本土の人間は知らないが、沖縄の人はみんな知っていること: 沖縄・米軍基地観光ガイド

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  • 書籍情報社
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感想 : 45
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  • Amazon.co.jp ・本 (351ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784915999178

感想・レビュー・書評

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  • 沖縄の本屋で買った本であるが、最近読まないジャンルの本でここまで内容の濃かった本にあったのも久しぶりではないだろうか。沖縄にある米軍基地について写真と地図で解説しているだけでも観光ガイドとして読み応えがあるのだが、沖縄に何であんなに米軍基地が密集しているのか(戦争に負けたからという理由だけではない)を、明治維新からの日本の売国の歴史から紐解いてくれるコラムなど、沖縄について知りたいことがまとまっている本だった。

  • 沖縄の米軍基地の観光ガイド、という副題がついている。確かに本の章立ては基地ごとで、章はその観光ガイドから始められている。その点でも有用だと思うけれど、章ごとの間に挟まれた、米軍基地の背景説明がこの本を最も特徴づけているコンテンツだと思う。

    本を開いて一番最初の背景説明に当たったとき、薄々目を背けていたことに対さないといけないときの、面倒さというか心の重さが最初に感じたこと。ガイドの部分は読み飛ばして、そうした心の重さや知らないことの恥や怒りなどの感情とともに、背景説明だけを拾って読んだ。

    日本があたかも安全保障政策について自己決定できる主権国家であるかのようにふるまっている(でも実際はそうではない)今の状況を思い出させてくれる良書だと思う。

  • 日米同盟のあるべき姿を考える際に必読の書です。
    元外務官僚の天木直人氏が「日米同盟の偽善と矛盾を言い当てた最高の解説本」と評しています。
    沖縄に米軍が駐留するのを望んでいたのは誰なのか!?
    戦後日本の虚構に鋭く迫っています!!

  • 田中宇さんのサイトで知る。
    図書館で借りて読む。
    内容が濃すぎて読み切れなかった。この本は購入しなくちゃ!

  • 題名を見て本書を手に取ったが、少し違うと思う。「本土の人間は知らないが、沖縄の人はみんなしっていること」ではなく、「本土の人間は知らないが、沖縄の人間も知らないこと」ではないだろうか。それぐらい、よく調べてまとめられてある内容だった。さらに、本書度紹介されている44冊の参考文献はこれから読んでみたいと思わせるものばっかりだった。

  • 2011/07/28:沖縄の人でも若い人や基地周辺の人以外は基地問題の経緯などについては断片的にしか知らないかと思います。私自身も含めて。
    2011/07/29:沖縄本島に駐留している米軍基地や問題について全体的につかむことができ、とてもわかりやすかったです。

  • 来年は本土復帰40年。
    テレビマンらしく、ちょっと先の未来を見据えて読んでみた。
    リゾート行く前に基地見学、いや地図をもっと学べ。
    基地は誰の為のもの?傷のいえない沖縄に来年は
    少し向きあってみたい。
    この本沖縄ではランキング上位だとか…

  • 久々に沖縄を訪れるチャンスを得ました。偶然「平和記念公園」でこの本を手に取り購入。滞在中に読み終えました。いろんな疑問が氷解した気分を感じています。「基地、原発、自分には関係ないと思っていない」つもりですが、大きな仕組みの中にとらわれている私たち。本当に今のままでよいのでしょうか?もし現状を良しとしないのなら、感じましょう、知りましょう、行動しましょう。そんなことを教えてくれた本でした。

    末尾にこんな詩が紹介されています。、ドイツのルター派牧師であり反ナチス行動で知られるマルティン・ニーメラーによるものです。

    彼らが最初共産主義者を攻撃したとき、私は声をあげなかった、
    (ナチの連中が共産主義者を攻撃したとき、私は声をあげなかった、)
    私は共産主義者ではなかったから。

    社会民主主義者が牢獄に入れられたとき、私は声をあげなかった、
    私は社会民主主義ではなかったから。

    彼らが労働組合員たちを攻撃したとき、私は声をあげなかった、
    私は労働組合員ではなかったから。

    彼らがユダヤ人たちを連れて行ったとき、私は声をあげなかった、
    私はユダヤ人などではなかったから。

    そして、彼らが私を攻撃したとき、
    私のために声をあげる者は、誰一人残っていなかった。

    日本の今を知るために必読の書です。

  • つくづくこの国はアメリカの属州だと確認できる。それでいいのか悪いのかは別として。この国のあらゆる問題は沖縄に集約されてるのでは?

  • 在沖の米軍基地へのアクセス等のガイドから、沖縄がこれだけの基地を抱える事となった経緯、その背景にある歪んだ日米関係を明らかにする。そこから進むべき未来へ―。知っているはずの「沖縄の人」も必読の書!

    沖縄が背負ってきた現実。知っている部分もあったけど、やはり知らない事も多い。「天皇メッセージ」は衝撃を受けた。
    これだけが真実じゃない気もするけど、核心を突いている部分も多々ある。
    「親米・反基地」へ。難しいことだけど、やろうとしないなら「いい未来」はない。
    この島が好きなら、もっと勉強が必要だ。

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著者プロフィール

(やべ こうじ)1960年兵庫県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。株式会社博報堂マーケティング部を経て、1987年より書籍情報社代表。著書に『知ってはいけない――隠された日本支配の構造』(講談社現代新書)、『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』『日本はなぜ、「戦争ができる国」になったのか』(以上、集英社インターナショナル)、『本土の人間は知らないが、沖縄の人はみんな知っていること――沖縄・米軍基地観光ガイド』(書籍情報社)、共著書に『本当は憲法より大切な「日米地位協定入門」』(創元社)。企画編集に「〈知の再発見〉双書」シリーズ、J・M・ロバーツ著「図説 世界の歴史」(全10巻)、「〈戦後再発見〉双書」シリーズ(以上、創元社)がある。

「2019年 『日本はなぜ、「戦争ができる国」になったのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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