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感想・レビュー・書評
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昨日、軽巡洋艦「矢矧」に測的長として乗艦、戦後霞ヶ関ビルやオランダ村の設計に携わった建築家、池田武邦先生が終の住処として建て、住んでいた大村湾片上湾の邦久庵を訪問する機会に恵まれましたが、まさにこの大東亜戦争を生き抜いて戦後日本の復興に尽力されてこられた方々の言葉には、今の日本人が忘れてしまった物事の本質があると感じます。
p411
人間の持って生まれた先天的性能というものは、何万分の一と言われるような天才や奇人は別として、私たちのような普通の人間は、ほとんど同じだと私は考えている。しかし、人間の後天的な性能というものは、その人の環境や職業、生命の危険に遭遇する危険率、その他いろいろ自己にかかってくる外力と闘う必要にせまられた場合には、自分では考えてもいなかったような力が出るものである。その力も、日頃から考えて、その必要に応ずるための訓練を、たゆまず行った場合には、さらにその力を向上させることができるものである。
…
私は思う。普通の人間といわれる大部分の人たちが、果たして生まれてから自然人死んでゆくまでの長い期間に、自分が持って生まれた人間としての性能の何パーセントを使って、この世から去って行っているだろうか…と。私は、平均三十パーセントくらいだと考えている。あとの七十パーセントは捨てているのである。
私は、戦闘機乗りとして、喰うか喰われるかの空中戦を経験した結果であるが、そのようなことでは生命力がもったいないと思う。さいわい、あのすさまじい戦争を生き抜き、勝ち抜いた私は、これから後といえども、この心構えを持ち続け、自分の力の最大限を燃やし続けていきたいと思う。また、そうすることをみなさんにもおすすめする。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
血湧き肉躍り、ワクワクしながら読んだ。
戦争の悲壮間とか、敵への怒りとかはあまり描かれていない。
敵と戦うことよりも第二の天性を作るまでの悩み、怠けようとする心、妥協しようとする心、羨む心などの煩悩との戦いの方がずっと苦しいことを知った、とあとがきにある。
第二次大戦の死線をくぐり抜けた筆者がたどり着いた、真髄と言えると思う。 -
亡くなった親父の本棚にあった。
後年、立派な装丁の愛蔵版を買ったけど、読むのは何故かいつもこの本。 -
古書を購入。
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迎撃王の異名を持つ坂井三郎氏の回想録。
戦闘機乗りがどれだけ危険と隣り合わせで、また当時の憧れの職業だったのかがよくわかる本でした。 -
人命の無駄遣いだ。
それでは戦争にならないというのならば、あまりの資源の無駄遣い。
MOTTAINAIといいたくなってしまう。 -
零戦のエースパイロットであった坂井三郎氏の自伝で、海外でもベストセラーとなったとのこと。
平成14年の司法書士試験が終わった夏に読んだ本です。
まさに不撓不屈。
どんな困難な状況にあっても決して諦めない。
そんな生き様を尊敬します。
侍の姿を見ました。 -
太平洋戦争で日本海軍の戦闘機「ゼロ戦」のエースパイロット。撃墜王だった坂井三郎さん。敵機を撃墜するための沢山の努力。中でも、敵よりもこちらが先に発見して有利に戦うための視力の鍛錬のお話はとても参考になりました。また、何十機対何十機の戦いなので、同僚や部下との連携がとても大切になります。部下を死なさないためにどうするか。部下に信頼され、慕われるためにどうするかなど。負ける=死という過酷な戦闘機パイロットの宿命を背負った坂井さんの真剣な生き方を読んで、私の考え方も大きく変わりました。