シン・ニホン AI×データ時代における日本の再生と人材育成

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  • NewsPicksパブリッシング
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  • / ISBN・EAN: 9784910063041

感想・レビュー・書評

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  • ◯我々日本人は、戦後の復興において、これまでの技術や、既存のものづくりの延長で勝ったのではないのだ。(138p)

    ◯我々は意味を理解していないことは知覚できない。(181p)

    ◯これは社会保障給付費120兆円に比べると2%以下だ。(324p)

    ★日本が先進諸国に比べていかに劣後していて、どうしたら復興できるか、という話。確かに一人一人がこのような意識を持つことで、少しずつ世の中が変わっていくのかもしれないが、今すぐ自分でどうこうできる話ではないためか、自分ごととして読めなかった。

    ★まあ、意味不明な校則を廃止するのは賛成。まずはそこから始めてみては。

  • 言ってることに反論しにくいのだけど納得できない。そういう風に行動する気になれない。なんだろう。

  • データに裏打ちされた深い洞察。日本の未来への想いがあふれている。行政、立法、教育関係者は全員読むべき。

  • 日本の現状がはっきりとわかる。知識として知っておいたほうがよい。ただ、国家としての課題の話なので、僕のような一般市民の生活からは遠いところのように感じる。この課題意識をどう活かしていくか。現状としてデータ×AIの世界に順応し、使い倒していくことが今の僕に出来ること。

  • ・映画「シンゴジラ」の中での政府のセリフ
    →「日本はスクラップandビルドで立ち上がってきた」
    ・いままさに日本は危機的状況。この15年間で日本の一人負け状態。
    ・既にゲームチェンジしている。IT技術でアメリカ・中国に遅れをとっている。
    ・日本の歴史を振り返ると、産業革命、宗教(仏教)や言語などゼロイチには参加せずに応用から発展させている。
    ・①新技術 ②応用③エコシステムの構築で、
    日本は②③が得意である。
    ・いまは①の終わりのフェーズ。②以降はこれからである。
    ・日本国の現状。シニア層を解き放てていない。人余りで人不足な現状。
    ・AI×データ 第一フェーズの終わりにきている。第二フェーズから加速していく。
    ・日本も江戸時代から明治時代へと近代化を一気に加速できた。
    ・日本の都会はAIに適切な設計になっていない。→ 自動運転には適さない道路の狭さ、ドローン飛行に適さない高層ビル群など。
    ・日本が再び勝つためには意識開拓が必要
    ・意識開拓=AI×データを応用する
    ・ものづくりではなく、世界のプラットフォームを利用する。
    ・出口産業×妄想力で勝つ。
    ・入口産業(データや情報を集める)はアメリカや中国にとられてしまっているので、日本の強みとなる「応用」の出口産業(車、土木、家電等)とデータAIを掛け合わせる
    ・若者中心でいく。
    ・幕末では若者が台頭した。吉田松陰先生は20代
    ・日本は予算配分がおかしい
    ・日本は過去の恩人に手厚く、若者への未来の投資をしていない
    ・日本という国を一つの大きな家族として捉えると、シニアが裕福に暮らし、その下がシニアから小遣いをもらい、若年層は煮干ししか食べていない。
    ・未来への投資、教育と研究開発に予算配分するべし
    ・安宅さんがやりたい事=地方再考
    ・地方とテクノロジーの共生によって日本は再生するのではないか。
    ・ブレイドランナーのように都市集中化すると悪い事がおきる
    ・風の谷のなうしかのように、地方とテクノロジーが共生する
    ・コロナ前の技術であり、現在そのとおりになっている事が凄い
    ・都市型のスマートシティから、自然と調和した生活へ →コロナ前から提言
    ・QOL =quality of life
    ・地球規模では人類の成長を受けるキャパがない→人口減少局面が地球にとってはむしろ環境的に良い傾向?
    ・2100年には気候も変わっているため、住宅なども気候に適した設計をし直す必要あり
    ・本を通して、ヤフーのビジョン=未来をつくる、と書籍の内容が一致している

  • 現代の日本の科学技術は海外に比べて遅れを取っていると言われているが、どの程度の遅れなのか、また日本の現状知りたいと思いこの本を手に取った。400pを超える大作で決して読みやすいとは言えないが、非常に内容の濃い一冊であった。大学の学部生のうちに読んでおいてよかったと思う。


    印象に残った内容を以下に記す。


    現時点で日本が遅れを取っているのは事実である。だからどうしようもできないというわけではない。産業革命で日本は英国等に遅れを取ったが、フェーズ2.3で日本は活躍したという事例のように、データAIの世界においてもフェーズ2.3で活躍すればよい。


    バラバラに聞いた内容を繋ぎ合わせ、人が気づいていないような新たな道へ進み、新たなものを生み出す必要がある。例えば、100人に1人が知っている知識を2つ持っておくと100人×100人=1万人に1人の人材になることができる。
    そのためには様々な分野をまたいで勉強する必要がある(米国の大学や東大.北大等ではこの仕組みで、日本とは違い専攻が決まるのも遅いそうである)。
    1年生で受けた般教を軽視せず、もっとしっかりと受けておくべきだったと感じている。


    日本は老人と過去に費用を使いすぎており、その少しを科学技術に投資するだけでも大きく変わる。例えば、社会保障120兆円に比べれば未来の科学技術に対する資金はその1/60の2兆円程度。こんな状態であれば日本に未来がないなと憤りを感じた。しかも海外の大学生はバイトしなくても大学や国からお金がもらえるそう(ブチギレ)。
    「老人を生かさんがために、若者を犠牲にするような国に未来はない」←心に残った一文。


    日本の科学技術に対する予算は目につきやすさで決められいる。目につきやすい研究は追随でしかないため、新たなものが生まれにくい。という内容には非常に納得した。

    この本を読んで、現在の日本の科学技術に対する軽視さに憤りを感じたが、逆に言えば、日本は科学技術が劣っていて熱量がない分、少しでも勉強すれば高みに昇ることができると感じた。また、❷より、今のうちに様々な本を読んで自己投資しておきたいと思った。今回得た情報を生かし、これからの研究室生活に生かしていきたいと思う。ぜひ理系の大学生には読んでほしいと思う一冊であった。

    「一日生きることは、一歩進むことでありたい」
    (湯川秀樹)

    読了日:2020/10/05

  • 感動に値する良本。
    ベースはビジネス書籍だけど、他の方のコメントにもあるように環境や教育問題にもデータードリブンで歴史や他国との比較をしつつ解説してくれる。

    我々ビジネスマンやビジネスウーマンは当然の事、
    子を持つ母親にも読んで貰いたいと思える一冊。

    私は妻にバトンを託しました。

    民意向上がキーワード。

  • 良本。
    オーディオブックでなく、読んで理解した方がよかった。

  • 『感想』
    〇難しい。現状と今後の解決策をたくさんのデータをもとに説明されている。

    〇個人的には3章【求められる人材とスキル】が印象に残った。

    〇納得できなかった部分は、理数系知識と英語力が足りないというところ、エリートではなく異人を作れと言うのなら、いろんな人がいた方がいいじゃんと感じた。もう一つ、近代の発明家などは20代30代で新しいものを生み出しているから現代の人も若いのがやるべきというところ、そもそも今とは精神的に大人になる時期も、生きる期間も全く違うのだから、同じ尺度で考えてはいけない。

    〇本当のトップに立つことはできなくても、社会に生きる以上、トップからつながるそこらかしこに必要なグループはたくさんある。下の組織が活躍するから上の組織も活躍できる。そこで自分のできることをしながら成長していきたいし、周りの成長にも関わっていきたい。「チャーム」や「気づき」は社会人になってからでも伸ばせる部分だ。

    『フレーズ』
    ・これからの未来のカギになるのは普通の人とは明らかに違う「異人」だ。当然「異人」は少ない。しかし、偉人が大切だと思う社会でなければ、こういう人の多くは異物として排除されるか、秩序を乱す人として潰されてしまう。だから価値観の変容と彼らが生き延びることのできる空間が必要なのだ。またこういう人たちを尊重する価値観の人がある程度以上いて、閾値を超えないと変化は起きない。(p.152)

    ・「起爆人種」、この起爆人種に感動し、インスピレーションを受け、一緒にこの動きに加わる「参画人種」。この動きを好ましく思っており、応援する気持ちはあるがどちらかと言えば見る側の「応援人種」。このような新しい動きには関心がない「無関心人種」。このような動きそのものが好ましくないと思っている「批判人種」だ。(p.153)

    ・人間社会で成功するかどうか、面白いことを仕掛けられるかどうかのかなりの部分は、運、根気、勘、そしてその人の魅力、すなわちチャームだ。(略)ではチャームはどこから来るかといえば、利発さ、知的な輝きも多少あるかもしれないが、大半のケースでは、
     ・明るさ、前向きさ
     ・心の強さ
     ・信じられる人であること、人を傷つけたり騙したりしないこと
     ・包容力、愛の深さ、心の優しさ
     ・その人らしさ、真正さ、独自性
     ・エネルギー、生命力(運気の強さ)
     ・リスクをとって前に進める提案力、実行・推進力
     ・建設的な発言
     ・協力し合う、助け合う人柄、耳を傾ける力
     ・ユーモア、茶目っ気
     ・素敵な裏表のない笑顔
    といったところではないだろうか。(p.157)

    ・知覚を広げる「経験」には、日常生活や仕事、学習などで新しいものを見聞きする「知的経験」、人との付き合いや関係、文脈特有のアナロジーなどから学ぶ「人的経験」、それらの知的、人的な経験の深さの上で、多面的、重層的にものを見て、関係性を整理する「思索」の3つがある。(p.181)

    ・「気づき」は自分の中にある何らかの知識や理解が、異なる何かとつながることだ。これは言ってみれば情報間の化学反応であり、知らなかったことを知ったというレベルの話ではない。(略)新たに自ら気付いたことはそう簡単には忘れない。つまりその人の成長力は気づく力に真に依存している。この積み重ねがその人の本当の力になる。「スポンジ力」より自分なりに引っかかる力だ。机上の理論、文章だけでなく、生の体験・苦労を通じ、自分なりの気づきを促し、この気付く力そのものを育成していくような人材に脱皮させていく必要がある。(p.200)

  • 未来は不確定ゆえ自ら創っていくものである。自分の感じた事、経験などに基づいて様々な領域と組み合わせながら自分のイメージした未来をデザインしていけるような人材が必要になる。そのために、これから自分の知覚をより豊かにするために色々な分野のことに触れたり、自分の街を見回したときにどのような課題がありどう解決すれば良いかという想像をしてみたり、AI化に備えて基礎的な理系科目の勉強をして、必要とされるであろう人材像となれるように頑張っていきたいと感じた。

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著者プロフィール

慶應義塾大学 環境情報学部教授。ヤフー株式会社 CSO(チーフストラテジーオフィサー)
データサイエンティスト協会理事・スキル定義委員長。東京大学大学院生物化学専攻にて修士課程終了後、マッキンゼー入社。4年半の勤務後、イェール大学脳神経科学プログラムに入学。2001年春、学位取得(Ph.D.)。ポスドクを経て2001年末マッキンゼー復帰に伴い帰国。マーケティング研究グループのアジア太平洋地域中心メンバーの一人として幅広い商品・事業開発、ブランド再生に関わる。2008年よりヤフー。2012年7月よりCSO(現兼務)。全社横断的な戦略課題の解決、事業開発に加え、途中データ及び研究開発部門も統括。2016年春より慶応義塾大学SFCにてデータドリブン時代の基礎教養について教える。2018年9月より現職。内閣府 総合科学技術イノベーション会議(CSTI)基本計画専門調査会 委員、官民研究開発投資拡大プログラム (PRISM) AI技術領域 運営委員、数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度検討会 副座長なども務める。著書に『イシューからはじめよ』(英治出版、2010)

「2020年 『シン・ニホン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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