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- / ISBN・EAN: 4560285900076
感想・レビュー・書評
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「嵐が丘」って,よく嵐が吹き荒れるんですね。
1週間経った今,あまり内容を覚えていない…。
《NHKプレミアムシネマ》の解説を転載
ローレンス・オリビエ、マール・オベロン共演。エミリー・ブロンテの不朽の名作を名匠ウィリアム・ワイラー監督が映画化。運命に翻弄される男女の愛憎を描く文芸大作。
イングランド北部の荒野に立つ屋敷“嵐が丘”に、養子として引き取られた孤児ヒー
スクリフは、屋敷の娘キャシーと恋に落ちる。しかし、キャシーが大金持ちのエドガーから求婚され、ショックを受けたヒースクリフは姿を消してしまう…。アカデミー撮影賞受賞。 -
ビビアン・リーの夫がローレンス・オリビエと知って見てみた。
見終わった後味はよくない。登場人物がみな不幸になっている。エドガーの妹イザベラがとてもかわいそう。かわいそうという言葉は適切ではないかもしれないが、イザベラと結婚したヒースクリフってどうなのよ。兄のエドガーは自分に想いの無い結婚相手のキャシーはすぐ死んでしまうからいいものの、イザベラは自分に想いのない男と暗い家でずっと暮らしているのだ・・ これは・・ しかしそれでも好きなんだろうな、ヒースクリフを。
キャシーとヒースクリフ、ある愛の形ではあるのだろうけど・・ 不幸を呼ぶ男ヒース・クリフ、いや不幸を呼んだのはキャシーか、いやヒンドリーか、父か? これは原作を読んでみないとエミリー・ブロンテの意図は分からないな。
あまりにも有名な原作、荒涼としたヒースの丘に住んだ有名な姉妹たち。これがまず頭にある。なにか救われない。自分の理解範囲を越えた愛の世界でした。
原作を検索してみると、映画よりさらになんというか、ぐちゃぐちゃした復讐譚だった。う~ん、エミリー・ブロンテの精神世界を覗いてみたい。
1939アメリカ
2022.4.14BSプレミアム -
原作は大昔に読んだものの殆ど記憶なし。むしろケイト・ブッシュの「嵐が丘」のほうが思い入れあり。
それはともかく、このドロドロはどうだ。ヒースクリフ自分を裏切ったキャシーに復讐するために戻ってくるが、彼の心にあるのがキャシーへの愛なのか復讐なのか。それが彼自身を苦しめるし、キャシーをも苦しめる。ヒースクリフの妻となるイザベラの愛も重すぎる。
そんなドロドロの愛憎劇がムーア(湿地)という幻想的な舞台で展開され、彼らの魂が荒れ地を彷徨うという、これまた幻想的な結末へと導かれていきます。
作者が29歳のときに執筆した生涯唯一の小説だという事実もまた、この作品の神秘性を際立たせていますね。
と、映画自体の感想になってませんが、どれだけ原作の世界観が強烈なんだという…。
BSプレミアム「プレミアム・シネマ」にて。
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有名だけど今までまったく触れてこなかった作品。『嵐が丘』と聞くと、どうしてもケイトブッシュの歌声が脳内再生されてしまう。初映画化がこの1939年のウィリアムワイラー版だったらしいのだが、めっっっちゃ面白くて驚いた。もちろん、原作の分量はそこそこ多いのに映画は1時間45分と短いし、映画では描けない内容など、かなり端折られているはずで、これだけを観て「嵐が丘はだいたいわかった」とは言えないけれど、面白かった。
復讐、簒奪……イギリスの有名劇作家の系譜。ヒースクリフのみが主人公ではなく、キャシーも主人公、エミリーブロンテなので女性の話でもある。嫉妬、羨望、憎悪、後悔……この「女性が愛と富(地位・階級)の間でゆれる」という話は、現代においても充分通じるのではないだろうか。
幼い頃、ペニストン岩で王子と女王ごっこをするふたり。空想と現実の話は『ネバーエンディングストーリー』と、たまたま今読んでいる『漂流教室』を連想してしまった笑。
しかし、ぶっちぎりで100点!という作品でもなかった。
・ローレンスオリヴィエ演じるヒースクリフの、とあるシーンの顔からは、外見ではなく内面の恐ろしさを感じて、「ピカレスクもの!?」と思ったが、その後の展開はそこまででもなかった。あとで調べたら原作はかなりひどいことをするらしい。
当時は描けなかった内容だとは思う。しかし、映画版だけを観ると、悪いのはほとんど女側に見える。ワイラー監督が男性だからかも。ブロンテの原作では、どちらもかなり悪いのではと予想。
・字幕では翻訳されてなかったけど、キャシーの兄ヒンドリーが、ヒースクリフに対して「gypsy beggar」=ジプシーの乞食と、かなりひどいことを言っている。
・マールオベロン演じるキャシー、演技がすごく下手に見える。昔の映画を観ていて、俳優の演技を下手だと感じることはほとんどないのに、この人は珍しく下手だと思う。撮影中、マールオベロンとローレンスオリヴィエは仲が悪かったらしい。ふたりの愛情をあまり感じられないのはそのせい?
・ウィリアムワイラー監督。名匠と呼ばれているけれど、この人はもうほんとにすごくてすごくて……私が観ている作品はほとんど面白いし、評価の高い昔の作品以外にも、あとの方の『噂の二人』や『コレクター』も大好き。
『嵐が丘』に関してはそこまででも……と思うけれど、いくつかのシーンは「ぞっとする」内面の描き方をしていて、よかった。
・1939年の映画。古い映画を観ていると、この時期に名作がやたらと固まっていることに気づく。晩年の大林宣彦監督も「映画の最初のピークだった」というようなことを語っていた。アメリカ映画だけではなく、日本やフランスもそうではないかと思う。第二次世界大戦が始まった年。
・エドガー役、若い頃のデヴィッドニーヴンじゃないかなあと思ってたら、そうでした。おじさんになってからしか観たことなかったので新鮮。
・知らなかったけど、私が子供の頃にやってた『愛の嵐』って『嵐が丘』の翻案なんですね(昼ドラだし小学校低学年なので当然観ていない)。3月に開局したばかりのBS松竹東急で『大江戸捜査網』と『必殺仕事人』を観てると、『愛の嵐』のCMがやたらと流れる。
ヒースクリフ→渡辺裕之
キャシー→小川範子、田中美佐子
父→中尾彬
母→江波杏子
エドガー→長塚京三
エドガーの父?→犬塚弘
主題歌→下成佐登子!!!
ちゃんと最初から観ればよかった笑。
原作もドロドロ愛憎劇だけど、日本版になって『犬神家の一族』的な、よりドロドロの昼ドラになってそう……。 -
古典文学最高峰、『嵐が丘』の初映像化作品です。ちょっと綺麗すぎる印象があったけど、それでもやっぱりキャシーが今際の際になって「ヒースクリフ、こっちに来て」って言うのはすごくグッと来ます。そういう意味ではやっぱり美しくていい映画だなぁ。私の中で『嵐が丘』ブームが巻き起こりそうですね、嵐が丘だけに(笑)
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原作よりは闇が少なくきれいにキャシーの死でまとめられているが、やはり怒りにまかせて生きる、復讐を貫徹するヒースクリフの怖さが、ジプシーを養子にするリスクという差別を煽ってある感のある作品。古い作品だからそこら辺はある程度仕方なかろうが。
語り部である女中役の人、やたらジェフリー・ラッシュ(英国王のスピーチ)に似ていて集中できなかった笑 -
今の感覚だと心理描写が極端というか、その間のグラデーションをもっと細やかに描いてほしかった。この辺は長編の小説でないと難しいのか…。原作はこの後に何度も映画化されているが、どのように心理の描写がされているのか気になった。
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いいっすねえ。『プライドと偏見』『ジェーン・エア』とつづけて古典恋愛小説原作の映画を観たけど、ワイラー監督のがピカイチ。
監督自体は、そこまで好きな監督ではないのだけれど、やはり迫力が違う。あの兄が、ヒースクリフに石を投げるシーンや、嵐が丘の岩を城と見立てて黒騎士と空想上で戦うシーンなんか最高ですよ。