- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784910962009
作品紹介・あらすじ
イスラエルによる不当な支配が半世紀以上も続く「パレスチナ」。そこに住む人々は日々、どんな思いで暮らしを続けているのか。思想家サイードが「これはまさしく、このうえなく独創的な、政治的かつ美的な作品」と絶賛したコミック・ジャーナリズムの金字塔が新たに30ページのカラー増補分を加えて、帰ってきた!! 著者ジョー・サッコが漫画を描くために取材した当時の日記やメモなどを紹介しながら、取材時の恐怖、喜び、焦り、絶望などを赤裸々に披露する。
感想・レビュー・書評
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漫画と思って軽い気持ちで読み始めたが、想像以上に濃密な内容で時間をかけながら読み進めた。著者がパレスチナに滞在したのは90年代初頭とのことだが、いまでも西岸地区やガザ地区では同じような(いや、それ以上に非人道的な)行為がまかり通っているのだと思う。自分もパレスチナを訪れたことがあるが、自分の目で見て、五感で感じることの大切さを感じた。西側メディアが決して報じない現実に、いま改めて光を当てる勇気を称えたい
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★絵と一人称の強さ★第一次インティファーダ末期の1991~92年に、パレスチナに2カ月滞在して描いた漫画。コミックジャーナリズムと呼ばれるそうだ。知識が足りないのと海外漫画のスタイルに慣れていないのとで、最初は読み進めるのに引っ掛かる。
絵の訴える力は強く、現地の人々がリアルに迫ってくる。著者本人が漫画に登場して、パレスチナに同情的でイスラエルに腹立ちながら、一方で劣悪な環境で過ごすことや、同じ話を現地で何度も聞かされる厭世観も匂わせて、微妙なバランスを示す。一人称で語る特異なジャーナリズムでもある。そして、今も状況は何も変わっていないことがつらい。
絵(特に表情の描き方)とコマ割りでは日本の漫画に一日の長があるように感じる。地の文字がばらばらと記されたり吹き出しの配置が変だったり、もったいない。 -
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2023.12.31