- Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
- / ISBN・EAN: 9784909542304
作品紹介・あらすじ
映画監督・傅楡、そして台湾の、等身大の物語
傅楡は華僑の両親を持ち、台湾で生まれた。5歳の時に戒厳令が解除され、台湾は民主化へと動き出す。思春期を迎える頃、周囲には「中華民国防衛戦」のスローガンが流行し、アイドルに夢中だった中学時代、台湾は史上初の総統直接選挙に熱狂していた。
やがて彼女はドキュメンタリー映画と出会い、「ひまわり運動」を撮り始める——。
本書では、葛藤、挫折を繰り返しながら成長する、台湾の民主化の歩みと傅楡自身の人生を振り返る。彼女は「この本を読んでくれた人が、自国の政治、歴史などについて考えてくれる、一助となる事を心より願う。これこそが、わたしが本書に対して抱く最大の希望である」と、読者へ語りかける。
感想・レビュー・書評
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傅楡と同世代の日本人として、自分を「内省」することなく薄っぺらで付け焼き刃の知識だけで知ったつもりになっていたことが恥ずかしい。
社会運動のイメージは傅楡がかつて抱いていたものとまさに同じで、運動という形でなくとも信条のようなものをもっていればよいと思っていたけれど、そもそもそれすら持ち合わせていないということに気付かされた。ぶつぶつ文句を言いながら自分では何もしない人を見て、こうはなりたくないと思いながら自分だって何もしていない。
読んでいて辛くなるくらいに深く深く考え、分析し、打ちのめされながらもぶつかっていく傅楡と、思いを形にして表明する若者たちの姿に、自分にはとてもこんなことはできないと思いながら、見習いたいと心から思った。
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台湾のドキュメンタリー映画監督の傅楡(フー・ユー)さん。
政治的社会運動をテーマに、社会と向き合い変化していく若者の心、彼ら自身を撮りながら自分自身の内面を見つめ続け、挫折、葛藤、挑戦、失敗、自己嫌悪もさらけだし、もがく監督の姿に惹きつけられました。
「わたしがみんなに知ってほしかったのは、異なる立場の間で、「違い」は「同じ」に変わる可能性があるということだった。だからわたしたちは、立場が異なる人を「排除」するのではなく、「対話」しなければならないのだ。」
彼女のドキュメンタリー映画作品「私たちの青春、台湾」がとても観たくなりました -
テーマ:台湾