いつかたこぶねになる日: 漢詩の手帖

著者 :
  • 素粒社
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本棚登録 : 432
感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784910413006

感想・レビュー・書評

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  • 図書館本から購入本。漢詩のイメージが一変!著者が南仏滞在のせいか、とてもお洒落な印象に変わりました。また緻密に計算され尽くした言葉と、初めて経験するような表現で織りなされるエッセイが極上で、すごく刺激を受けました。出会えてよかった一冊。

  • 【推薦コメント】
    この本はエッセイで、どのエッセイも漢詩を軸に構成されています。漢詩をとても身近なものに感じられる本です。
    (工学域 4年)

    【所蔵館】
    総合図書館中百舌鳥

    大阪府立大学図書館OPACへ↓
    https://opac.osakafu-u.ac.jp/opac/opac_details/?reqCode=fromlist&lang=0&amode=11&bibid=2000951819

  • めもめも。
    ■げんしんのゆめ (夢微之)白居易
    ■まぼろしとむきあう (観幻)白居易

    すきな詩。

  • エッセイに、漢詩が挿入されています。そのエッセイの部分から、声に出してよみたい気分になります。

    素敵な本です。何回も声に出してよんでみたいです。

  • 作者は「李白は遊戯性に優れ、杜甫は批評性が強みだよ」「李白は雰囲気と音色が素晴らしい反面、題材の幅がせまくて、どの詩も同じ曲を聴いているような退屈さがあるの。杜甫は発想が自由で、語彙が多く表現に厚みがあるけど、テーマ主義の面がとっつきにくいかな。ともあれ、どちらも読んでみれば、すごく個性的な人たちだってわかるよ」といった感じで説明しているそうである。

    漢詩は漢字ばかり。日本語の詩や、英語がわかる人には英字の詩に親しむ人は多いだろうが、漢詩?というので敬遠されがちかと思われる。読めないし。
    僕も敬遠していた。関係ない世界だと思っていた。
    ここには31篇のエッセイがある。まず、作者の自然のことやら南フランスの話とかのエッセイがあって、それで連想した漢詩が紹介される。ページの上に読みやすくわかりやすい日本語の漢詩の訳文があり、その下に漢詩が並ぶ。その後、漢詩のそれぞれの語彙や内容についての解説があり、最後の締めの文章が載る。素晴らしい構成で、漢詩がこの本によって初めて僕の近くにわざわざ来てくれて、その素晴らしさを教えてくれたのだ。感謝しかない、この素晴らしい漢詩の入り口に来ることができて。

    「虹をたずねる舟」
    作者が高校生の時、北方領土からきた英語の教育実習生ユーリ先生と外でお弁当食べて話す。その後、一度も彼と会うことはない、当然のようだが、「生きていれば別れがあるし、もっとありのままにいえば、この世界ではうしなわれるものだけが目のまえにあらわれる」漢詩の紹介、解説、漢詩の作者の人生、そして感動。

    一編一編がこの調子の短い10ページほどの長さのものが、輝くように散りばめられている。
    この本を手にしたあなたは宝物を得ることになるだろう。かえすがえすも素晴らしい。

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著者プロフィール

1973年北海道生まれ。2013年「出アバラヤ記」で第2回摂津幸彦賞準賞、2017年句集『フラワーズ・カンフー』で第8回田中裕明賞を受賞。その他、著作に漢詩翻訳つきの随筆集『カモメの日の読書』『いつかたこぶねになる日』、ヴィオラ・ダ・ガンバ奏者・須藤岳史との共著『なしのたわむれ 古典と古楽をめぐる手紙』などがある。

「2022年 『花と夜盗』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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