ジョゼと虎と魚たち(通常版) [DVD]

監督 : 犬童一心 
出演 : 妻夫木聡  池脇千鶴  上野樹里  新井浩文  新屋英子 
  • アスミック・エース
3.80
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  • (14)
本棚登録 : 3312
感想 : 678
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988126202187

感想・レビュー・書評

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  • 最後に虎と魚たちを無理くり突っ込み、無理くり結末へ向かう。こうゆうゆるいリアルを装う恋愛映画のイメージは、共感し、変な価値観を創造する。こんな奴おらへんで。くるりのチョイスはピッタリ。麻雀の設定も良い。だが、これを恋愛映画として評価すると☆2つ。映画好きを豪語する女性が好みそうな映画だ。作中名言「帰れと言って帰るような奴はさっさと帰れ」

  • 池脇千鶴の大阪弁がめっちゃ良かった。低くゆったりした喋り方が、なんだか心地良い。あのばーちゃんの雰囲気も独特で凄みがあります。原作はもっと暗いイメージがあったけど、ちょっとお茶目な具合になってる。妻夫木君の揺れる気持ちや若さがよく表現されていて、共感しつつも切ない映画。
    カメラワークが等身大で粗く撮っているところとか、色んな要素を組み合わせているところもおもろい。

  • かなり文学的な映画であったのは間違いない。特にラストシーンなんかそれを感じさせる。あの中途半端な、それでいて、一番ありそうなラストは割と現代のポップ文学(長嶋、柴崎、中村、綿谷あたり)のラストなんかに見られそうなものである。おまけに、くるりのあのテーマ曲もそう、文学好きな女性なんかに好かれそうなテイストである。全体的に少しおしゃれであるし(タイトルも含めて)、まあ、女性受けする映画かなと思った。特に、ありきたりな感動物が苦手という女性なんかには好評だろう。ただ、もっと普遍的な文学観が好きだという人からは一抹の物足りなさを訴えられそうだけれど。ただ、この映画を観て妻夫木が人気の理由は理解できた。あれだけさわやかな笑顔ができるならば、それは人気が出る。演技とはいえ、いい笑顔するよな、というか、素なんだろうけれどね。ただ、良くも悪くも女性受けする映画だよなというのは否めない。あの、祖母と、乳母車の組み合わせだとか、その乳母車のデザインだとか、本当に狙いすぎだろうとすら思われる。なんだかなとすら思う。後、気になったのは上野樹里。彼女当時十代のはずなんだけれど、今よりもむしろ色っぽい。最近の自分の印象ではのだめが強く結びつきすぎて、どうにも彼女が幼く見えるというのもあるが、それ除いても、このときの方がなんだか色っぽい。たぶん肉付きとかがこの頃がすごいよかったのかもしれない、今はやせて少し細いイメージだし。で、この映画やたらと女性の裸が多かったんだが、それはどうしたことなのか?なんか安っぽいアダルト映画的な雰囲気もときおり発していてそれがかなり危うかったかな。後、なんか総じて小ぶりな胸が多かったような?まあ、いいのだけれど、あれだけ裸晒しまくって上野樹里だけヌードがなかったのはやっぱり事務所的な問題なのかな?まあ、彼女当時十代だろうしね。とりあえず、一番印象的だったのは、終盤で主演の二人が泊まっていた「お魚の館」とかいうラブホテル。きっと、この映画の後はしばらく客が増えたんだろうなと思って少し複雑な気分になった。

  • くるりが音楽担当だし、妻夫木くんがいいし、いいです。

  • キャラクターが生々しい。大学生の性に対する観念はたぶん等身大。そんで、恒夫みたいなのはじっさい女のコにもてるし、あたしの周りにも心当たりはある。
    というか最近気づいた、世の中男と女とセックス以外になんかねえのか。どんなに純愛ぶってもたとえ純愛だったとしても帰結するところが同じで、だからあたしはそろそろ嫌気がさしてきている。現実も映画の中もたいしてかわらん。

    「やべ、おれなんかいま泣きそうだ」
    「なんかしゃべって」「ごめん、そんな余裕ない」

    「なんかしゃべって」って言いたくなるよね。まあそれで滔々と話されても困るんだけど。

    映像がきれい。最近原色の映画(園子温とか)ばっかみてたから、おいしそうな朝ご飯とかだしまきたまごとか、冬の海とか、あああたしのほしいものだなって思えた。目に優しいいろいろ。
    上野樹里ちょっと顔でかくない?でもいやな女の役おもってたより違和感なかった。
    ジョゼは声がかわいいんよなあ。声のかわいいおんなのこはずるいなあ。声の可愛さと言ってることの可愛さと方言でもうたまらんわ。

    限りなく★5に近い4なのでした。みんな好きそうだから敬遠してたんだけどやっぱりよかったんだけど、でも完全にはまってるわけではないなあ。するめ映画なのやもしれん。
    せりふ回しがふたりとも自然なんだよなあ。

  •  この映画を最後まで見終えて、くるりの「ハイウェイ」が流れると、何とも言えない切ない気持ちになる。
     登場人物が人間臭い。恒夫のようなフットワークが軽くて、軽薄な優しさをもった人はいる。フットワークが軽いから、ジョゼの世界の中にも入りこめたのかなって思う。
     好きなんだけど、ずっと一緒にはいられない。最初見たときは高校生で恒夫が本気でジョゼを愛していると思っていなかったけれど、今は結婚とか、そういう現実的な問題と恋とが違ったものだってわかってしまった。
     ある瞬間から愛した人が、ぜんぜん違う人に見えるっていう残酷なことが恋には起こりうるから、こういう切ない気持ちは映画の中だけでいいなって思う。

  • とにかくあの年頃の性に対しての正直さというか、悪く言うとだらしなさが妙にリアル。ぶっきーがタラシだし、キスシーンはやたら濃厚だし、おいおいと思っているうちに池脇千鶴は堂々のトップレスになってしまう。
    思わずキャー!って赤くなってしまうけれど、それだけリアルなぶん、ジョゼと初めてするシーンはとてもピュアで綺麗な印象が持てたのかもしれない。
    初々しい上野樹里のヤーな女の役が好き。

  • つねおくんもてるよね。。ああいう男の子もてるよね。。
    何度見てもラストのつねおくんにグッとくる。
    恋愛の1ページというか、生きてればいくつか恋愛するうちの数ある恋愛の一つ、という感じの映画。

  • 初めて観たのは中学生のころでした。そのときの感想は、恒夫はなんてひどい男だ!でした。
    でも自分も恒夫と同じ年頃になってもう一度観ると、わかってしまうようになってました。恒夫の気持ちが。

    恒夫が弱いんじゃなくて、普通の大学生なんてあんなもんだと思う。
    ジョゼを好きになって、最初の頃は周りの視線なんて何も気にならない。
    だけどふとした瞬間に我に帰って冷めていってしまう…
    ジョゼのほうはきっと、最初から恒夫との関係がいつか終わるとわかってたんだろうなぁと思います。
    最後のジョゼの凛とした後ろ姿と、泣き崩れる恒夫。
    対照的なふたりの姿に、よくできてるなぁと思いました。

  • ふとしたキッカケで恋に落ちたごく普通の大学生と不思議な雰囲気を持つ脚の不自由な少女、そんな2人の恋の行方を大阪を舞台にキメ細やかな心理描写と美しい映像で綴る。
    切なかった。二人の恋愛も、周りの認識の仕方も。恒夫とジョゼは普通の恋愛をしていても、周囲の目は福祉に熱心だとかボランティア精神に溢れてるだとか言う。お互い気になり始めて、好きだという感情が生まれて、その感情に突っ走っているときは何も気にならなかったことも、小さいことやどうでもいいことが結局ネックになって急速に冷めていく。すごく分かる。でもジョゼは最初から、恒夫とはずっと一緒にいれないことも、その関係に終わりが来ることも、悟っていたというか覚悟して暮らしていたような気がした。とにかくふとした瞬間が切ない映画だった。セリフの言い回しとか、表情とか。細かい描写がとにかく切ない。思い出を切り取った写真の色あせ具合がよかった。あと等身大を演じきった妻夫木と池脇千鶴も。妻夫木は本当にああいうチャラい人のように見えて仕方なかった。上野樹里は嫌な女がピッタリだった。そして音楽秀逸。さすがくるり。

    ラストの恒夫が泣き崩れるシーン、素晴らしかった。直前の佳苗が話しているシーンで手前の道路の車の騒音で全然聞こえないのも、上の空なのを表していてよかったなあと思う。ジョゼを本当に好きだったことも、そんなジョゼから逃げ出したことも、好きなのに一緒にいられないことも、結局怯んで逃げ出した自分のふがいなさも含めた涙だったんだと思った。

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著者プロフィール

1960年、東京生まれ。映画監督、CMディレクター、脚本家。監督作品に「ジョゼと虎と魚たち」「メゾン・ド・ヒミコ」「黄色い涙」「眉山」「のぼうの城」など。脚本作品に「大阪物語」「黄泉がえり」など。

「2016年 『我が名は、カモン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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