を導きだす。そのためにはかなりの知識が必要で太刀打ちできないが、そうした姿勢でいることは可能だ。改めて見ると、かなり上から目線で、啓蒙してやるという雰囲気もなくはない。しかし上意下達の内容を表現するのには口語調、会話形式、明治文化人風などいろんな手練手管を使い読みやすいように工夫している。それでそのインテリ風なところも魅力的に映る。それと外国の個人主義ということや心理学が根底にあることモノや料理のこだわりも受け入れやすいところだ。決して政治的にはならない。今流行のパンケーキなんてもうこの時に書いている。年譜を見ると64歳で亡くなっている。

  • 教育論。
    映画監督としてぼんやりとしか認識してなかったんだけど、なんて興味深い方だったんだ!直筆の原稿の字がかわいい。

  • 20180701 自分の中で知識人の代表のような人、エッセイは読んだことが無かったので読んで見た。ウイットに頓田文章。最初は信じて良いこととホラ話の境目が見えないことも有ったがだんだん慣れて面白さが前面に出てくるようになった。久しぶりに映画も見たくなった。

  • 教養深いひと。
    こういう人の目を通して世界(日常)をみると、私が見るそれとはまったく違う景色が見える気がする。何気ない日常なんだけどね、書いてるの。

  • 40年以上前、社会に出るときに読んだ『ヨーロッパ退屈日記』で著者を知りました。ちょっと斜に構えた物言いはまさに「ぼくの伯父さん」でした。そのエッセンスが詰まっています。

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著者プロフィール

1933年生まれ。映画監督、俳優、エッセイスト、テレビマン、CM作家、商業デザイナーなど、興味のおもむくままに様々な分野の職業に分け入り、多彩な才能を発揮。翻訳も多数手がけた。1997年没。

「2020年 『ちょこっと、つまみ おいしい文藝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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