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- / ISBN・EAN: 4582194840601
感想・レビュー・書評
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怖かった。人を消していくたびに少しずつ主人公のアヴナーの顔がやつれ表情がなくなっていくとことか。でも人としての心は失わない。だから苦しむ。
スピルバーグがユダヤ人であるということを考えると、この映画がいっそう意味のある作品に思えてくる。生まれた時から他民族を恨むように運命づけられてるなんておかしいと。国を持たないということがどういうことなのかわたしには想像しづらいけど、自分の生まれたところが故郷で、愛する人のいるところが帰るべき場所なんだということが言いたかったんじゃないかと思う。そういうことからも料理とか食事とかセックスのシーンは意味を持つんじゃないのかな。
女性を殺したあとのとくに苦しい描写も、女性というものはは殺すものではなくて愛するものだという、裸のままか服を着せるかという小さなこだわりが象徴しているのかも。
こういう映画を作ってもなお第一線で活躍できるって、やっぱりなんだかんだ言ってもアメリカって自由で寛容な国なんだな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ミュンヘンオリンピックでのイスラエル選手団人質殺害事件に対する報復として関わりのあるパレスチナ人などを暗殺していくモサドのチーム。
主人公らの自らした行いがやがて心の内に疑心を生み、自らを苛んでゆく。
イスラエルという国、パレスチナ問題を考える上で示唆に富む作品。 -
歴史の予習なしに観たので、ストーリーを追うのがキツかった。
ユダヤ人寄りの描き方でないのを個人的には最も評価するが、やはりユダヤ人社会からは物議を醸したようで、巷で注目されないのもそういう経緯があるのかな。
予習をした上で何度も観直せば緻密に作られた良作であることも実感出来る気がするが、残念ながら今の私にはそれだけの余裕がない。 -
秀作。
観るのが辛い。ユダヤ人は悲しい民族。
ゴッドファーザーを思い出す妙な信頼関係と裏切り。
ラストシーンに、ニューヨークのツインタワーが見えるのが暗示しているようで。 -
長編映画だったけど、あっという間に終わっちゃっておもしろかったです。
「軽くフィクション」じゃなく、事実をもとにした映画ってことでドラマチックな展開はそう期待していなかったんだけど、「事実は小説よりも奇なり」とはよく言ったもんだね、いい映画に仕上がってると思いました。
同時に、自分たち日本人は恵まれてるし平和だな、と。
生まれた時代や生まれた場所、肌の色がたまたま違っただけで、こんなにも差が出てしまうのっておかしいけどこれが世界の真実で、勝ち組の人たちが自分たちの権利を軽々と手放すことはないってことを考えるとこの差はこの先消すことができないのかもしれない。
そんな中で、自分はそういう民族紛争と無縁でも生きていける国に生まれ育って、今までリアルにそういうことを考えたことってなかったけど、多分これ書いてる今も「祖国のために」ってやってる奴らもいるんだよなって思う。
トリノオリンピックとは別のとこで「それどころじゃねぇ」って必死で。
そーいうことを少し考えてみてもいいかなって思いました。
奇しくも今年はミュンヘンオリンピックの行われたドイツでW杯がある。
優勝がどこの国になるか予想するのも楽しいし、たくさんのスーパープレーが拝めるのも楽しみにしてっけど、いろんな国を知るいい機会だなとも思うんでちっちゃくて弱い国にも興味持ってみようと思います。
サッカーやってなかったら俺こんなに世界中の国のこと知るようになれなかったしね。 -
スピルバーグ作品を連チャンで。ユダヤ人であるスピルバーグが映画化したことに意味がある。負の連鎖の何と恐ろしいことか。
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ミュンヘン五輪で選手殺害テロの実行犯へ報復するモサド暗殺チームの実話を描く。
モサドとつながりのない人に行わせる為に、全然スパイでない人達が急ごしらえでチームとなる。半分素人による報復テロは一歩間違えばコメディになりそうなくらい奇っ怪な話だ。ボンドになる前のダニエル・クレイグが出てたのは笑った。
なかなか重くていい映画なんだけど、この内容で2時間半越えはいくらなんでも長過ぎる。