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- Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
- / ISBN・EAN: 9784938661724
作品紹介・あらすじ
フェーヴル、ブローデル、バルト、ル・ロワ・ラデュリ、コルバンに至るフランス歴史・思想・文学の通奏底音…。「アナール」の生みの母19世紀の大歴史家、ミシュレの歴史観の全貌。
感想・レビュー・書評
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ミシュレの歴史学に対する姿勢や思想を、その著作からわかりやすく追ってまとめられた本。
革命について。ミシュレの奉ずる自由について。それら全てが「民衆」とは無縁ではあり得ない。
確かにここが「アナール派」が生まれいずる土壌なんだな…というのは、なんとなく実感。
とにかくひたすらに高潔(すぎるきらいはある気がする・・・)
そして、時たま距離が足りない部分を感じはするが、その辺の疑問は付篇を読んで納得した。自分が体感している時間を冷静に眺めるのは、ある部分においては無理であろうというのは、どの時代にも共通して言えることだろうし、当然後の時代に生きている人間がみれば、そこは引っかかりはするよね。
過去の歴史的著作を眺めうるのに、その落とし穴に落ちないようにすることは重要なんじゃないかとは。
フェーヴルによる付篇のほんの一部分ながら、ミシュレ含むブリュメールのクーデター周辺に生まれた世代に関しての考察が、個人的にはよい参考。
あの辺りを読んでパッと浮かんだのが、実はスタンダールの物語の主人公たちだったりする。
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