息子のボーイフレンド

著者 :
  • U-NEXT
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感想 : 104
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784910207117

作品紹介・あらすじ

専業主婦の杉山莉緒(りお)(40)は、高校2年生の一人息子・聖将(きよまさ)からのカミングアウトをファミレスで聞き、衝撃を受けた。交際相手を自宅のランチに招いたところ、20歳で一流大学2年生の藤本雄(ゆう)哉(や)は非の打ち所がない好青年。母親を早くに亡くし、家事は勿論、祖母の介護までしている苦学生で、何より聖将に勝るとも劣らないイケメンだった。ひとまず二人の交際を認めた莉緒だったが、夫・稲男(いねお)(45)にはなかなか切り出せない……。聖将&雄哉、二人のひと夏の恋の行方やいかに? ほんのりあったかいホームコメディー!

感想・レビュー・書評

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  • 題名からずっと気になっていた本


    とても読みやすくて
    あっという間に読めました

    なんだか漫画を読んでるような感覚でした



    息子からゲイであることを
    カミングアウトされた母親目線から
    話はスタートします



    その後
    息子、母親の友達、父親、恋人と
    視点を変えて話は進んでいきます




    重くなりがちだけど
    ポップに描かれていて、
    でもきちんと本質を描かれてるなと感じました
    いろんな視点で描かれることで
    それぞれの立場の人の気持ちがわかります





    私は全然抵抗のないタイプだと思っていて
    もし息子がそうだったら
    受け入れてあげよう!と思ってましたが
    莉緒だって、そうだったんですよね。

    当事者になったら変わるかもしれない。



    でも
    ゲイであるだけで
    どれだけのことを諦めなきゃいけないのか
    たくさん我慢して、隠して、怯えて、、、
    徐々に理解しようという風潮に変わってきてるけど
    まだまだ偏見はあるし、
    当事者の辛さもこの本で少しわかった気がします




    なのでやっぱり親である私は
    もしカミングアウトされたら
    応援してあげたいと思いました!




    終盤のこの言葉が印象に残っています


    僕たちは日陰にいるんじゃない
    木陰にいるんだ



    そう思えるような存在でありたいです(^^)


    なんかラストはグッときました(^^)

  • LGBTQ、マイノリティがテーマのお話。

    タイトルの通り、息子の聖将から「同性が好き」とカミングアウトされた母、莉緒の動揺シーンから始まる。

    両親目線だけでなく章ごとに、様々な人の立場が切り替わり描かれていました。なので、本人、その家族、その家族と関わりのある近しい人たち…色んな視点から噛み砕けるような構成になってて、LGBTQに関して、マイノリティの人との関わりについて、より考えを広げられる本なのではないかと思います。

    「受け入れる」ことだけが正しい行為なのか?
    「多様性を理解するって大事よね」そう言えるのはやっぱりどこか「他人事」という感覚があるからなのか。

    ・少しづつ受け入れていく
    ・絶対的味方として全力で受け止める
    ・封印、そもそも無かったことにする
    ・今日のところは受け入れるが明日は分からない。

    LGBTQに限らず、
    自分と異なる価値観や考えに対峙した時、
    「理解しなきゃ」「多様性の時代、受け入れるべきだ」と結論を安易に選ぶのではなく、
    どういう姿勢でいるか選択肢はいくつかあって、
    選ぶ事ができるんだというスタンスでありたいなと思いました。

    とは言っても、
    この本は登場人物のキャラクターも個性的だったり、コミカルに描かれているところも多いため、重苦しい雰囲気にはならずに…というバランスが凄く気に入りました。

    __________________
    一瞬で、空気が凍った。
    凍らない、凍ります、凍る、凍れば、凍ろう
    ラ行五段活用。
    Freeze Froze Frozen
    The air was frozen by my boyfriend.
    あはは、こんな英語ってあんのかなー
    __________________
    なんか好きだなーと残ったセリフ笑
    彼氏との関係がバレそうになって焦っている聖将の脳内…いかにも受験生って感じで笑いました

  • なかなか面白かった一冊。
    近年、LGBTとか言われて、昔に比べ理解は深まっていると思うが、実際に家族がゲイやレズだと打ち明けられると、誰しも困惑するのは普通のことなんよね。。。
    他人事だから、擁護もできるし活動もできる。
    本人たちも、葛藤と迷いの中ですごく生きづらく日々を過ごしているということを知れた。
    雄哉がすごくいい子で、惚れてまうやろ〜と思ってしまった笑笑
    雄哉の人柄の良さが、きっとキヨの家族にも伝わったんだろうな〜♪
    最後はハッピーエンド〜♪

  • この登場人物たちのようなアウティングに気をつけましょう、と最後に付け加えてもいい気が…これほど簡単に他人に話すものだろうか。

  • 文体や流れはこの作家さんらしく軽妙だけれど、内容はしっかりと考えないと我がこととして捉えられない。総論と各論。自分と他人事。100:0の解決はどこにもないが、一旦受け入れるという受容性が大切な世の中になったと痛感しますw

  • ある主婦が息子からカミングアウトされ、ボーイフレンドを紹介される。自分も同世代の子供を持つだけに考えさせられました。読み終えたあとは意外にも清々しいような気持ちになれました。

  • ジェンダーについて、明るく軽やかな雰囲気で描かれていてとても読みやすかったです。
    人間らしい母親の人柄もとても好印象。
    自分の当たり前が普通ではないし、自分の身近な人が当事者であっても、日陰に追い込まないよう 受け入れたいな。

  • なかなかファンキーな登場人物たちのお陰でクスクス笑って楽しめるコメディでありつつも、カミングアウトした側された側の心情をリアルに描いている。
    誰ひとりお手本や正解のような行動は出来ていないかもしれない。でもそれも含めて「受け入れる」ってことなのかもしれないなって改めて思う。ただ愛し合ってるだけなのに、差別されたり蔑まれたりして、それを恐れて存在を消して生きるなんて、例えそれが多数派にとって都合が良くても正しい訳がない。この作品はフィクションだから、言ってしまえば所詮都合の良い話でファンタジー。それだけかもしれない。でもそんなお話をひとつふたつと現実にしていけたらいいなと思っている。

  • こんな上手くいかないんだろうなーと思いながら、どストレートの人間なので楽しく読ませていただきました。創作だからこそのハッピーエンド。こんなふうにみんなが多様性を受け入れてみんなが幸せになれればいいよねー

  • 何気なく選んでみて聞いたんだけど面白かったな。軽い感じの文体なのでアニメを見ているような感じで終わったかな。

    親ならカミングアウトも許して一緒に歩んでいきたいよなぁ。私は同性愛のひとには抵抗ないけどな。

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著者プロフィール

兵庫県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。ロヨラ・メリーマウント大学院で映画・TV製作の修士号を取得。2008年、短編「雪の花」で第3回「Yahoo!JAPAN文学賞」を受賞、翌年、同作を含む短編集『雪の花』で作家デビューを果たした。ダークミステリー『暗黒女子』は話題となり、映画化もされた。他の作品に『絶対正義』『サイレンス』『ジゼル』『眠れる美女』『婚活中毒』『灼熱』などがある。

「2021年 『息子のボーイフレンド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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