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- / ISBN・EAN: 4959241980021
感想・レビュー・書評
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夏休みに子供と観たいアニメといえばこれ。
宮崎駿の不朽の名作『となりのトトロ』(1988年)、スタジオジブリ名義の作品としては『天空の城ラピュタ』に続く2作目の作品です。とある田舎の村を舞台に、都会から引っ越してきた姉妹・サツキとメイが遭遇した、ある夏のふしぎな出来事をえがいた物語です。時代は高度経済成長期前夜(昭和30年前後)、場所は東京近郊の農村(埼玉県所沢という説も)といったところでしょうか。もっとも、普遍的なおとぎ話として物語を楽しむためには、舞台を特定しないほうがいいのかもしれません。
宮崎アニメの中でも『トトロ』は特に対象年齢が低く設定されている作品です。『風の谷のナウシカ』に見られるような痛烈な文明批判は『トトロ』では控えられており、かわって、日本古来の自然信仰、神道的世界観に基づく素朴なアニミズムが、物語の基調となっています。仄暗い静かな森、苔むした木の根、しじみ蝶にカタツムリ、お地蔵さまにお稲荷さん、季節とともに変化する田園風景…。いつかどこかで見たような、日本人のDNAに刻まれていそうな美しい風景が、私達の目を楽しませてくれます。宮崎アニメの中で、私は『トトロ』が一番凄い作品だと思います。悪者を作らず、戦闘シーンもなく、登場人物を殺したりもせずに、子供も大人も楽しめる長編アニメが作れるということ。『トトロ』はその証明だと思うのです。
ただし、まったく毒がないかにみえるこの作品にも、よく考えるとやはり影はあることに気づきます。例えば、物語の中盤、塚森の大きなクスノキを前にしたお父さんの科白です。「昔々は木と人は仲良しだったんだよ」。何気ない科白ですが時制に注目してください。過去形が使われています。『トトロ』の世界で、この時点で、木と人が仲良しだったのは過去の話だと、サツキとメイの父親が明言しているのです。そういう目で作品を観てみると、ほかにも色々気になってきます。冒頭でサツキとメイがはしゃいでいたのは、元気いっぱいだからというだけじゃなく、彼女らにとっても豊かな自然は珍しいものだったからじゃないか、とか。井戸の使い方はおばあちゃんに教えてもらっていたサツキが、電話の扱いは手慣れた様子だったこととか。お父さんの大学の研究室が一瞬出てくる以外には、村の外の世界は一度も画面に出てこないこととか…。
もしかすると、トトロの存在とは無関係に、あの美しい農村はそれ自体がすでにファンタジーだったのかもしれません。そう思うと少し切なくなると同時に、「宮崎監督恐るべし」と襟を正す思いにかられる、2014年の夏です。 -
全部全部が愛おしすぎる!
サツキとメイちゃんを見てると、姉妹っていいなぁ~って
いつも口元がゆるんじゃうぐらいかわいい♡
カンタのおばあちゃんの「メイちゃぁぁああん」って呼び方もかわいすぎる!
こんなにも何気ないことが特別でキラキラしていたコドモの時間。
毎回いつまでも忘れないで、と一番大切な宝物を受け取るような
そんなキモチになります。
トトロと一緒に芽が出るように「エイッ」ってするシーンが
特に特に大好きっ。何度ワタシもこんなシーンを願っただろう!
ジャックと豆の木みたいにそれを登って空まで登りたかったなぁ。
かけがえのない、普通の日常がどんな大切で愛おしいか
忘れたらいけない一番大切なものをいつもトトロは教えてくれます[*Ü*] -
夏休みを利用してTV放送をやっていたので、DVDでも見た。
何回見ても、ほのぼのとした田舎?の情景が綺麗だなあ。と感じる。
都会暮らしの私は、一度あのような森へ行ってみたい。
でも、森林破壊などが進んでいるからあのような【トトロ】の森を守る為にできることはしていけたら、いいと色々感じられる映画だった。 -
娘(5歳)をジブリ作品にデビューさせよう!と借りた1作。
ジブリ好きにさせて…三鷹のジブリの森へ一緒に行きたいがための伏線、第一弾。
実は、最初から最後までちゃんと観たのは今回が初めて。相方には「え?信じられない。私なんか10回は観てるし!」と驚かれてしまった(苦笑)。
うん、面白かった。宮崎さん独特の“間”と世界観が心地よい。
確かに、何度も繰り返して観るという人たち(子供だけでなく大人女子も)が多いのにも納得。
娘も気に入ったようで、良かった。
でも、まあ個人的には、「うん、面白かったね。」程度だけど…。
★3つ、7ポイント半。
2013.06.02.観。
ということで、次回は、上記伏線第2段で「天空の城ラピュタ」の予定。
しかし・・・・
「ラピュタ」こそ自分は、宮崎作品の最高傑作だと思ってるんだけれど・・・逆に、相方は「いや、知ってるけど、観たことない」とか(笑)。
いろいろ、趣味の合わない夫婦みたい・・・。 -
古き良き、昭和の日本のアーカイブ。
ここまでほとんどの国民が観ていれば、
日本人にとっての理想の里山、理想の家族、理想のコミュニティーの形を定義してしまった。と、いうほどの作品。
この作品がある限り、日本人は日本人でいられるし、
100年後も是非観られていて欲しい作品。 -
小学3年生のサツキと5歳になるメイは、お父さんと一緒に都会から田舎の一軒屋にと引っ越してきた。
それは退院が近い入院中のお母さんを、空気のきれいな家で迎えるためだった。
近くの農家の少年カンタに「オバケ屋敷!」と脅かされたが、事実、その家で最初に二人を迎えたのは、“ススワタリ”というオバケだった。
ある日、メイは庭で2匹の不思議な生き物に出会った。
それはトトロというオバケで、メイが後をつけると森の奥では、さらに大きなトトロが眠っていた。
そして、メイは大喜びで、サツキとお父さんにトトロと会ったことを話して聞かせるのだった。
一家が新しい家に馴染んだころ、サツキもトトロに遭遇した。
雨の日の夕方、サツキが傘を持ってバス亭までお父さんを迎えに行くと、いつの間にか隣でトトロもバスを待っていた。
しばらくするとオバケたちを乗せて飛び回る大きな猫バスがやって来て、トトロはそれに乗って去って行った。
サツキとメイはトトロにもらったドングリの美を庭に蒔いた。その実はなかなか芽を出さなかったが、ある風の強い晩にトトロたちがやって来て一瞬のうちに大木に成長させてしまった。
お母さんの退院が少し延びて、お父さんが仕事、サツキが学校に出かけた日、メイは淋しくなって一人で山の向こうの病院を訪ねようとするが、途中で道に迷ってしまった。
サツキは村の人たちとメイを探すが見つからないので、お父さんに病院に行ってもらい、トトロにも助けを求めた。
トトロはすぐに猫バスを呼び、不思議な力でたちどころにメイのいる場所へ連れていってくれた。
そして、さらに猫バスは二人を、山の向こうの病院までひとっ飛びで運んでくれた。窓から病室をのぞくと明るく笑うお父さんとお母さんの顔があった。二人はお土産のとうもろこしを窓際に置き、一足先に家に帰るのだった。
瑞々しい野菜や水、素朴だが優しい多摩の人たち、日常の中にあるワクワクさせるもの、なんといっても森の精トトロとサツキやメイが繰り広げる不思議な冒険(トトロとサツキやメイが力を込め植物を大きくしたり、ネコバスに乗って疾走したり)、見ると童心に帰ってワクワクさせる傑作ファンタジーアニメ映画です。 -
子供の頃、ビデオがザラザラになるほど繰り返し観た。
トトロのどこが好きだったのか思い出せない。ただかわいいからなどという感覚ではなかった気がする。
歌を聴くと悲しくなる。子供の時にだけ訪れる不思議な出会い。なんと、もうチャンスがないではないか。
経験とは残酷だ。知識が増えるほどに、「あの道を抜けたら、もしかして」という夢物語、スリリングな体験を素直に信じることができなくなってしまう。 -
子どものころ、近所の年下の子がうちに来るたびにととろを見たいとせがんまれて、毎回みていたので、もはや何度見たことかわかりません。
「またなの?」みたいなうんざりした思い出もありますが、ととろは悪くない笑
うんざりするくらい見ても、素敵な作品だと当然思エルくらい素晴らしい作品です。
ネコバスに乗るのは、こどものころの夢でした。
ほうきで空を飛ぶのと同じくらい、夢でした。 -
大人になってから見ると、何でもないようなシーンでうるっときそうになる。メイちゃんのかわいさとか、姉妹仲の良い様子とか…
見たあとは幸せな気持ちになる。感想を書かなくても、この気持ちがすべてだと思えるような… -
当時は、小学生なのにお弁当作っていてすごいな、なんて思っていたけど、今見るとなかなか大胆なお弁当。
何度見たか知れないけど、何度見ても、セリフ全部言えても、飽きるなんてありえない。
素敵なレビューで花丸一つだけと言わずたくさん差し上げたい気分です(笑)
私も以前はナウシカなどの作品が好きでしたが...
素敵なレビューで花丸一つだけと言わずたくさん差し上げたい気分です(笑)
私も以前はナウシカなどの作品が好きでしたが、今は圧倒的にトトロですね~。
キャラクターの可愛さもさることながら、あの郷愁感は他では味わえません。
私の4歳の息子もトトロが大好きで、台詞を覚えるほどのヘビーリピートです(笑)
ポニョなども子供向けかなと思うのですがピンとこないみたいですね。
でも私の子供時代はまだトトロに表現される原風景がどこかしらに残っていた気がするんですよね。
だから懐かしいと感じる。
果たして息子の世代はトトロを見て何を感じるのだろうかと思います。
古き良き時代を知る上でも貴重な作品ですね。
私の息子も4歳でトトロが大好きです。
ヘビーリピート...
私の息子も4歳でトトロが大好きです。
ヘビーリピートさせられるところも同じ。
トトロが好きならと思って他の作品を見せてもあまり喰いつかないところも同じ(笑)
仰るとおり、地域によって差はあると思いますが、
私の子供時代(昭和後期)には、まだそこここにトトロ的風景が残っていました。
私の住んでいたのは町工場が近接する住宅街で、決して自然豊かな土地ではなかったけど、
それでも田畑がいたる所にありました。
春は紫色のれんげ草、夏は水田の緑、秋は稲穂の黄金色、冬は白い雪景色…という具合に、
季節の変化を日常生活の範囲内で感じとることができました。
今はそういう風景は、日常を離れて意識的に見に行くようにしないと出会えなくなっています。
仕方のないこととはいえ、ちょっと淋しいですね。